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13. フォルヒデン領地での一コマ
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「フォルヒデン領で生活出来て、本当に光栄だよな!」
「あぁ。フォルヒデン領は、本当に護られているからな!」
「ナタリア様…じゃなくてピオトルが生まれて三年ほどしてからは、この領地では水害も大きな被害受けてないもんな。」
「おいおい…誰が聞いているか分からんぞ?今は、イノリコになったんだ。ピオトル様って呼ばないと…ま、誰も聞いてはいないか!そうだよなぁ。水不足で、穀物が枯れそうになった時も、なぜか少しだけ小雨が降って潤い、飢饉を免れたもんな!」
ーーー
ーー
ー
「あ、ナタリア様-!」
「遊びましょー!」
「ええ!キルス、コルス、遊びましょう!」
今日、私は久し振りにフォルヒデンの農家を渡り歩いていた。
以前は、ピオトル兄様と来たりもしていたけれど、もうピオトル兄様はいない。
だから、侍女のジャネタと一緒に。
今日は、小麦農家に来た。
ここの小麦農家は、私より一つ年下の双子の女の子のキルスとコルス、二歳になる弟のオルバーがいる。
その子供達と遊ぶ為に来た、というのが正解だけれど、以前ダミアン兄様が〝領民の声は宝の声だ。全て聞く事は出来ないかもしれないが、要望は知っていて損は無い。だから、領民の家へ遊びに行くのも、ナタリアの立派な仕事だよ。もちろん、邪魔をしてはいけないよ。〟と言っていたの。
だから、私は仕事をしに来たのよ。
「え?井戸が枯れた!?」
「うん、今日の朝からなの。だって、水が無いの。」
「そう、ポンプをやっても、前みたいにたくさん出て来ないの。」
「それは大変!ちょっと様子を見せて?どこの井戸-?」
「あっちだよ、案内するー!」
「私もー!」
「これ?」
「うん。今、ポンプ、やってみるね。」
そう言って、双子の女の子が代わる代わるポンプを上下に動かしてくれたが、確かに水が少なく、ポタポタと滴り落ちる位しか出て来ない。
「本当だわ…。お父様に報告するわね。」
「うん、お願いします!」
「お願いします!」
(井戸、どうしちゃったのかしら…。お水、前みたいにちゃんと出るようになりますように。そうしたら、領民の人達も困らなくていいもの。)
「あ!ナタリア様だー!お姉ちゃーん!」
「あ、オルバーよ!」
「危ないから走ってはダメよ!」
オルバーは、ちょっと前に歩き始め、今ではいろんな所へ動きたくてしょうがない感じ。
「あ!」
「危ない!」
「わ!」
こちらへ駆け出したオルバーは、皆で心配した通り、盛大に転んで両膝と両腕を擦りむいてしまった。
「わーーん!!痛いよーー!!」
血を流しながら泣くオルバーは、小さい体であるから余計に痛々しい。
「井戸で洗おう。」
「おいで、オルバ-。」
そう言っても、そこからどうにか立ち上がったけれど一向に動く気配の無いオルバ-。
きっと痛いのね。
私がそっと駆け寄って、手を握った。
「痛いよね。向こうで洗いましょう?でも、お姉ちゃん達が走らないで、って言ったのですから、ちゃんと聞きましょうね?」
泣きながら首を上下に動かしたオルバー。
(痛そう…。血がたくさん出てるし。井戸で洗うと言っても、水で洗い流せるほど出ないわ…。早く痛みが引きますように。血が止まりますように。)
私がそう思った時。
それまで、ギャンギャンと泣いていたオルバーがいきなり泣くのを止め、井戸の方へ走ったので私達はどうしたのかと思ったけれどまた、注意した。
「オルバ-、どうしたの?ここまで来たのは偉いけど、走ってはダメよ?」
「うん。でも、痛くない。」
「あら、偉いのね。我慢して偉いよ、オルバ-。」
「我慢して無いよ、痛くない!」
見ると、確かにダラダラと出ていた血が、出ていない。
「…?まぁ、よかったわね。」
「そうね、痛くないのは良いことね。さ、洗いましょ。」
「あ、水、出たー!」
「本当だ!詰まってたのかな?」
井戸のポンプを、もう一度双子が動かしてみると、先ほどの出来事が嘘みたいに、少しすると何故かジャージャーと音がするほど、水が溢れ出て来た。
(本当に。すぐ血が止まってよかったわね。水も、出るようになってよかったわ。一応、お父様に報告しておきましょう。)
