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19. 王宮では
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レオシュが王宮へ帰ると、すぐに魔術師団のヤーヒムの元へと行った。
「おお、帰ってきたか。どうだ?仲良くなったか?」
「え……は、はぁ…。それより!引き継ぎという事は、魔術師団を辞めてもいいという事でしょうか。」
「何を今さら…。ベトジフの娘と結婚するんだろうに。バルツァル辺境伯になるのは娘のレナータの婿だ。他の領地ならいざしらずバルツァル領の兼任はさすがに無理だろうよ。」
「す、すみません…目を掛けていただいていたのに。」
「全くだ。ま、レオシュは才能があったからな。心無い同期の言葉に才能の芽が潰されても適わんと思ったまでだ。しかしこれもまた、繰り返すのだな…。」
「え?」
「いや…ベトジフもそうだったからさ。バルツァル領へと、魔獣を討伐しに行った帰りに、今のシモナ夫人に恋に落ちてそのまま…。当時の魔術師団団長にこっぴどく叱られたがベトジフはどこ吹く風で、『魔術師団にとって俺の代わりは幾らでもいるが、俺にとっての最愛の人は代わりはいない!』とか言って、無理矢理辞めたんだよ。しかし団長も然るべき手順を踏んでないと怒ってな…。ま、俺が代わりになるとなだめ、事無きを得たんだがな…。」
「そうでしたか…。」
「まぁ、ベトジフよりはレオシュ、お前のが自制心があって助かった。手順を踏んでもらわないと示しが付かないからな。おおそうだ。ノルベルトはどうする?」
「ノルベルト、ですか?奴は給料がいいから魔術師団に残ると言ってましたが。」
「連れていきたいなら連れていけ。ベトジフに話はつけてある。ノルベルトならレオシュの性格も良く知っているし、何より優秀だ。給料の話をしたら、能力を見極めてからと言っていた。まぁでもその話をノルベルトにしたら、まんざらでもなさそうだったぞ。」
「…。」
(ノルベルトが来るなら、確かにいろいろと助かる。だが、以前はここに残ると言っていた。しかしまんざらでもないなら来るかもしれないな。)
とレオシュは心強いなと思った。
「おぉ、そうだ。マルツェルの処遇が決まったぞ。すでに、最北の修道院で宦官として働いている。」
罪人であるからと、ヤーヒムはもうマルツェルに対し敬称を付けずに話した。
最北の修道院は、ここ辺りの気候とは違い、年中寒い。凍えるような寒さで、そこで罪と向き合いながら生涯を神の為に尽くすのだ。
「宦官…」
マルツェルは、女性にだらしがなかった。男性の象徴を切り落とされてしまうのだから、あの自信満々なマルツェルからしたら相当な屈辱を感じたのではないかとレオシュは思考を巡らせた。
「それからデニサな。最北の鉱山で、娼婦として鉱夫の役に立っているぞ。」
「娼婦…」
最北の鉱山もまた、年中凍えるような寒さの地域だ。そこは数々の宝石が採れる鉱山だ。宝石が好きなデニサであったからある意味お似合いの場所かもしれないとレオシュは思った。
「鉱夫として働くには、女性では大変だろうと配慮されたんだと。」
鉱山の近辺には、鉱夫が住む地区がある。仕事内容が大変であるから、たくさんの給料を得たいからと敢えて自ら志願して働きに来る者達の村だ。もちろん、過酷な地域であるが故に罪人もしばしば送られる。その場合は鉱夫が住む村とは別の地区に罪人達の住む村がある。
そこには娯楽が少ないので、娼婦も仕事としてその地区に存在するのだ。
しかし、デニサの場合は仕事としてではなく、『国の税金を使って私物を購入していた』罪を償う為に送られたのだ。
「マルツェルも昔は宝石が好きだったからそこへ送還しようと考えていたみたいだがな、カシュパル様は結局止めたらしい。」
レオシュはそれを聞いて頷いた。
「あ、引き継ぐ事なんて特に無いだろう。魔術師団の仕事なんて、実戦でしか分からない事も多いからな。その為に従術師が手足となる為に傍仕えしているんだ。片付けが終われば、バルツァルに戻っていいぞ。」
「ヤーヒム師団長…いえ、ヤーヒムさん、いろいろと今までありがとうございました!」
「よせ。どうせお前が辺境伯になれば会う機会もある。達者でな。」
「はい!」
こうして、ヤーヒムの元を去り、自室の整理をしに向かった。
(早く終わらせて、兄上達にも報告と、両親にも報告して…あぁ、これが一番面倒だ。)
