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27. 新たなる…
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「皇后陛下!皇后陛下!!」
ん?誰か、呼ばれているわよ。
「エルヴィーラ様、どうしましょう、また呼ばれておりますけれど。エルヴィーラ様?」
はっ!私だったわ!!
披露会も無事に終わって一週間。
私は、ここ最近、本当に眠くなるのよ。
今は昼食を食べたあと、部屋の窓際にあるロッキングチェアに揺られながら寝ていたわ。
トアンに声を掛けられて私目を覚ました。
「また?今度はどうしたのかしら。」
最近、私は眠くなる頻度が増えたので、ルドは体調が悪いと思っているみたい。と、足元を見ると、ルドが私の膝に顔をうずめて寝ていた。
…全く気付かなかったわ。
ルドの頭を無意識に撫でていると、
「失礼しても宜しいですか?」
と、いつの間にか扉が空いていて、フスタフが声を掛けて来ていた。
「また、ルドね?」
私は少し笑いながらフスタフへと笑いかけた。
「はい。もう少ししたら、近隣諸国の大使との接見があるのです。そろそろ来ていただかないと。」
「ルド、起きて。そろそろ時間よ?」
「やだ。行きたくないです。エルヴィーラが心配で…体調は大丈夫なのですか?」
「ええ、大丈夫よ。ルド、皆様に迷惑かけては掛けてはいけないわ。…フスタフ、それって私も行っても大丈夫なやつかしら?」
「はい。参加されますか?」
「…いい。僕だけで行って来ます。エルヴィーラの体調が悪いなら、無理をしてもいけませんから。」
「ルド…」
「その代わり、帰ってきたら一緒に居てくれますか?」
「当たり前よ。…でも、まだルド、私と話す時も砕けた口調してくれないのね。」
「え?あ…す、すみません…善処します……。」
「前も聞いた気がするわよ?」
「………そうで、あ!そうだったかな?じゃぁ、行って来ま…行って来る。」
「ええ!ルド、頑張って来てね?待ってるわ。」
「はい!…おい、フスタフ、行くぞ!」
ルドは私の頬にキスを一つしてから、部屋を出て行った。
「承知しました。…皇后陛下、ありがとうございます。」
そう言って、フスタフも部屋を出て扉を閉めた。
「…エルヴィーラ様、お疲れさまでした。お医者様をお呼びしましょうか?」
トアンがそう言ったので、
「え?どうして?」
と、私は疑問に思って聞いた。
「最近、気づいたら眠られてますよね?それから…月のモノも来ておりませんよね?食欲も少し落ちていますし。」
そう言えば最近変わったのは、眠気だけじゃなかったわね。え?でもそれでお医者様?
「私、なにか病気なの?」
私は少し不安になってそう言うと、トアンは逆にニコニコとして微笑んで、
「いいえ。もしかしたら、お腹に御子様がいらっしゃるのではと思いまして。」
「え!?」
「あ、まだそうかは分かりませんよ、日々のストレスでそうなる事もありますから。ですから、お医者様をお呼びしますと申し上げました。それによって対応も変わりますから。」
「そう…そうね。ではお願いするわ。」
ルドと、そういう事は、最近毎日のようにしているもの。私はお腹を見つめ、無意識に手を添える。
(もしかしたら、ここに私とルドとの赤ちゃんが…?)
そう思うとなんだか、顔がニヤけて来てしまう。が、まだそうと決まったわけではないから、トアンが言ってくれたお医者様を待つ事にした。
☆★
「では、お大事に。無理はなさいませんように。」
お医者様がそう言って部屋を出て行った。
「エルヴィーラ様…おめでとうございます!」
傍に控えていたトアンがそう言ってくれる。
私も、不思議と顔がほころんできてしまうけれど、
「ありがとう。ルドには、あとで私から伝えるわ。」
「承知しました。では、そのように。食事は、どうされますか?何かご要望があれば、料理長に伝えます。果物とか、さっぱりとした物がいいですか?」
「ありがとう、そうね。まだどれが食べたいか分からないから、そのようにしてちょうだい。お願いね。」
「はい、承知しました。では伝えてきます。」
そう言って、トアンも部屋を出て行った。
お医者様の見立てでは私のお腹に赤ちゃんがいると言われたの。あまり無理をしないようにって言われた為に、仕事も減らされるかもしれないわ。でも、眠気がくる私に、今も体調が良くないのではないかと仕事を減らしてもらっているから申し訳ないと思う。
でも、ルドとの赤ちゃん…大切にしないといけないものね。
「ルドになんて伝えようかしら。」
私はそう考えながら、襲ってくる眠気に抗えず微睡んでいた。
☆★
これで、終わりです。読んでいただきましてありがとうございました!
すみません、遅くなってしまいました(T_T)<m(__)m>
おきにいり登録して下さった方、しおりを挟んでくれた方本当にありがとうございました!
ん?誰か、呼ばれているわよ。
「エルヴィーラ様、どうしましょう、また呼ばれておりますけれど。エルヴィーラ様?」
はっ!私だったわ!!
