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7. 家族へ報告
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※一部、虫、の話が出ます。苦手な方は飛ばして下さい。
「姉様。どうだったのですか。」
その日の夕食。
席に座るとすぐにクリストファーが今日の結果を急かすように聞いてきた。
「あらクリストファー。そんなに急かさないの。まずは夕食を楽しみましょうよ。今日のフリッター、なかなか美味しいじゃない?」
「お母様、気づきました?珍しい虫を見つけましたの!これはもう食べるしかないと思いまして。」
「そうなの?鳥かと思ったけれど違ったのね。でも、とてもジューシーで美味しいわ。」
「おいおい…美味しいのは分かるが、よそでそういう話題は控えなさいよ。特に、うちの食卓に上がる食べ物の話題はしてはいけないからね。」
「あらお父様。どうしてですか?毎回美味しいものを購入しなくても食べられているのですもの。恵みの森の生き物達はとても有難いのですから、お広めした方が…」
「姉様!知ってますか?ぼくも最近知ったのですが、花や虫って、貴族は好んで食べないらしいのです。」
「え!?そうなの?」
「………知らなかったか。結婚する前に知れて良かったと思えばいいか…。貴族の食卓には、小麦で作ったパンや、野生動物の肉が出るんだよ。野菜もそうだな。」
「へー…。」
「昔は毎日のように食べていたんだがな。今は特別な日にしか食べさせていなかったのが仇になったか…。いいか?うちだけの会話に留めておきなさい。ペラペラと話すと、何というか…軽蔑されるかもしれない。相手によっては、二度と話をしてくれなくなるかもな。」
「…はい。」
そうだったの…。全く知らなかったわ。それにしても、うちの食卓に出てくるものって、そんなによろしくないものだったの?とても美味しいのに…。
「姉様、元気出して下さい!美味しいのは美味しいですから。いつも、食料調達ありがとうございます!…で、いいお相手はいらしたのですか?いなかったのですよね?」
と、言われました。
「いいえ、一人、良さそうな方がおりまして後日会う予定を合わせてお会いするのよ。」
「えー!?本当ですか!?大丈夫なのですか!?」
「もう、クリストファー。落ち着いて!アンリエッタ、そうなの?いいお相手がいらしたの?アンリエッタは、それでいいの?」
「お母様。はい、まだお会いしてないのでなんとも言えませんが、楽しみにしております。」
「そう、良かったわね。ん?あなた、あなた!カレル!…大丈夫?」
「お?おおサマンサ…。それがな、相手はフォルス=テイラー侯爵なのだよ。」
「まぁ!あの、女性を食べるとか、奇怪なご趣味をお持ちだと言われているあの!?カレル、それで許可を出したの!?」
「いや…私は…」
「もう!カレルったら!優しいだけじゃダメなのよ!時には強引さも必要よ?アンリエッタ、あなたをそんな恐ろしい方の元へ嫁がせるなんて無理よ!あぁアンリエッタが食べられたらどうしましょ…!」
「お母様?女性を食べるって?」
「そのように、離婚なさった女性方が言われていたのよ。ずいぶん前の、まだ社交界に出席していた時にね。あぁ明日にでも行って、取りやめて来なさいな。」
「お母様。心配ありがとうございます。それで、食べられたのですか?言っていたって、生きておられるのではないですか?噂とは愚かなものではないでしょうか。とりあえず、会ってみたいです。」
「う…た、確かにそうですけれどね。アンリエッタがそう決めたのなら…確かに噂とは真実とはほど遠いものもありますけれど…。心配よ?」
「ぼくも、止めてほしいです!」
「クリストファーもありがとう。でも、遅かれ早かれ、結婚しないとならないのなら、あなたにも恩恵があって欲しいのよ。ボウマン子爵家を、より繁栄に導くためにもね。さ、冷めないうちに食べましょう!美味しいんですからね!」
