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悪魔対峙編
0159 エランド王国の奇々
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ミュウ王国。ここは砂漠の真ん中。所謂『オアシス』を中心にしている国家である。
何故バレット達が、盗賊に襲われていることを知っているのか?さらに言えば、なぜ、この大陸に来たことを知っているのか?それはショウ王子の言葉で明らかになる。
「異国の者よ。名を何と申すか?」
「私はヤヌス王国のバレット国王です。」
「国王自らが異国に参ったのか。未知の世界に来るとは自殺願望でもあるのか?」
ショウ王子のいう事はもっともであるが、自らが先頭に立つのはバレットの性根であるから仕方ない事である。
「何故、我々がこの大陸に来たことをご存じなのですか?」
「ああ、その事か。」
ショウ王子は水晶玉を持ち、ここに全てが映し出されることを語った。
「だから、貴殿たちが盗賊に襲われたことも知っていたのだよ。
「他の大陸の事も分かるのですか?」
「ああ、分かるとも。貴殿に教えておかなければならない事がある。」
「何でしょうか?」
「近いうちに、貴殿の大陸が大きな災いに巻き込まれることになる。」
バレットには、何の事やら解らない。それどころか、順調そのものだ。災いが起こるとは考えにくい。
「災いとは、どういう事が起こるのでしょうか?」
「悪魔だよ。悪魔が攻めて来るのさ。」
悪魔?魔王リョウタとは国交を結んでいる。その魔王が攻めて来る?それは考えにくいが、過去の文献には魔王軍が攻めて来たとあった。誤解だと女神クリス・サリーナ様が言っていたが・・・。
「魔王国とは国交を結んでいますが。」
「我の言っていることは魔王国の事ではない。悪魔族だと言っている。解らない国がもう一つあるだろう?」
解らない国・・・。エランド王国だ!
「エランド王国の事ですか?」
「名前までは解らん。だが、その国が災いをもたらす。勇者に手を打ってもらわないと、貴殿の大陸は灰燼と化すであろう。早く帰る事だ。」
「ありがとうございます。この恩は必ず返させて貰います。」
「ああ、その恩はその国を滅ぼした暁に我が国にくれ。それでいい。」
国を一つくれだと?この王子は何を言っているのか?まさか侵略を狙っているのか?
「貴殿も分かっているように、この国はオアシスで持っている。が、そのオアシスも年々小さくなってきてのぉ、移住先を探しておる所なのだ。」
「解りました。考慮致します。」
「海辺までは、送ってやろう。健闘を祈る。」
***
「オウカ様、寄贈品です。」
「どこからだ?」
「それが・・・エランド王国なのです。」
箱を開けてみると、そこには見覚えのある黒い鉱石が入っていた。おもむろに破壊すると、またもや、特定不能の声がした。
「三ツ谷桜花よ。我が軍門に下る決心はついたか?」
「俺は貴様なんぞの軍門に下るつもりはない!」
「そうか。では仕方あるまい。国を滅ぼすとするか。それを見ても、まだ断ることが出来るかな?」
鉱石は灰と化してしまった。
一つの国を滅ぼすだと?一体どうやって滅ぼすつもりなんだ?
桜花はいてもたってもいられず、隠密隊全員を招集し、各国に行くように指示をした。
桜花は書簡を用いて各国に警告をすることにした。エランド王国が攻めてくるかもしれないとの内容である。
「ただの脅しであってくれよ。」
数週間後。
「オウカ様、こちらは問題ありません。」
隠密部隊からの報告だ。
ほっとしながらも、気を抜くことは出来ない。
「そのまま調査をしてくれ。些細な事でも見逃すな。」
「了解しました。」
「オウカさん、オウカさんはいますか!」
ここはレストランミツヤ。
「あら、バレット?桜花さんなら、宮殿にいるわよ。」
「ありがとうございます!」
バレットは走り去ってしまった。
まずい、マズい、マズい!ショウ王子の言っていることが本当ならば、この大陸は酷いことになる!何としても止めなければ!