「あぁ。フォルヒデン領は、本当に護られているからな!」
「ナタリア様…じゃなくてピオトルが生まれて三年ほどしてからは、この領地では水害も大きな被害受けてないもんな。」
「おいおい…誰が聞いているか分からんぞ?今は、イノリコになったんだ。ピオトル様って呼ばないと…ま、誰も聞いてはいないか!そうだよなぁ。水不足で、穀物が枯れそうになった時も、なぜか少しだけ小雨が降って潤い、飢饉を免れたもんな!」
ーーー
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「あ、ナタリア様-!」
「遊びましょー!」
「ええ!キルス、コルス、遊びましょう!」
今日、私は久し振りにフォルヒデンの農家を渡り歩いていた。
以前は、ピオトル兄様と来たりもしていたけれど、もうピオトル兄様はいない。
だから、侍女のジャネタと一緒に。
今日は、小麦農家に来た。
ここの小麦農家は、私より一つ年下の双子の女の子のキルスとコルス、二歳になる弟のオルバーがいる。
その子供達と遊ぶ為に来た、というのが正解だけれど、以前ダミアン兄様が〝領民の声は宝の声だ。全て聞く事は出来ないかもしれないが、要望は知っていて損は無い。だから、領民の家へ遊びに行くのも、ナタリアの立派な仕事だよ。もちろん、邪魔をしてはいけないよ。〟と言っていたの。
だから、私は仕事をしに来たのよ。
「え?井戸が枯れた!?」
「うん、今日の朝からなの。だって、水が無いの。」
「そう、ポンプをやっても、前みたいにたくさん出て来ないの。」
「それは大変!ちょっと様子を見せて?どこの井戸-?」
「あっちだよ、案内するー!」
「私もー!」
「これ?」
「うん。今、ポンプ、やってみるね。」
そう言って、双子の女の子が代わる代わるポンプを上下に動かしてくれたが、確かに水が少なく、ポタポタと滴り落ちる位しか出て来ない。
「本当だわ…。お父様に報告するわね。」
「うん、お願いします!」
「お願いします!」
(井戸、どうしちゃったのかしら…。お水、前みたいにちゃんと出るようになりますように。そうしたら、領民の人達も困らなくていいもの。)
「あ!ナタリア様だー!お姉ちゃーん!」
「あ、オルバーよ!」
「危ないから走ってはダメよ!」
オルバーは、ちょっと前に歩き始め、今ではいろんな所へ動きたくてしょうがない感じ。
「あ!」
「危ない!」
「わ!」
こちらへ駆け出したオルバーは、皆で心配した通り、盛大に転んで両膝と両腕を擦りむいてしまった。
「わーーん!!痛いよーー!!」
血を流しながら泣くオルバーは、小さい体であるから余計に痛々しい。
「井戸で洗おう。」
「おいで、オルバ-。」
そう言っても、そこからどうにか立ち上がったけれど一向に動く気配の無いオルバ-。
きっと痛いのね。
私がそっと駆け寄って、手を握った。
「痛いよね。向こうで洗いましょう?でも、お姉ちゃん達が走らないで、って言ったのですから、ちゃんと聞きましょうね?」
泣きながら首を上下に動かしたオルバー。
(痛そう…。血がたくさん出てるし。井戸で洗うと言っても、水で洗い流せるほど出ないわ…。早く痛みが引きますように。血が止まりますように。)
私がそう思った時。
それまで、ギャンギャンと泣いていたオルバーがいきなり泣くのを止め、井戸の方へ走ったので私達はどうしたのかと思ったけれどまた、注意した。
「オルバ-、どうしたの?ここまで来たのは偉いけど、走ってはダメよ?」
「うん。でも、痛くない。」
「あら、偉いのね。我慢して偉いよ、オルバ-。」
「我慢して無いよ、痛くない!」
見ると、確かにダラダラと出ていた血が、出ていない。
「…?まぁ、よかったわね。」
「そうね、痛くないのは良いことね。さ、洗いましょ。」
「あ、水、出たー!」
「本当だ!詰まってたのかな?」
井戸のポンプを、もう一度双子が動かしてみると、先ほどの出来事が嘘みたいに、少しすると何故かジャージャーと音がするほど、水が溢れ出て来た。
(本当に。すぐ血が止まってよかったわね。水も、出るようになってよかったわ。一応、お父様に報告しておきましょう。)
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