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じわりじわりと伯爵家内部だけではなく、事業に関しての助力をした家々でグウェンドリンが絹に関する事業の権利を持つということが知られ始めたのだが、実の妹でもあり、立派な伯爵家の一員であるはずのカトリーヌはこのことを知らされていなかった。
いまだグウェンドリンと婚約する可能性が大のシュヴァルドの存在すら彼女は知らされておらず、日々嫌な勉強とマナーやダンスの特訓の時間を終えると、だらだらと過ごしていた。
偶に、そこへ彼女が親しくしている令嬢からのお手紙などが来るので、その返事を書いたりはするものの、その手紙も少しずつ減っているのが現実だった。
グンナールとのことで、付き合いを控えたいという令嬢も少なからず存在していることでの影響で、あれほどの問題児と特に親しくできていた令嬢ということは、カトリーヌも同じような問題児だとそれまで仲良くしていた令嬢、またはその家族から思われていることと同義でもある。
「…ねえ、手紙は来てないの?」
「来ておりません」
「そう…」
この時代において、手紙は専門の職業の人間によって届けられたりすることもあれば、出す人間の家の者や職場の者が責任を持って届けることもあったりする。
前者は普通の世間話なども含めた手紙だが、後者は紛失したり誰かに見られると非常にまずい機密事項などに触れている可能性のあるものだ。
現代における郵便配達のシステム等まだまだ作られていない時代なので、遠くからの手紙を数日中にと言うのは交通手段からしてもなかなか難しいものであった。
また、中には配達員が紛失したり、賊に襲われたりして届けられなくなることもあれば、街道などで事故が起こったり、領地をつなぐ関所が大渋滞していて大幅に遅れることもある。
なので、カトリーヌが1日おきに手紙はまだこないのかと侍女やメイドにしつこく訪ねて来ても、いつ手紙が届くのかは誰にもわからないのだ。
「はあ、暇だわ」
カトリーヌはここ最近、ひどく暇を持て余していた。
勉強やダンスや楽器の練習などもあるにはあるし、刺繍に関してもやりなさいという指示が出ているものの、カトリーヌにとって自分がやっていて楽しくないと思う時間はひたすらに苦痛の時間と同じである。
結局、あれだけ憧れていたヴァイオリンも、結局上手く弾けないことからあっさりと放り投げてしまった。
ヴァイオリンに対する態度等から、ヴァルファズルとフリーンは中古のヴァイオリンを購入することを決定していたのだが、それが功を奏した。
中古であれば良いというわけではないものの、それでも新品かつ名匠の作品を雑に扱うよりかはまだ気持ち的にはマシだと感じたのだろう。
結局、ヴァイオリンは練習するために使われることも無く、時折部屋付きメイドが綺麗に手入れをして、ピアノなどと同じく業者へ調律などを依頼している。
それを知る侍女は「暇なら勉強なり、音楽の練習なりすればいいのに」といろいろ言いたげな視線を送るが、それに気づかずにゲームのように何か刺激的なことが起きないかと唸る日々。
「(とはいえ、私はお姉さまと違って外に出ることが許されていないし…)」
女は家にこもるべきなんて時代遅れにもほどがあるわよ、とカトリーヌは思うものの中世の時代はそんなものである。
外での活動ではなく、内助の功を求められるのが貴族の女性たちなので、どれほどカトリーヌが望もうと彼女は外に出ることにいい顔はされない。
ただ、部屋を出てある程度自由に歩き回れるので、忙しい父のいる執務室など以外で暇をつぶすことも増えてきた。
「あーあ、何かいいことないかしら」
そう暇で暇で仕方がないと言うカトリーヌは今日も変わり映えのない日々を過ごすしかない。
もしも彼女が必死に勉強をして、グウェンドリン同様にきちんとした令嬢になっていたのであれば、もしかすると事業に関しての手伝いだったり、家の仕事の手伝いだったりを覚えて嫁入り後にも活躍できる何かを経験できていたのかもしれない。