早く終わらせ、レナータの元へとすぐにでも帰りたいと考えているレオシュであった。
「おお、帰ってきたか。どうだ?仲良くなったか?」
「え……は、はぁ…。それより!引き継ぎという事は、魔術師団を辞めてもいいという事でしょうか。」
「何を今さら…。ベトジフの娘と結婚するんだろうに。バルツァル辺境伯になるのは娘のレナータの婿だ。他の領地ならいざしらずバルツァル領の兼任はさすがに無理だろうよ。」
「す、すみません…目を掛けていただいていたのに。」
「全くだ。ま、レオシュは才能があったからな。心無い同期の言葉に才能の芽が潰されても適わんと思ったまでだ。しかしこれもまた、繰り返すのだな…。」
「え?」
「いや…ベトジフもそうだったからさ。バルツァル領へと、魔獣を討伐しに行った帰りに、今のシモナ夫人に恋に落ちてそのまま…。当時の魔術師団団長にこっぴどく叱られたがベトジフはどこ吹く風で、『魔術師団にとって俺の代わりは幾らでもいるが、俺にとっての最愛の人は代わりはいない!』とか言って、無理矢理辞めたんだよ。しかし団長も然るべき手順を踏んでないと怒ってな…。ま、俺が代わりになるとなだめ、事無きを得たんだがな…。」
「そうでしたか…。」
「まぁ、ベトジフよりはレオシュ、お前のが自制心があって助かった。手順を踏んでもらわないと示しが付かないからな。おおそうだ。ノルベルトはどうする?」
「ノルベルト、ですか?奴は給料がいいから魔術師団に残ると言ってましたが。」
「連れていきたいなら連れていけ。ベトジフに話はつけてある。ノルベルトならレオシュの性格も良く知っているし、何より優秀だ。給料の話をしたら、能力を見極めてからと言っていた。まぁでもその話をノルベルトにしたら、まんざらでもなさそうだったぞ。」
「…。」
(ノルベルトが来るなら、確かにいろいろと助かる。だが、以前はここに残ると言っていた。しかしまんざらでもないなら来るかもしれないな。)
とレオシュは心強いなと思った。
「おぉ、そうだ。マルツェルの処遇が決まったぞ。すでに、最北の修道院で宦官として働いている。」
罪人であるからと、ヤーヒムはもうマルツェルに対し敬称を付けずに話した。
最北の修道院は、ここ辺りの気候とは違い、年中寒い。凍えるような寒さで、そこで罪と向き合いながら生涯を神の為に尽くすのだ。
「宦官…」
マルツェルは、女性にだらしがなかった。男性の象徴を切り落とされてしまうのだから、あの自信満々なマルツェルからしたら相当な屈辱を感じたのではないかとレオシュは思考を巡らせた。
「それからデニサな。最北の鉱山で、娼婦として鉱夫の役に立っているぞ。」
「娼婦…」
最北の鉱山もまた、年中凍えるような寒さの地域だ。そこは数々の宝石が採れる鉱山だ。宝石が好きなデニサであったからある意味お似合いの場所かもしれないとレオシュは思った。
「鉱夫として働くには、女性では大変だろうと配慮されたんだと。」
鉱山の近辺には、鉱夫が住む地区がある。仕事内容が大変であるから、たくさんの給料を得たいからと敢えて自ら志願して働きに来る者達の村だ。もちろん、過酷な地域であるが故に罪人もしばしば送られる。その場合は鉱夫が住む村とは別の地区に罪人達の住む村がある。
そこには娯楽が少ないので、娼婦も仕事としてその地区に存在するのだ。
しかし、デニサの場合は仕事としてではなく、『国の税金を使って私物を購入していた』罪を償う為に送られたのだ。
「マルツェルも昔は宝石が好きだったからそこへ送還しようと考えていたみたいだがな、カシュパル様は結局止めたらしい。」
レオシュはそれを聞いて頷いた。
「あ、引き継ぐ事なんて特に無いだろう。魔術師団の仕事なんて、実戦でしか分からない事も多いからな。その為に従術師が手足となる為に傍仕えしているんだ。片付けが終われば、バルツァルに戻っていいぞ。」
「ヤーヒム師団長…いえ、ヤーヒムさん、いろいろと今までありがとうございました!」
「よせ。どうせお前が辺境伯になれば会う機会もある。達者でな。」
「はい!」
こうして、ヤーヒムの元を去り、自室の整理をしに向かった。
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早く終わらせ、レナータの元へとすぐにでも帰りたいと考えているレオシュであった。
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