それにしても、変わった噂がいろいろとあるのねぇ…。真相は、どうなのかしら?ますます会ってみたくなったわね。
「姉様。どうだったのですか。」
その日の夕食。
席に座るとすぐにクリストファーが今日の結果を急かすように聞いてきた。
「あらクリストファー。そんなに急かさないの。まずは夕食を楽しみましょうよ。今日のフリッター、なかなか美味しいじゃない?」
「お母様、気づきました?珍しい虫を見つけましたの!これはもう食べるしかないと思いまして。」
「そうなの?鳥かと思ったけれど違ったのね。でも、とてもジューシーで美味しいわ。」
「おいおい…美味しいのは分かるが、よそでそういう話題は控えなさいよ。特に、うちの食卓に上がる食べ物の話題はしてはいけないからね。」
「あらお父様。どうしてですか?毎回美味しいものを購入しなくても食べられているのですもの。恵みの森の生き物達はとても有難いのですから、お広めした方が…」
「姉様!知ってますか?ぼくも最近知ったのですが、花や虫って、貴族は好んで食べないらしいのです。」
「え!?そうなの?」
「………知らなかったか。結婚する前に知れて良かったと思えばいいか…。貴族の食卓には、小麦で作ったパンや、野生動物の肉が出るんだよ。野菜もそうだな。」
「へー…。」
「昔は毎日のように食べていたんだがな。今は特別な日にしか食べさせていなかったのが仇になったか…。いいか?うちだけの会話に留めておきなさい。ペラペラと話すと、何というか…軽蔑されるかもしれない。相手によっては、二度と話をしてくれなくなるかもな。」
「…はい。」
そうだったの…。全く知らなかったわ。それにしても、うちの食卓に出てくるものって、そんなによろしくないものだったの?とても美味しいのに…。
「姉様、元気出して下さい!美味しいのは美味しいですから。いつも、食料調達ありがとうございます!…で、いいお相手はいらしたのですか?いなかったのですよね?」
と、言われました。
「いいえ、一人、良さそうな方がおりまして後日会う予定を合わせてお会いするのよ。」
「えー!?本当ですか!?大丈夫なのですか!?」
「もう、クリストファー。落ち着いて!アンリエッタ、そうなの?いいお相手がいらしたの?アンリエッタは、それでいいの?」
「お母様。はい、まだお会いしてないのでなんとも言えませんが、楽しみにしております。」
「そう、良かったわね。ん?あなた、あなた!カレル!…大丈夫?」
「お?おおサマンサ…。それがな、相手はフォルス=テイラー侯爵なのだよ。」
「まぁ!あの、女性を食べるとか、奇怪なご趣味をお持ちだと言われているあの!?カレル、それで許可を出したの!?」
「いや…私は…」
「もう!カレルったら!優しいだけじゃダメなのよ!時には強引さも必要よ?アンリエッタ、あなたをそんな恐ろしい方の元へ嫁がせるなんて無理よ!あぁアンリエッタが食べられたらどうしましょ…!」
「お母様?女性を食べるって?」
「そのように、離婚なさった女性方が言われていたのよ。ずいぶん前の、まだ社交界に出席していた時にね。あぁ明日にでも行って、取りやめて来なさいな。」
「お母様。心配ありがとうございます。それで、食べられたのですか?言っていたって、生きておられるのではないですか?噂とは愚かなものではないでしょうか。とりあえず、会ってみたいです。」
「う…た、確かにそうですけれどね。アンリエッタがそう決めたのなら…確かに噂とは真実とはほど遠いものもありますけれど…。心配よ?」
「ぼくも、止めてほしいです!」
「クリストファーもありがとう。でも、遅かれ早かれ、結婚しないとならないのなら、あなたにも恩恵があって欲しいのよ。ボウマン子爵家を、より繁栄に導くためにもね。さ、冷めないうちに食べましょう!美味しいんですからね!」
それにしても、変わった噂がいろいろとあるのねぇ…。真相は、どうなのかしら?ますます会ってみたくなったわね。
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