バレットは桜花のいるベルサイユ宮殿に走って行った。
「オウカさん!」
桜花の下に走って来たせいで息が上がっているバレットは、呼吸を整えることもなく、桜花に訴えだした。
「エランド王国が攻めてきます!」
「何故、バレットが知っている!」
バレットはミュウ王国のショウ王子に言われたことを包み隠さずに桜花に告げた。
「実はな、バレット。俺もエランド王国が攻めて来ることを知っているんだよ。ただ、その方法が解らんのだ。」
「何ですって!では、先手を打ってエランド王国を攻め落としましょう!我々も進軍します!」
「待て、バレット。進軍するにも情報が足りていない。隠密部隊を送っているから、その情報を待つんだ!」
「待っていては、大陸が災いに巻き込まれてしまうのですよ!それでも良いのですか!」
バレットは必死だった。ショウ王子に言われたことが、まだ起こってないにしろ桜花は知っているという事に現実味を感じていたのだ。
桜花は冷静だった。戦いになるという事はリンド評議国の時から知っていたし、いつかは対峙しなければならないという事を覚悟していたからだ。
だが、余りにも情報が少なすぎる。
桜花のスマホが鳴った。セバスからだ。
「オウカ様、エランド王国に着きました。」
「何か解った事はあるか?」
「はい。何もないのです。」
「何もないとはどういう事だ?戦争準備とかあるんじゃないのか?」
「いえ、戦争準備どころか、住民の一人もいないのです。」
「?わかった。更に探りを入れてくれ。」
エランド王国に住民がいないだと?
確かエルフの長老に聞いた話では、前国王を自殺に追い込み、自らが国王になったとか・・・。国王になってから、何があった?
確認の為に商人ギルドのベルさんの所に行って情報を集めてみよう。商人ギルドなら国の情勢にも詳しいかも知れん。
「ベルさん、ご無沙汰してます。」
「これは、オウカ殿、今日は何用ですかな?」
「エランド王国について何か知っていますか?」
「ええ、エランド王国は商人ギルドは贔屓にしてもらっていますよ。大量に輸入もしてもらっていますし。活気がある良い国ですよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
???活気のある国?セバスの報告とまるで逆ではないか?
俺は吸血鬼のブラッドにエランド王国に行くように指示を出した。吸血鬼だから空も飛べるし、時間もかからないだろう。それと同時に数人追加で隠密隊をエランド王国に派遣することにした。
桜花に隠密隊からの連絡が入った。
マイカ帝国で病気が発生したという事だった。
何故バレット達が、盗賊に襲われていることを知っているのか?さらに言えば、なぜ、この大陸に来たことを知っているのか?それはショウ王子の言葉で明らかになる。
「異国の者よ。名を何と申すか?」
「私はヤヌス王国のバレット国王です。」
「国王自らが異国に参ったのか。未知の世界に来るとは自殺願望でもあるのか?」
ショウ王子のいう事はもっともであるが、自らが先頭に立つのはバレットの性根であるから仕方ない事である。
「何故、我々がこの大陸に来たことをご存じなのですか?」
「ああ、その事か。」
ショウ王子は水晶玉を持ち、ここに全てが映し出されることを語った。
「だから、貴殿たちが盗賊に襲われたことも知っていたのだよ。
「他の大陸の事も分かるのですか?」
「ああ、分かるとも。貴殿に教えておかなければならない事がある。」
「何でしょうか?」
「近いうちに、貴殿の大陸が大きな災いに巻き込まれることになる。」
バレットには、何の事やら解らない。それどころか、順調そのものだ。災いが起こるとは考えにくい。
「災いとは、どういう事が起こるのでしょうか?」
「悪魔だよ。悪魔が攻めて来るのさ。」
悪魔?魔王リョウタとは国交を結んでいる。その魔王が攻めて来る?それは考えにくいが、過去の文献には魔王軍が攻めて来たとあった。誤解だと女神クリス・サリーナ様が言っていたが・・・。
「魔王国とは国交を結んでいますが。」
「我の言っていることは魔王国の事ではない。悪魔族だと言っている。解らない国がもう一つあるだろう?」
解らない国・・・。エランド王国だ!
「エランド王国の事ですか?」
「名前までは解らん。だが、その国が災いをもたらす。勇者に手を打ってもらわないと、貴殿の大陸は灰燼と化すであろう。早く帰る事だ。」
「ありがとうございます。この恩は必ず返させて貰います。」
「ああ、その恩はその国を滅ぼした暁に我が国にくれ。それでいい。」
国を一つくれだと?この王子は何を言っているのか?まさか侵略を狙っているのか?