そして11歳の誕生日が巡ってくる。
いまだグウェンドリンと婚約する可能性が大のシュヴァルドの存在すら彼女は知らされておらず、日々嫌な勉強とマナーやダンスの特訓の時間を終えると、だらだらと過ごしていた。
偶に、そこへ彼女が親しくしている令嬢からのお手紙などが来るので、その返事を書いたりはするものの、その手紙も少しずつ減っているのが現実だった。
グンナールとのことで、付き合いを控えたいという令嬢も少なからず存在していることでの影響で、あれほどの問題児と特に親しくできていた令嬢ということは、カトリーヌも同じような問題児だとそれまで仲良くしていた令嬢、またはその家族から思われていることと同義でもある。
「…ねえ、手紙は来てないの?」
「来ておりません」
「そう…」
この時代において、手紙は専門の職業の人間によって届けられたりすることもあれば、出す人間の家の者や職場の者が責任を持って届けることもあったりする。
前者は普通の世間話なども含めた手紙だが、後者は紛失したり誰かに見られると非常にまずい機密事項などに触れている可能性のあるものだ。
現代における郵便配達のシステム等まだまだ作られていない時代なので、遠くからの手紙を数日中にと言うのは交通手段からしてもなかなか難しいものであった。
また、中には配達員が紛失したり、賊に襲われたりして届けられなくなることもあれば、街道などで事故が起こったり、領地をつなぐ関所が大渋滞していて大幅に遅れることもある。
なので、カトリーヌが1日おきに手紙はまだこないのかと侍女やメイドにしつこく訪ねて来ても、いつ手紙が届くのかは誰にもわからないのだ。
「はあ、暇だわ」
カトリーヌはここ最近、ひどく暇を持て余していた。
勉強やダンスや楽器の練習などもあるにはあるし、刺繍に関してもやりなさいという指示が出ているものの、カトリーヌにとって自分がやっていて楽しくないと思う時間はひたすらに苦痛の時間と同じである。
結局、あれだけ憧れていたヴァイオリンも、結局上手く弾けないことからあっさりと放り投げてしまった。
ヴァイオリンに対する態度等から、ヴァルファズルとフリーンは中古のヴァイオリンを購入することを決定していたのだが、それが功を奏した。
中古であれば良いというわけではないものの、それでも新品かつ名匠の作品を雑に扱うよりかはまだ気持ち的にはマシだと感じたのだろう。
結局、ヴァイオリンは練習するために使われることも無く、時折部屋付きメイドが綺麗に手入れをして、ピアノなどと同じく業者へ調律などを依頼している。
それを知る侍女は「暇なら勉強なり、音楽の練習なりすればいいのに」といろいろ言いたげな視線を送るが、それに気づかずにゲームのように何か刺激的なことが起きないかと唸る日々。
「(とはいえ、私はお姉さまと違って外に出ることが許されていないし…)」
女は家にこもるべきなんて時代遅れにもほどがあるわよ、とカトリーヌは思うものの中世の時代はそんなものである。
外での活動ではなく、内助の功を求められるのが貴族の女性たちなので、どれほどカトリーヌが望もうと彼女は外に出ることにいい顔はされない。
ただ、部屋を出てある程度自由に歩き回れるので、忙しい父のいる執務室など以外で暇をつぶすことも増えてきた。
「あーあ、何かいいことないかしら」
そう暇で暇で仕方がないと言うカトリーヌは今日も変わり映えのない日々を過ごすしかない。
もしも彼女が必死に勉強をして、グウェンドリン同様にきちんとした令嬢になっていたのであれば、もしかすると事業に関しての手伝いだったり、家の仕事の手伝いだったりを覚えて嫁入り後にも活躍できる何かを経験できていたのかもしれない。
そして11歳の誕生日が巡ってくる。
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