【完結】学生時代に実った恋は、心に痛みを残した。

まりぃべる

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12. 三週目の土曜 【同期の人達と】

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「皆集まったな?じゃあ行こうぜー?」


 今日は、先週来てなかった子も来たり、来れない子もいて十二人となった。
先週と同じように八戸が人数を確認して、先週と同じ店へと出発しようと声を掛けた。




 千鶴は、水曜までは土曜日また出掛けられるかが分からず曖昧な返事をしていたが、木曜、八戸からメールがきた時に合わせて聞いてみたのだ。

【そういえば、土曜日、同期の人達とまた遊びに行くんだよね?行けるって言ってもまだ間に合う-?】

 するとすぐに返信が来て千鶴はホッとした。

【本当-?やった!!うん、あきちゃん来れるなら嬉しいよ!間に合うに決まってるよー!先週みたいに同じチームになれたらいいなー。楽しもーぜ!!】

(八戸くんは、気を遣ってくれてるのかな。けれど、そう言ってくれて嬉しい気がするわ。)






「ねぇ、千鶴ちゃん大丈夫だったの?予定どうなるかなって言ってたから。でも来てくれて嬉しいんだけどね!毎週来てる私って暇人みたいだけど、これからも遊んでくれると嬉しいな!」

 店へと歩いている時にそう咲良に言われ、千鶴も言葉を返す。

「暇人だなんて思わないよー。だって、皆で遊べるの楽しいもんね!ごめんね、予定がはっきりしなくて。けどこんなに体を動かしても、ストレス発散できるんだから、毎週来たいくらいだわ。こちらこそだよー、遊んでね!」

 二人は顔を見合わせて笑い合った。





「今日は、何からやろうか。んー、あきちゃん!決めて!」

 ここでいきなり、八戸から指名されて驚いた千鶴だが、なんとか考えて言った。

「え!えーっと、じゃあ今空いてそうだからまたボーリングやりたい!その後空いてたらバトミントンとかかなー。」

「お、いいね!そうだね。せっかくならみんな近くのレーンでやりたいもんな!」

「今日はどうする?三人で一チームで、四チームの内負けたチームが勝ったチームにジュース驕ろうぜ!」

「小林くん、やめてよ-!」

「え?だめー?なんかペナルティーあると面白いかなって思ったんだけど。」

「いいよーやっても!」

「うーん、じゃあ分かった。いいよー。」

 それぞれが言ったが、面白そうだと言う声が多く、結局ペナルティーを付ける事になってしまった。

 そして、三人ずつのチームであるから、メンバーに恵まれないとヤバいと千鶴は思った。


「僕、川村さんと一緒だ。よろしく。」

「僕も。よろしくね。」

 二人は、先週は来ていなかった男の子。大学院卒と、高卒の子だった。千鶴は、あまり話した事ない人となってしまったなと思ったが、うまくやれるといいなと思った。

「足引っ張ったらごめんね、よろしく-。」





「やったー!勝った!!」

「咲良ちゃんおめでとう!悔しいけど、私奢るわね。」


 結局、最初に文句を言っていた咲良が、八戸ともう一人高卒の男の子とチームになり、これがかなり上手かった。
対して、千鶴のチームは成績が良くなく、ペナルティーを受ける事となった。

「ごめんね-、川村さん。負けちゃったよ。」

「ごめんね。あそこでストライクが出てたらなー。」

「ううん。私も、結局いいとこなかった。ごめんね。」

「そんな事ないよ、あきちゃんストライク出てたじゃん!すごいよー!」

 チームが違ったのに、八戸が見ていたなんて驚いたし、そう言ってくれて嬉しかった千鶴は、顔が赤くなりながらお礼を言った。

「あ、ありがとう。うん、あれは嬉しいかった!」

「そっか、すごいすごい!じゃあそんなすごいあきちゃんから俺、買ってもらおっかな!」

「えー、私が千鶴ちゃんに買ってもらおうと思ったのに。」

「あーごめんね、山井さんは他の人に驕ってもらってよ。俺、目を付けてたジュースあったんだよね、こっち来てよ!」

 そう言って八戸は千鶴の手をり気無く取り、自動販売機の前へと連れて行った。

(え!手、繋いじゃった!?八戸くん!ちょっと!!)

 そう思った千鶴だが、なぜかそれが嫌ではなく、ごく自然であった。
それに自動販売機の前まで来ると何事も無かったかのように手を離され、八戸は一人、どれだっけ?と言いながら探していた。

(きっと、意味なんて無いわよね。晃がいるのにドキッとしちゃったわ!もう!ダメよ、ダメ!)

 千鶴はドキドキとしてしまった自分を反省していると、ジュースが決まったと八戸に呼ばれたのでそちらへと向かった。
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