二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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それからはいつもどおりの日常の日々。

シュヴァルドと共に父の元で仕事に励む。

グラニア嬢の婚姻があったからか、一時的にパルミューラ王国との輸出入が活発になったものの、ものの2か月程度で元に戻った。

多分お祝いの景気づけの様なもの、そして第四王子の三番目の夫人の実家のある国へこうした活発な輸出入をすることで多少印象を良くしておきたいという商人たちの下心もあると思われる。

「(ただ、こちらの天蚕の売り上げが爆上がりしたのよね)」

あちらも絹を取り扱っているものの、天蚕は絹ではあっても性質がかなり違う。

元々ごく少量を輸出していた程度だったのだが、今回はグラニアの結婚で国外から来た貿易商による経済が活発化すると予想した王妃が、毎年王家に上納している分を輸出に回しなさいと指示を出したため、王妃の豪奢なドレスに回されるはずの天蚕を輸出に回そうとしたところ、パルミューラ王国だけでなく、他の国から来ていた貿易商が大きく食いつき、金額を吊り上げに吊り上げてまさにオークションのごときありさまだったらしい。

そしてこの機会に店舗にまだあるかもしれない天蚕を求めてあちこちの商店をめぐる貿易商も多かったというのを報告でよく聞いた。

売上的には美味しかっただろうが、いい迷惑をこうむったところも多かろう。

特に天蚕をいつも通りに購入しようとしたテーラーなどはいつも通りの量が手に入らなかったなんてことにもなったはずだ。

しかし、天蚕の量をこれ以上多くするのはちょっと難しい。

すでに相応に大きくなった工房などはこれ以上大きくすると森を削ったり、他の農地を潰したりしなければならないレベルにまで至っている。

かといって他の場所へ作るというのも餌の補給や天蚕の卵の運搬などが手間になるし、何よりも現在地で温度を保つためのマニュアルを作っているのに別の場所だと更に温度が微妙に変化するので適正温度が分からなくなる可能性も高い。

温度計も一般的に普及していない、というよりはどの温度計の設定が正解なのかというのを探っているような時代。

現在の従業員たちは温度をすでに感覚で分かっているから他の場所でもある程度は大丈夫かもしれないが、それでもやっぱり今の土地の方が良い。

「…今年は輸出分をちょっと削ろうかしら」

輸出よりもまずは国内の需要を満たし、それから他国へというのが王家の方針。

例えそれが他国に対しての自慢の一品だろうがそれは変わらない。

もうすぐ春になる、雪解けの始まった外を見てからさらさらと書類にサインする。

学園への入学がすぐそこまで迫っていた。
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