22 / 27
番外編
ロイの苦労
しおりを挟む
僕は、ロイ=カンタルヴィン。今は、魔術省の魔術部隊所属。それから第二王子のルークウェスト殿下の右腕かな。ん-、足として使われる事もあるけど、ルークは実際努力しているから、なーんか協力しちゃうんだよね。
僕の母、タリア=カンタルヴィンは、昔ルークの母である正妃様がお出掛けになられたり、公務をされてる時にルークのお世話を任されていた。まあ、他にも侍女の仕事もあったみたいだけど。母は、子ども同士のが学ぶものも多いだろうと、預かる時はよく僕も一緒に居た。
父は、トーマス=カンタルヴィン。宰相をしている。寡黙だが、仕事はしっかりやっている。父と過ごした時間があまり記憶にないのは、仕方ないと思っている。
国王陛下が床に伏され、ルークが政務を担わないといけなくなった時、ドレイク侯爵と共に寝る間も惜しんで教え込んでいたらしい。
そんな僕も、紆余曲折あって、ルークの右腕に抜擢。忙しいから、やれる人がいたら喜んで代わるのにな。僕の代わりになれる優秀な人材が居ないから、仕方なく続けているけどね。
「ロイ、魔色鑑定と、諸々見て欲しい人物が居る。」
15年目の、王妃様を弔う茶会が終わって、夕食の時間まであと少し、と言う所でルークが部屋に入って来た。
「何?不審人物?さっきの、魔力を感じたのと関係ある?」
王宮の周りには、念のため結界が張ってある。結界といっても、強いものではなく、魔力を感じると空気が震えるような膜みたいなものが、ドーム状に空を覆っているだけだ。それに、先程異変があった。
僕も行った方がいいかと思ったけど、危機的状況では無かったから、部屋で寛いでいたというのに。
「いや…分からない。女が、第三の庭に倒れていた。この辺りではあまり見かけない黒髪だった。ロイ、お前にしか頼めない。明日、目が覚めたら一緒に確認してもらってもいいか?」
ルークは、僕の上司ではあるけれどあまり命令をしない。そういう所は、仕事がし易く有難い。
「そう。いろいろと内密にしといた方がいいかもね。分かったよ。」
仕方ない。ルークの憂いが次から次へと…。問題がこれ以上増えないといいんだけど。
☆★☆★☆★☆★☆★
マリア・サガワと言う女性は確かに変わっていた。
会話がいまいち噛み合わないし、この国の者なら知っているだろう魔色鑑定玉を知らないとも言うし。
彼女が触れても魔色鑑定玉が変化しなかったという事は、火・水・雷・治癒の魔力を持たないという事。
それを踏まえると、状況から見て、やはり異世界からやって来たと考えるのが妥当だ。気になるのは、王妃様の魔力が僅かに感じた事か。もう、亡くなって暫く経つのに感じる事ってあるのか?
☆★☆★☆★☆★☆★
「マリアちゃん、何ともなくて良かったね。」
毒入り紅茶がマリア嬢に出され、倒れたと知らせが入り、ルークと共に視察に行っていたのに急遽帰って来た。食事もそこそこに、マリア嬢の目が覚めるのを待っていたルークは、マリア嬢が目覚めて、ものすごくホッとしていた。
僕は、異世界の知識を拝借してこの国を良く出来たら…とか打算的な考えしか無かったんだけど、どうやらルークは違うみたいだ。
それにしても…湯気に色が付いていたってなんだ?聞いた事ないぞ。僕が知らない事があるって気に入らないな。久し振りに、図書館でも行って過去の文献を調べてみるか。
☆★☆★☆★☆★☆★
はー。ルークめ。また僕が後処理を任されたよ…面倒だなぁ。
サンデローズという、マリア嬢に毒入り紅茶を飲ませようとした件…またどうせ、ちょいちょい手を出して来ている王弟殿下が絡んでんじゃないの?
下手に動くと、僕が消されちゃうから上手く立ち回らないといけないんだから、本当気ぃ遣うよ。ま、僕がヘマする訳ないけどさ。
弟も居るって言ってたな。何かされると面倒だから、うちに連れて行けばいっか。そうすれば、母さんがきっとどうにかしてくれるだろうし。母さんもやり手だもんな-。でも、タダで置いておくのもな。何かやらせれる事ないかな-。
☆★☆★☆★☆★☆★
マリア嬢は、やべぇな。魔力とかで説明付かないや。魔力は感じたが、僕には黒い靄とか雲は全く見えなかった。それに、国王陛下や第一王子殿下の部屋は確かに息苦しかったが、マリア嬢、倒れそうな位咳き込んでたもんな。
けれど、王妃様が絡んでる?だったら、マリア嬢がこの国へ来た時に、王妃様の魔力を感じたのは説明が付くけど、それ位しか分からないや。異世界から来た人には魔力とは違う、特別な力が備わるのだろうか?