「貴殿も分かっているように、この国はオアシスで持っている。が、そのオアシスも年々小さくなってきてのぉ、移住先を探しておる所なのだ。」
「解りました。考慮致します。」
「海辺までは、送ってやろう。健闘を祈る。」
***
「オウカ様、寄贈品です。」
「どこからだ?」
「それが・・・エランド王国なのです。」
箱を開けてみると、そこには見覚えのある黒い鉱石が入っていた。おもむろに破壊すると、またもや、特定不能の声がした。
「三ツ谷桜花よ。我が軍門に下る決心はついたか?」
「俺は貴様なんぞの軍門に下るつもりはない!」
「そうか。では仕方あるまい。国を滅ぼすとするか。それを見ても、まだ断ることが出来るかな?」
鉱石は灰と化してしまった。
一つの国を滅ぼすだと?一体どうやって滅ぼすつもりなんだ?
桜花はいてもたってもいられず、隠密隊全員を招集し、各国に行くように指示をした。
桜花は書簡を用いて各国に警告をすることにした。エランド王国が攻めてくるかもしれないとの内容である。
「ただの脅しであってくれよ。」
数週間後。
「オウカ様、こちらは問題ありません。」
隠密部隊からの報告だ。
ほっとしながらも、気を抜くことは出来ない。
「そのまま調査をしてくれ。些細な事でも見逃すな。」
「了解しました。」
「オウカさん、オウカさんはいますか!」
ここはレストランミツヤ。
「あら、バレット?桜花さんなら、宮殿にいるわよ。」
「ありがとうございます!」
バレットは走り去ってしまった。
まずい、マズい、マズい!ショウ王子の言っていることが本当ならば、この大陸は酷いことになる!何としても止めなければ!
バレットは桜花のいるベルサイユ宮殿に走って行った。
「オウカさん!」
桜花の下に走って来たせいで息が上がっているバレットは、呼吸を整えることもなく、桜花に訴えだした。
「エランド王国が攻めてきます!」
「何故、バレットが知っている!」
バレットはミュウ王国のショウ王子に言われたことを包み隠さずに桜花に告げた。
「実はな、バレット。俺もエランド王国が攻めて来ることを知っているんだよ。ただ、その方法が解らんのだ。」
「何ですって!では、先手を打ってエランド王国を攻め落としましょう!我々も進軍します!」
「待て、バレット。進軍するにも情報が足りていない。隠密部隊を送っているから、その情報を待つんだ!」
「待っていては、大陸が災いに巻き込まれてしまうのですよ!それでも良いのですか!」
バレットは必死だった。ショウ王子に言われたことが、まだ起こってないにしろ桜花は知っているという事に現実味を感じていたのだ。
桜花は冷静だった。戦いになるという事はリンド評議国の時から知っていたし、いつかは対峙しなければならないという事を覚悟していたからだ。
だが、余りにも情報が少なすぎる。
桜花のスマホが鳴った。セバスからだ。
「オウカ様、エランド王国に着きました。」
「何か解った事はあるか?」
「はい。何もないのです。」
「何もないとはどういう事だ?戦争準備とかあるんじゃないのか?」
「いえ、戦争準備どころか、住民の一人もいないのです。」
「?わかった。更に探りを入れてくれ。」
エランド王国に住民がいないだと?
確かエルフの長老に聞いた話では、前国王を自殺に追い込み、自らが国王になったとか・・・。国王になってから、何があった?
確認の為に商人ギルドのベルさんの所に行って情報を集めてみよう。商人ギルドなら国の情勢にも詳しいかも知れん。
「ベルさん、ご無沙汰してます。」
「これは、オウカ殿、今日は何用ですかな?」
「エランド王国について何か知っていますか?」
「ええ、エランド王国は商人ギルドは贔屓にしてもらっていますよ。大量に輸入もしてもらっていますし。活気がある良い国ですよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
???活気のある国?セバスの報告とまるで逆ではないか?
俺は吸血鬼のブラッドにエランド王国に行くように指示を出した。吸血鬼だから空も飛べるし、時間もかからないだろう。それと同時に数人追加で隠密隊をエランド王国に派遣することにした。
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