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2 結婚式
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「エエンッ!…マリア。今日のドレスもとてもよく似合っている。白いドレスの色が黒髪の色と対称的で、これ以上ないくらいだ。美しい…。結婚式止めて俺の部屋に行くか!」
え?咳払いして、褒めてくれてると思ったのだけれど、結婚式止める?
「ルーク様!しっかり者だと思っておりましたが、そんなに阿呆になりましたか?結婚式は滞りなく行って下さいませ。ほら、マリア様も固まっておりますよ!」
と、タリアが言い、私の肩を押して、
「ほら、行ってらっしゃいませ。お二人ともようお似合いですよ。」
とニッコリ笑って、促した。
今日の私は、上は体のラインに沿って、腰の辺りからふんわりと広がった真っ白なドレス。ウェディングドレスと言えば白かなって、これ位は要望を言ってみたのだ。
袖は、肩から一分丈。肩からもっこりと膨らませてあり、動かすとひらひらと揺れる。刺繍は金糸でスカートの腰から足首までされていて、蔦のようにクルクルと描かれている。
対してルークは、私に合わせてくれて真っ白なタキシード。金糸で刺繍がされており、上着の背中には、王家の象徴である、鷹が翼を広げて飛んでいるのが描かれている。金色の髪のルーク様に、白い服もよく似合っている。
「ルーク、タリアに先に言われちゃいましたが、とてもよく似合ってます。」
「ああ。ありがとう。緊張するから、パパッと終わらせて帰ってこよう!さあ、行こう!」
と、手を差し伸べてくれエスコートしてくれる。
廊下には、仕事をしていない者達が端に並んで拍手をしてくれている。
「第二王子殿下、良かったですね!」
「第二王子殿下、おめでとうございます!」
「第二王子殿下、お幸せに!」
「マリア様、お綺麗です!」
「マリア様、おめでとうございます!」
「マリア様、お幸せに!」
みんな声を掛けてくれる。嬉しいんだけど、これをしながら行くのね…。
私達は、その声に応えたり、笑顔で手を降ったりしながら、国王様が待つ謁見の間へと向かった。
「国王陛下、今日はお時間をいただきありがとうございます。ルークウェスト=ヴァン=ケルンベルトです。隣にいる、マリア・アガサと本日結婚式をさせて頂きたく存じます。」
「ルーク…本当に良かったな。私が寝込んでいる間いろいろと世話になった。これからはマリア嬢と、幸せにな。マリア嬢、これからもよろしく頼むぞ。して、ナリアーヌは居るか?」
「父上…!」
「私にとったら、ナリアーヌが気になるのは仕方ないじゃろ。」
『もう!息子の大事な結婚式なのに!陛下ったら!2人とも、おめでとう!』
「ありがとうございます。今日も変わらず、国王様のお隣にいらっしゃいますよ。照れてらっしゃいます。」
「そうかそうか!さあ。行って来い。幸せにな!」
「お父上…全く。困ったものですね。ルーク、マリア嬢、お幸せに。」
「兄上。ありがとうございます。先に結婚しますが、兄上も息災で。」
私も、第一王子殿下に向かって深々と礼をした。
国王様は、レンダルク=ヴァン=ケルンベルト様。このケルンベルト国の国王様。15年前に亡くなった正妃のナリアーヌ様を悲しまれずっとベッドの住人だったみたいなのだけれど、そんな姿を見た(亡くなっていたんだよね?見たって凄い!)ナリアーヌ様も、辛かったのか私をこの異世界へと呼び寄せた。【私の大切な人達を救って。力を付与しておいたから。】と言われ、初めは何の事か分からなかったけれど。
どうにか国王様に悪さをしていた〝花〟を見つけ、処分してもらう。すると、見る間に国王様は元気になって、私だけが見えるらしいナリアーヌ様を、【今日は何処に居る?】と聞いてくる。ナリアーヌ様を本当に愛していらっしゃるのね。
そして、ナリアーヌ様も、国王様の近くにいつもいるみたい。
そして国王様の隣に居た第一王子殿下のランロット=ヴァン=ケルンベルト様。