文献を調べても、そういうのは載ってなかったんだよなぁ。
僕が、解明出来ない事があるなんて…ちょっと、いやかなり悔しいや。だからこれからマリア嬢の研究をこっそりやっていかないとな。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「ロイ、ロイ!」
何処からかルークの声が聞こえる。本当に、僕って忙しい!あんまり僕を頼んないでよね。過労死したらどうすんのさ。
ま、でもマリア嬢が国王陛下も第一王子殿下も元気にさせてくれたし、その内僕もゆっくり出来る時が来るのかな-。
「ロイを呼べ!」
もう、せっかちだなぁ。
「はいはい、今行くよ。」
僕の母、タリア=カンタルヴィンは、昔ルークの母である正妃様がお出掛けになられたり、公務をされてる時にルークのお世話を任されていた。まあ、他にも侍女の仕事もあったみたいだけど。母は、子ども同士のが学ぶものも多いだろうと、預かる時はよく僕も一緒に居た。
父は、トーマス=カンタルヴィン。宰相をしている。寡黙だが、仕事はしっかりやっている。父と過ごした時間があまり記憶にないのは、仕方ないと思っている。
国王陛下が床に伏され、ルークが政務を担わないといけなくなった時、ドレイク侯爵と共に寝る間も惜しんで教え込んでいたらしい。
そんな僕も、紆余曲折あって、ルークの右腕に抜擢。忙しいから、やれる人がいたら喜んで代わるのにな。僕の代わりになれる優秀な人材が居ないから、仕方なく続けているけどね。
「ロイ、魔色鑑定と、諸々見て欲しい人物が居る。」
15年目の、王妃様を弔う茶会が終わって、夕食の時間まであと少し、と言う所でルークが部屋に入って来た。
「何?不審人物?さっきの、魔力を感じたのと関係ある?」
王宮の周りには、念のため結界が張ってある。結界といっても、強いものではなく、魔力を感じると空気が震えるような膜みたいなものが、ドーム状に空を覆っているだけだ。それに、先程異変があった。
僕も行った方がいいかと思ったけど、危機的状況では無かったから、部屋で寛いでいたというのに。
「いや…分からない。女が、第三の庭に倒れていた。この辺りではあまり見かけない黒髪だった。ロイ、お前にしか頼めない。明日、目が覚めたら一緒に確認してもらってもいいか?」
ルークは、僕の上司ではあるけれどあまり命令をしない。そういう所は、仕事がし易く有難い。
「そう。いろいろと内密にしといた方がいいかもね。分かったよ。」
仕方ない。ルークの憂いが次から次へと…。問題がこれ以上増えないといいんだけど。
☆★☆★☆★☆★☆★
マリア・サガワと言う女性は確かに変わっていた。
会話がいまいち噛み合わないし、この国の者なら知っているだろう魔色鑑定玉を知らないとも言うし。
彼女が触れても魔色鑑定玉が変化しなかったという事は、火・水・雷・治癒の魔力を持たないという事。
それを踏まえると、状況から見て、やはり異世界からやって来たと考えるのが妥当だ。気になるのは、王妃様の魔力が僅かに感じた事か。もう、亡くなって暫く経つのに感じる事ってあるのか?
☆★☆★☆★☆★☆★
「マリアちゃん、何ともなくて良かったね。」
毒入り紅茶がマリア嬢に出され、倒れたと知らせが入り、ルークと共に視察に行っていたのに急遽帰って来た。食事もそこそこに、マリア嬢の目が覚めるのを待っていたルークは、マリア嬢が目覚めて、ものすごくホッとしていた。
僕は、異世界の知識を拝借してこの国を良く出来たら…とか打算的な考えしか無かったんだけど、どうやらルークは違うみたいだ。
それにしても…湯気に色が付いていたってなんだ?聞いた事ないぞ。僕が知らない事があるって気に入らないな。久し振りに、図書館でも行って過去の文献を調べてみるか。
☆★☆★☆★☆★☆★
はー。ルークめ。また僕が後処理を任されたよ…面倒だなぁ。
サンデローズという、マリア嬢に毒入り紅茶を飲ませようとした件…またどうせ、ちょいちょい手を出して来ている王弟殿下が絡んでんじゃないの?
下手に動くと、僕が消されちゃうから上手く立ち回らないといけないんだから、本当気ぃ遣うよ。ま、僕がヘマする訳ないけどさ。
弟も居るって言ってたな。何かされると面倒だから、うちに連れて行けばいっか。そうすれば、母さんがきっとどうにかしてくれるだろうし。母さんもやり手だもんな-。でも、タダで置いておくのもな。何かやらせれる事ないかな-。
☆★☆★☆★☆★☆★
マリア嬢は、やべぇな。魔力とかで説明付かないや。魔力は感じたが、僕には黒い靄とか雲は全く見えなかった。それに、国王陛下や第一王子殿下の部屋は確かに息苦しかったが、マリア嬢、倒れそうな位咳き込んでたもんな。
けれど、王妃様が絡んでる?だったら、マリア嬢がこの国へ来た時に、王妃様の魔力を感じたのは説明が付くけど、それ位しか分からないや。異世界から来た人には魔力とは違う、特別な力が備わるのだろうか?
文献を調べても、そういうのは載ってなかったんだよなぁ。
僕が、解明出来ない事があるなんて…ちょっと、いやかなり悔しいや。だからこれからマリア嬢の研究をこっそりやっていかないとな。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「ロイ、ロイ!」
何処からかルークの声が聞こえる。本当に、僕って忙しい!あんまり僕を頼んないでよね。過労死したらどうすんのさ。
ま、でもマリア嬢が国王陛下も第一王子殿下も元気にさせてくれたし、その内僕もゆっくり出来る時が来るのかな-。
「ロイを呼べ!」
もう、せっかちだなぁ。
「はいはい、今行くよ。」
29
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。
バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。
全123話
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。
朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。
ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる