【完結】王宮内は安定したらしいので、第二王子と国内の視察に行ってきます!(呼ばれたみたいなので、異世界でも生きてみます。の続編です)

まりぃべる

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3 出発

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持って行く物を準備していたらあっという間に1週間経ち、新婚旅行…もとい、視察に行く日になりました。場所は、嘆願書が出された直轄地を何個か、だそうだ。だから、1周はしないまでも、いろんな地域に行けるのかしらね。

荷物は、ルークが、ドレスなどたくさん準備させようとするものだから、サンディが【そんなに持って行けませんよね!馬車何台で行くのですか?誰が荷物持ちするのですか!よく吟味して下さい!!】って言われていたわね。

いろいろと話した結果、ルークの愛馬であるウインド1頭で、身軽な荷物で行く事にした。
私の服装をドレスにしてしまうと荷物が嵩張る。それから一般の人々と触れ合うのに、ドレスじゃぁ相手が畏まったり本音を言ってくれないんじゃないかというサンディの助言により荷物を簡略化する事が出来た。だから、ワンピースがほとんど。本当は、動き易いようにズボンが良かったんだけど、全部は無理だったわ。女性の普段着と言えばワンピースみたい。けれど、馬に乗る時用にズボンを2着用意してもらったわ。今もズボンと、あと全身が隠れる程のローブも羽織っている。そんなに暑くはないけれど、日焼け対策もバッチリね。

そうそう私、馬に乗った事は無いのだけど大丈夫なのかしら。操作はルークがするだろうけれど、聞いた所によると、体が痛くなると言われたのよね。



「この子がウインド?」
「そうだ。これから暫くよろしくな。」
厩に着くと、すでに侍従はウインドを外に出し、毛並みをブラシで撫でていた。
黒一色で、艶やか。光に当たると、濃い青にも見える。ルークの瞳は深い海ののように濃い青だが、その色とはまた違う艶やかな色だった。筋肉も程よく付いていて、脚もしっかりしている。これだったら、ルークと私、そして荷物を括り付けても大丈夫そう。

「ウインド。初めまして。これからよろしくね。乗せてもらってもいいかしら。」
と私は声を掛け、馬の目を見る。
「ブフフー」
と、ウインドは鼻を鳴らし返事をしてくれたように感じた。
なので、そっと首の方へ手を伸ばして、
「撫でてもいい?」
と聞いてみる。

「ああ。優しくゆっくりとな。ウインド、怪我をさせるなよ。」
ゆっくり、手を毛並みにそって撫でると、ウインドが目を閉じる。
馬は、賢いという。だから、きっと言葉を分かってくれてるのでしょう。

「もっと、毛がゴワゴワしているかもと思ったわ。柔らかいのね。温かいわ。」
「任せきりだが、よく馬を見てくれているからな。ずっと乗せてやれなかったから、喜んでくれるといいが。」

そっか。ルークはずっと公務のお仕事を、国王様と第一王子殿下の代わりにやられていたらしいものね。休暇もあまり無かったのかしら。

「さあ、行こう。」
「ええ、行ってきます!」









街は、ウインドを引いて歩く。人が歩いていて、その中で馬で走ると危ないから。
郊外へ出て、ウインドに乗せてもらう時はとても緊張したわ。ルークが私を両手で抱えて、ウインドの背に乗せてくれた。それから、ルークが私の後ろに、私を包み込むように乗った。こう進んで行くのね…。とても密着していてドキドキしちゃうわ。

私達が座った所は鞍があるので安定はするけれど、多分これが痛くなるのだろうな…。

「初めは、近くのスイルの村へ行こう。東へ真っ直ぐ進む。ウインドで駆ければ、昼過ぎか、夕方近くには着けると思う。」

なるほど。王宮は国の真ん中辺りにあるんだったわよね。

「はい。初めてで緊張するわ。」
「大丈夫だ。肩の力は抜けよ。前の手綱を一緒に持って。行くよ。」
と言って、初めは歩いてくれる。

わあー素敵!途端に顔がほころんでくる。

「どうだ?」
「ええ。馬の上だから景色も高いし、素敵ね!」
「良かった。じゃあもう少し早駆けしてもいいか?」
「うん。」

次は早歩きのスピード位かな。風が顔に当たって気持ちい良い!

「駆けるぞ。」
わー早っ!!
「そう。上手いぞ。俺に持たれろ。」
そう言って、ルークは私を後ろに、持たれさせる。密着どころじゃないわ、触れ合ってるわよ!近過ぎ!緊張するし、重くないのかしら。でも、話すと、口の中を切りそうだからもうなすがままよ。



「この辺りで一度休憩をしよう。」

と、湖が見えて来たところで、ルークがそう囁いた。密着しているから、耳元のすぐ傍、息がかかりそうな程近くで聞こえ、ドキドキした。

ウインドがゆっくりとした足並みになり、やがて止まる。

「ウインド、お疲れ。ちょっと待ってな。」
と言って、ルークは先に降り、ウインドを近くの木に括り付ける。
そのあとに、私を降ろしてくれる。恥ずかしいけれど、慣れるしかないわね。私の足じゃ、鐙に掛けて上り下りはちょっと高い。ルークのような長い足だと楽々と出来て様になっているけれど。


「ここで少し腹ごしらえをしてから行こうか。」
と言うと、ルークはテキパキと荷物から敷物を出したり、昼食を出してくれる。
「ありがとう。私も手伝うわ。」
私は、獣の皮を縫い合わせた水筒を取り出してルークの分と私とで分ける。
この世界の水筒は、見た目も素材も私が知ってる物とは違っていて初めはびっくりしたわ。


畔に座っていると、小鳥達の囀りがそこかしこで聞こえてくる。強くも無い風がそよそよと吹いて、とても清々しい。
お尻も、思ったよりも痛くなかった。

「そういえば、体、痛くは無かったか?俺も久々で忘れていたが、長時間乗っているといろいろと痛くなるだろう。」
「思ったよりは痛くなかったけど、確かに筋肉痛になるかもしれないわ。」
「きんにくつう?」
「あ、んーと明日とかに痛くなるかもしれないなと思ったの。」
「何故今ではなく明日なのだ?まあいい。よければ、後で鞍に水魔法で膜を張ってクッションみたいにしよう。」
えーそれはいいわ!ありがたい。

「実は俺も長く乗るのは久々で。ケツが痛いと、歩きづらくなるからな!」

もう!



サンディが出発の時に渡してくれた、サンドウィッチと、お水はいつも食べてる味のハズなのに外で食べたからか、とても美味しく感じた。

ウインドも、近くの生えている草を食べ終えていた。


「あと少しだ。そろそろ行こうか。」
「うん。」


湖を後に森を抜けると道が開け、坂を下ると集落があった。

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