【完結済】呼ばれたみたいなので、異世界でも生きてみます。

まりぃべる

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番外編

サンディの憂鬱

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私サンディ。昔は、サンデローズという名前だった。
私には4歳下の弟がいる。名前はサウロス。とっても生意気!

サウロスが3歳の時に母ちゃんが死んでから、父ちゃんとサウロス二人でいっつも草の話!私が父ちゃんと話してても、いつの間にかサウロスと薬草の話して笑い合ってて。
私だって、父ちゃんと話したいのに!

父ちゃんの仕事は薬師だったから、弟子が出来たようで嬉しかったんだろうけどさ…。私も、最初の内は父ちゃんと一緒に草を探しに行ったりしてたけど、どうにも食べれる草と、薬になる草の見分けは私には出来なかった。だってみーんな同じように見えちゃうんだもん。



父ちゃんも死んじゃった時は、どうしようかと思ったよ。その時私は10歳。サウロスは6歳で。孤児院に引き取られたからそこまでは良かったけど、サウロスが私よりも、みんなと馴染んじゃってさ!

そりゃあ、孤児院も裕福じゃないから、裏山から食べられる山菜やら野草やら持ってくるサウロスが人気出るのは分かるけど…ヤな感じ!
私の居場所をことごとく取るんだから!その分、美味しいご飯を作ったり、お茶を入れたりは努力したよ。


そのうち、どっかの偉い人が来て、その孤児院の年長者だった私を引き取るって言って。
弟も一緒に行きたがったけど、私一人だけ。私はちょっと優越感!だってこれからは、一人部屋で過ごせるし、ご飯もお腹いっぱい食べられる!
やって欲しい仕事があるとかで、私がきちんと出来たら弟の事も考えてやると言われた。サウロスの事なんて初めはどうでも良かったけど、離れて一人で毎日いたらなんだか寝る前にサウロスの事を考えてる自分がいた。ふっかふかの布団で寝れるのは嬉しいんだけど、サウロスは孤児院のみんなと同じ部屋の床で寝てるんだと思ったら、サウロスもこっちに来たいかなって。私も偉くなったって事かな?

偉い人の家で、貴族の作法?とか言葉遣いとか習って。それで、王宮で侍女を勤めなさいって言われた時はびっくりしちゃった!
偉い人は、【私には娘が居なくてね。王宮に勤めてくれるのが夢だったんだよ。】って言ってきた。そんなのが夢なの?って聞いたら、【自分の娘が王宮で勤めているって、とても栄誉な事なんだよ。】って言われた。偉い人の考えてる事は良く分からないや!


王宮で勤めるようになって1週間くらいした頃に、私を引き取ってくれた人の知り合いっていう人が【このお茶を、あの部屋にいる女性に飲ませなさい】って言ってきた。
いつもはタリア侍女長がやるのに、忙しかったらしい。
でも、この葉っぱって…食べたらいけないって父ちゃんに言われたやつじゃなかった!?
【えっと、これ大丈夫ですか?】って聞いたら、【珍しいお茶だから、しっかり飲んだか確認しなさい】と言われた。
飲んだかどうか確認しろなんて言われた事がないから、益々怪しい…。
【早くしなさい】
私が訝しんでいるのを気付いたのか、急かしてくる。
ただ、似ているだけかな。…そう思うんだけど、何か気になる…。


お茶を入れてる時も、もし私が思っている事が正しかったら、ヤバくない?と思ってしまうと、不作法にも食器が合わさったカチャカチャという音が鳴っちゃって。



衛兵に腕を掴まれた時は、【ああ、私捕まって死ぬのかな】って思った。

でも、地下牢に入れられて、笑顔が胡散臭い男の人が私にいろいろと聞いて来て。多分、死ぬことを覚悟したからか弟の事もポロッと話しちゃったんだよね。

そうしたら、2日位で地下牢から出れちゃった。
地上に出ると、また笑顔の胡散臭い男の人がいて、【いい?サンデローズは死んだんだよ。なんて名前がいいかな。んーサンディね。髪も少し暗くしよう。あと、侍女を続ける気、ある?】と言われた。【良く分からないのですけど…】と言うと、【まあ、そうだよね。でも、貴族に毒を入れたなら普通は打ち首でしょ。入れられた本人が、自分の侍女になって欲しいって言ってたんだって。だから話合わせてね。どう?】え?そうなの?またお茶に毒入れられたりとか思わないわけ?あの人、私の心配もしてたよな…。
【はい、やります。】
【おおー、良い返事だね。マリアちゃんはこの国にとって有益だからね。よろしく頼むよ。ちなみに、弟くんも連れて来たから。今は、僕の家に居るよ。彼には何の仕事をさせようかな-。】そう言って、私の部屋となる所へ、連れて行ってくれた。
【僕は慈善事業とかはしないから。だから、君の弟にも仕事を与えるからね。君が今日から住むのは王宮の中で働いている人用の使用人宿舎。そのうち、彼もこっちに住んで貰うよ。まだ小さいからいつになるかな-。】









○●○●○●○●
「へー、だからサンディはあの紅茶が毒かもって気付いたのね。あなた、薬師になった方が良かった?」
「とんでもないです-。私には無理ですよう。弟のが知識も豊富でなれそうなんですよー。でも、もう忘れちゃったかな。父ちゃ…父さまに教えて貰ったのはずいぶん前だったのでー。」
「そう…。ねぇ、今度買い物に頼まれてくれない?薬屋さんなの。」
「え!どこか痛いのですか-?待医をお願いしてきましょうかー?」
「いいえ、違うわ。私、街で薬屋さんと知り合いになったの。女の人なんだけどね、店番一人でしてたのよ。もしかしたら他にも雇っている人いてたまたま一人だったかもしれないけど、サンディの弟くん、お手伝いがてら勉強に行かせてもらえないのかと思って。手紙書いて、持って行ってもらってもいい?」


○●○●○●○●



マリア様は、すごいですぅ!私の命を助けてくれたマリア様…一生付いていきます!
サウロスも、あれから薬屋さんでいろいろ教えて貰ったり、足りなくなった薬草を自分で調達しに行ったり。まだまだ小さいけれど、知識は豊富とかで、役立ってるみたい。
薬屋さんも、夫婦でやってたけど2人じゃ最近きつくなってきたとか。かと言って正規の人を雇う程儲かってるわけでもないらしく。サウロスも、教えて貰ったりするからお小遣い程度で充分だし。
これで、笑顔の胡散臭い男の人…もとい、ロイ様に、恩返しが出来ますぅ!

ロイ様、あんな仮面を貼り付けたような変な笑顔、しなくてもいいと思うのになぁ。いつか、心からの笑顔を見てみたいですぅ!
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