【完結】【番外編追加】隠していた特技は、魔術の一種だったみたいです!

まりぃべる

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2. リュシーの特技

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「はぁー?お前何言ってんの?頭おかしいんじゃね?」


「リュシー何を言うのかしら!?」


「やだ、本当にあんたってば気持ち悪い!」



ーーー
ーー


 リュシーはずいぶんと昔、浴びせられた悲しい言葉を、夢でも言われてしまった。


 目が覚めたリュシーは、まだ薄暗い部屋の中を見渡す。

(はぁ……嫌な夢。あ、鳥達が。)

 耳をすませば、屋敷の外で鳥達のさえずりが聞こえ始める。辺りは薄暗いが、もうあといくらか経てば、太陽が昇り始める時間だろうとリュシーは推測し、体を起こして窓へと向かう。


 リュシーの部屋は、屋敷の二階にある。窓の下は庭となっているが、もう何年も前から手入れは出来ていない。領地の収入が少ない為、庭師などは辞めてもらったのだった。

 その庭に、自然に生えた草花に鳥達が集まって来ていた。いつもの朝日の光景だ。リュシーが窓を開けると、その鳥達が飛び立ち、リュシーの部屋の窓の桟へと集まってきた。

ピチチチチ
チチチチ
チュンチュン

「おはよう。え?うん。そうなの。ちょっと嫌な夢を見て…ありがとう。そうよね、夢は夢よね。」

 リュシーは、鳥達のさえずりに対して言葉を掛ける。

 そう、リュシーは動物の言葉が理解出来るがあったのだ。



 だが…幼い頃。
 それを周囲の者へ言った時、夢で言われたような言葉を浴びせられたのだ。化け物でも見るような目で見られたリュシーは、それは口にしてはいけないものなのだと悟った。
 特に、母マリエットはそれ以降リュシーに優しく話し掛ける事は無くなった。五歳下の弟カジミールが生まれると、リュシーは母と顔を合わせる機会がぐんと減った。


 そしてそれは、リュシーを暗い気持ちにさせた。

 それからは、一人でいる事が多くなった。侍女も、影でこそこそと悪口を言っているのではないかと気になってしまい、身の回りのものは自分で出来るようにして、侍女をつけなくてもいいようにした。
後に、侍女がたくさんいても給料が払えないと侍女も最低限の人以外は辞めてもらう事になったので自分の事を出来るようにしておいて良かったと思うリュシーだった。


 それでも。動物達から教わって、分かっている事を口にしないのは心苦しいと思っている心優しいリュシーは、

《今日はね、羽が重いの。こういう日は雨が降るよ。》

《今日は毛が張り付くの。こういう日は嫌いよ!じきに雨が降るの!》

 そう聞いた日に、洗濯物をたくさん干していた侍女に声を掛けた。

「今日は雨が降るみたいだから、気をつけてね。」

「!?こんないいお天気にですか!?」


 それを目にした侍女頭のマルゴは家令のオーバンへ相談し、リュシーを書庫へと連れて行った。貧しい領地ではあっても、貴族の家であるから歴代の領主が集めた本がしまってある部屋だ。

「リュシー様。相手を納得させられる理由付けをすると聞いてくれますよ。いきなり言われても、相手は驚いてしまいますからね。」

 そう言って、幾つか本棚から本を持ってきた。

「例えば…ほら。ここに書いてあります。朝は太陽が出ていても、夕方雨になる時もある。雨が降る前触れは、風が急に冷たくなる、突風が吹く、分厚い雲が発生する、などがある。と。こういうように説明するといいですね。」

「オーバン…ありがとう。」

「いえ。私オーバンはいつでもリュシー様の味方ですぞ。」

「あら、私もですよ、リュシー様。」

「マルゴも、ありがとう。」


 母親にまで冷たくされたリュシーにとって、家令のオーバンと、侍女頭のマルゴだけが心のよりどころとなったのだ。

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