披露会も無事に終わって一週間。
私は、ここ最近、本当に眠くなるのよ。
今は昼食を食べたあと、部屋の窓際にあるロッキングチェアに揺られながら寝ていたわ。
トアンに声を掛けられて私目を覚ました。
「また?今度はどうしたのかしら。」
最近、私は眠くなる頻度が増えたので、ルドは体調が悪いと思っているみたい。と、足元を見ると、ルドが私の膝に顔をうずめて寝ていた。
…全く気付かなかったわ。
ルドの頭を無意識に撫でていると、
「失礼しても宜しいですか?」
と、いつの間にか扉が空いていて、フスタフが声を掛けて来ていた。
「また、ルドね?」
私は少し笑いながらフスタフへと笑いかけた。
「はい。もう少ししたら、近隣諸国の大使との接見があるのです。そろそろ来ていただかないと。」
「ルド、起きて。そろそろ時間よ?」
「やだ。行きたくないです。エルヴィーラが心配で…体調は大丈夫なのですか?」
「ええ、大丈夫よ。ルド、皆様に迷惑かけては掛けてはいけないわ。…フスタフ、それって私も行っても大丈夫なやつかしら?」
「はい。参加されますか?」
「…いい。僕だけで行って来ます。エルヴィーラの体調が悪いなら、無理をしてもいけませんから。」
「ルド…」
「その代わり、帰ってきたら一緒に居てくれますか?」
「当たり前よ。…でも、まだルド、私と話す時も砕けた口調してくれないのね。」
「え?あ…す、すみません…善処します……。」
「前も聞いた気がするわよ?」
「………そうで、あ!そうだったかな?じゃぁ、行って来ま…行って来る。」
「ええ!ルド、頑張って来てね?待ってるわ。」
「はい!…おい、フスタフ、行くぞ!」
ルドは私の頬にキスを一つしてから、部屋を出て行った。
「承知しました。…皇后陛下、ありがとうございます。」
そう言って、フスタフも部屋を出て扉を閉めた。
「…エルヴィーラ様、お疲れさまでした。お医者様をお呼びしましょうか?」
トアンがそう言ったので、
「え?どうして?」
と、私は疑問に思って聞いた。
「最近、気づいたら眠られてますよね?それから…月のモノも来ておりませんよね?食欲も少し落ちていますし。」
そう言えば最近変わったのは、眠気だけじゃなかったわね。え?でもそれでお医者様?
「私、なにか病気なの?」
私は少し不安になってそう言うと、トアンは逆にニコニコとして微笑んで、
「いいえ。もしかしたら、お腹に御子様がいらっしゃるのではと思いまして。」
「え!?」
「あ、まだそうかは分かりませんよ、日々のストレスでそうなる事もありますから。ですから、お医者様をお呼びしますと申し上げました。それによって対応も変わりますから。」
「そう…そうね。ではお願いするわ。」
ルドと、そういう事は、最近毎日のようにしているもの。私はお腹を見つめ、無意識に手を添える。
(もしかしたら、ここに私とルドとの赤ちゃんが…?)
そう思うとなんだか、顔がニヤけて来てしまう。が、まだそうと決まったわけではないから、トアンが言ってくれたお医者様を待つ事にした。
☆★
「では、お大事に。無理はなさいませんように。」
お医者様がそう言って部屋を出て行った。
「エルヴィーラ様…おめでとうございます!」
傍に控えていたトアンがそう言ってくれる。
私も、不思議と顔がほころんできてしまうけれど、
「ありがとう。ルドには、あとで私から伝えるわ。」
「承知しました。では、そのように。食事は、どうされますか?何かご要望があれば、料理長に伝えます。果物とか、さっぱりとした物がいいですか?」
「ありがとう、そうね。まだどれが食べたいか分からないから、そのようにしてちょうだい。お願いね。」
「はい、承知しました。では伝えてきます。」
そう言って、トアンも部屋を出て行った。
お医者様の見立てでは私のお腹に赤ちゃんがいると言われたの。あまり無理をしないようにって言われた為に、仕事も減らされるかもしれないわ。でも、眠気がくる私に、今も体調が良くないのではないかと仕事を減らしてもらっているから申し訳ないと思う。
でも、ルドとの赤ちゃん…大切にしないといけないものね。
「ルドになんて伝えようかしら。」
私はそう考えながら、襲ってくる眠気に抗えず微睡んでいた。
☆★
これで、終わりです。読んでいただきましてありがとうございました!
すみません、遅くなってしまいました(T_T)<m(__)m>
おきにいり登録して下さった方、しおりを挟んでくれた方本当にありがとうございました!
応援ありがとうございます!
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他から来て 一気読みしました! ←今 側から一気読み中www
がしかし!! コレはルドに告げて大喜びするところが観たかったーー・゜・(つД`)・゜・
sakikaname様、来て下さいましてありがとうございます!
そうですねぇ(^^ゞはっきりとはあえてさせませんでした(^^;)ご期待に添えずすみません^^;
まりぃべるはしばしば、あとは好きに妄想して下さい♪をすることがあります(^・^)
それでも読んで下さいましてありがとうございました(≧ヮ≦)