以前お見掛けした時より顔色もずいぶん良くなっているわ。ちょっとふっくらされて、体力も付いた様子で本当良かった。これなら、公務に支障も無いでしょうね。
「「では、行って参ります!」」
「ここからは、あの馬車に乗るからな。」
「うわー!素敵-!」
金色と白色の馬車。屋根は、車体の半分より上で切られたように無い。だから、座っている人の顔がよく見えるだろう。
馬は二頭。真っ白な馬。毛並みもよく、早く進みたい、と言っているように脚で地面を蹴っている。
「さあ。どうぞ。お手を。」
ルークがエスコートしてくれ、馬車に乗り込む。私が左側、右側がルーク様に座る。
「大丈夫か?準備はいいか?」
「ええ!」
「では進んでくれ。」
ルークは、従者に声を掛ける。と、ゆっくり馬が進む。歩きのスピードだ。
「できるだけ、笑顔で手を降ってやれ。」
「うん。」
【キャー素敵-!】
【第二王子殿下!おめでとうございます!】
【マリア様!おめでとうございます!】
【第二王子殿下お幸せに!】
【マリア様お幸せに!】
国民は、道にはみ出さんばかりに並んでいる。街のメイン通りを1周するらしい。でも、押し合ったりもせず、声を掛けてくれる。これが、ルークの国なんだわ。皆笑顔で手を降ってくれている。
「はあ。これで終わったか。」
街を1周し、王宮に帰ってきた。さすがに、ずっと手を振っていて手が痺れてきてる。顔も、ずっと笑顔にしていたから、頬が引きつってる感じがする。
「これで、今日の行事は終わったかしら?」
「そうだな。お疲れ。ゆっくり湯浴みをしてこよう。」
「ルークもお疲れさま!」
「そうだな。もう、今日から夫婦だぞ!部屋の内ドアからマリアの部屋に行ってもタリアに叱られないぞ!」
「もう!ルークったら!いきなり入ってきたら怒りますからね!」
「ハハッ。分かった分かった!後でな。」
ルークも言っていたけれど、もう夫婦ね。変な感じ…。でもやっぱり、嬉しいわね!
ルークが小さな頃から頑張っていたから、きっとあんなにたくさんの国民から声を掛けてもらったのね。素晴らしいわ!私も、1週間したら視察というか、国をもっと見に行けるのね。楽しみ!
え?咳払いして、褒めてくれてると思ったのだけれど、結婚式止める?
「ルーク様!しっかり者だと思っておりましたが、そんなに阿呆になりましたか?結婚式は滞りなく行って下さいませ。ほら、マリア様も固まっておりますよ!」
と、タリアが言い、私の肩を押して、
「ほら、行ってらっしゃいませ。お二人ともようお似合いですよ。」
とニッコリ笑って、促した。
今日の私は、上は体のラインに沿って、腰の辺りからふんわりと広がった真っ白なドレス。ウェディングドレスと言えば白かなって、これ位は要望を言ってみたのだ。
袖は、肩から一分丈。肩からもっこりと膨らませてあり、動かすとひらひらと揺れる。刺繍は金糸でスカートの腰から足首までされていて、蔦のようにクルクルと描かれている。
対してルークは、私に合わせてくれて真っ白なタキシード。金糸で刺繍がされており、上着の背中には、王家の象徴である、鷹が翼を広げて飛んでいるのが描かれている。金色の髪のルーク様に、白い服もよく似合っている。
「ルーク、タリアに先に言われちゃいましたが、とてもよく似合ってます。」
「ああ。ありがとう。緊張するから、パパッと終わらせて帰ってこよう!さあ、行こう!」
と、手を差し伸べてくれエスコートしてくれる。
廊下には、仕事をしていない者達が端に並んで拍手をしてくれている。
「第二王子殿下、良かったですね!」
「第二王子殿下、おめでとうございます!」
「第二王子殿下、お幸せに!」
「マリア様、お綺麗です!」
「マリア様、おめでとうございます!」
「マリア様、お幸せに!」
みんな声を掛けてくれる。嬉しいんだけど、これをしながら行くのね…。
私達は、その声に応えたり、笑顔で手を降ったりしながら、国王様が待つ謁見の間へと向かった。
