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10. 私の邸

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「やっぱり疲れるわ!!モラリ、どうすればいいと思う!?」

 教会学校は、友人が出来たし楽しい。でも、朝早く出発して、帰りが暗くなってからというのは体が辛いのよ。馬車の中でウトウトはするけれど、横になって眠るなんてはしたなくて出来ないし、制服も皺になってしまうからしたくない。
まぁ、帰りが遅いのは私が友人と話をして、送り届けたりしているから、止めればいいと言われればそれまでなのだけれど。

「そうですねぇ…宮廷学院に通い直す」
「嫌!」

「…ですよね。では、近くに仮住まいを借りるのは如何ですか。」

「仮住まい!?」

「ええ。そうです。王都といえども、空き家がきっとあるでしょうから、そこを少し手直しして拠点にするのです。そうすれば、宮廷まで帰って来なくてよくなりますから、通学の時間が減りますよ。」

「まぁ!なんて素晴らしい案なの!?やっぱりモラリは頼りになるわね。早速お父様に相談したいと伝えて。」

「ありがとうございます。では、そのように。」




 お父様に相談すると、初めは渋っていたけれど結局、議会に通してくれたのか許可してくれた。
でも、どこでもいいわけではなく、私は王女であるから警備の面もしっかりした所でないとよくないとかで、結局、教会学校から南に少し行く事になるけれど、それでも宮廷よりは格段に近い場所に邸宅を作ってくれる事になったの。

 新築よ!?

 もう嬉しいのなんの!じっくり拘って建てたかったけれど、そうすると日数がかかってしまうため、とりあえず私が使う部屋まで造れたら引っ越す事にした。

「モラリ、ありがとう!あなたもついてきてくれるわよね?」

「ええ、もちろんです。」

「はーよかった!モラリとはいつでもどこでも一緒ね!学び舎も、誰でも通える教会学校だったから隣で並んで学べるから良かったわ!モラリはつまらないかもしれないけど、ありがとう!嬉しいわ。これが宮廷学院だったら、侍女といえども中に入れないのだもの。おかしいわよねぇー。」

「そんな…!私も、共に学ぶ機会を与えて下さり嬉しいです。」

「うふふ。モラリの部屋もちゃんとあるのよ!花柄の壁紙にしたわ。気に入ってもらえると良いのだけれど。それに、オリア達がいつでも泊まれるようにベッドも多めにしてもらって、空き部屋も作ってもらったから楽しみよね!」

「ヴァレリア様は、教会学校に通われてとても楽しそうですね。」

「もちろんよ!本当に教会学校にして良かったわ!これも、モラリが提案してくれたおかげね!」

「いいえ、私はそんな…!実行されたのはヴァレリア様です。ヴァレリア様は行動力もあるので、素晴らしいです。」

「もう!モラリったら!」

 そんなこんなで、私の邸宅ももうすぐ出来上がるみたいよ!あぁ、私の邸が出来たら、お招きするのよ。念願だわ!!以前は門前払いされたものね。これからは友人にいつでも来てもらえるわね。
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