「国王陛下、今日はお時間をいただきありがとうございます。ルークウェスト=ヴァン=ケルンベルトです。隣にいる、マリア・アガサと本日結婚式をさせて頂きたく存じます。」
「ルーク…本当に良かったな。私が寝込んでいる間いろいろと世話になった。これからはマリア嬢と、幸せにな。マリア嬢、これからもよろしく頼むぞ。して、ナリアーヌは居るか?」
「父上…!」
「私にとったら、ナリアーヌが気になるのは仕方ないじゃろ。」
『もう!息子の大事な結婚式なのに!陛下ったら!2人とも、おめでとう!』
「ありがとうございます。今日も変わらず、国王様のお隣にいらっしゃいますよ。照れてらっしゃいます。」
「そうかそうか!さあ。行って来い。幸せにな!」
「お父上…全く。困ったものですね。ルーク、マリア嬢、お幸せに。」
「兄上。ありがとうございます。先に結婚しますが、兄上も息災で。」
私も、第一王子殿下に向かって深々と礼をした。
国王様は、レンダルク=ヴァン=ケルンベルト様。このケルンベルト国の国王様。15年前に亡くなった正妃のナリアーヌ様を悲しまれずっとベッドの住人だったみたいなのだけれど、そんな姿を見た(亡くなっていたんだよね?見たって凄い!)ナリアーヌ様も、辛かったのか私をこの異世界へと呼び寄せた。【私の大切な人達を救って。力を付与しておいたから。】と言われ、初めは何の事か分からなかったけれど。
どうにか国王様に悪さをしていた〝花〟を見つけ、処分してもらう。すると、見る間に国王様は元気になって、私だけが見えるらしいナリアーヌ様を、【今日は何処に居る?】と聞いてくる。ナリアーヌ様を本当に愛していらっしゃるのね。
そして、ナリアーヌ様も、国王様の近くにいつもいるみたい。
そして国王様の隣に居た第一王子殿下のランロット=ヴァン=ケルンベルト様。
以前お見掛けした時より顔色もずいぶん良くなっているわ。ちょっとふっくらされて、体力も付いた様子で本当良かった。これなら、公務に支障も無いでしょうね。
「「では、行って参ります!」」
「ここからは、あの馬車に乗るからな。」
「うわー!素敵-!」
金色と白色の馬車。屋根は、車体の半分より上で切られたように無い。だから、座っている人の顔がよく見えるだろう。
馬は二頭。真っ白な馬。毛並みもよく、早く進みたい、と言っているように脚で地面を蹴っている。
「さあ。どうぞ。お手を。」
ルークがエスコートしてくれ、馬車に乗り込む。私が左側、右側がルーク様に座る。
「大丈夫か?準備はいいか?」
「ええ!」
「では進んでくれ。」
ルークは、従者に声を掛ける。と、ゆっくり馬が進む。歩きのスピードだ。
「できるだけ、笑顔で手を降ってやれ。」
「うん。」
【キャー素敵-!】
【第二王子殿下!おめでとうございます!】
【マリア様!おめでとうございます!】
【第二王子殿下お幸せに!】
【マリア様お幸せに!】
国民は、道にはみ出さんばかりに並んでいる。街のメイン通りを1周するらしい。でも、押し合ったりもせず、声を掛けてくれる。これが、ルークの国なんだわ。皆笑顔で手を降ってくれている。
「はあ。これで終わったか。」
街を1周し、王宮に帰ってきた。さすがに、ずっと手を振っていて手が痺れてきてる。顔も、ずっと笑顔にしていたから、頬が引きつってる感じがする。
「これで、今日の行事は終わったかしら?」
「そうだな。お疲れ。ゆっくり湯浴みをしてこよう。」
「ルークもお疲れさま!」
「そうだな。もう、今日から夫婦だぞ!部屋の内ドアからマリアの部屋に行ってもタリアに叱られないぞ!」
「もう!ルークったら!いきなり入ってきたら怒りますからね!」
「ハハッ。分かった分かった!後でな。」
ルークも言っていたけれど、もう夫婦ね。変な感じ…。でもやっぱり、嬉しいわね!
ルークが小さな頃から頑張っていたから、きっとあんなにたくさんの国民から声を掛けてもらったのね。素晴らしいわ!私も、1週間したら視察というか、国をもっと見に行けるのね。楽しみ!
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