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自分が望んでいたイベントが、まさかのガラの悪い貴族令息がカツアゲする様な圧をかけるイベントに早変わりしてしまったことでものすごいスピードで気分が下がり、しょんぼりして戻ってきたカトリーヌに他の家族はとにかく「どうしてあんなところに近づいていくの!?」と注意するものの、カトリーヌはショックのあまり聞けていなかった。
彼女からしてみれば運命の相手ともいえる攻略対象の誰かとお近づきになれるだろうイベントが起きなかったわけなので、がっかりしてしまうのも仕方がない。
ただ、カトリーヌはこの世界が乙女ゲームの世界だろうと思いつつも、自分が知っているゲームの世界ではないということに思い当たっていない。
攻略対象も誰か分からないのに、とにかく美形で占められている世界であるから乙女ゲームの世界だろうと当たりを付けているだけなので、他にもこうした世界観を持つ、恋愛以外のものを取り扱っている作品の世界であるという可能性を全く考慮していなかった。
その結果がこれである。
もしも恋愛ゲームの世界以外のものを可能性として考慮していれば、ここまで浅はかな行動をとらず、そもそも騒ぎに近づこうとはしなかっただろう。
それができない所がカトリーヌである所以なのであるが。
「さ、行きますよ。カトリーヌはもう勝手な行動をしないこと。いいわね」
母フリーンがカトリーヌの単独行動で止まっていた家族の動きを戻すように促すものの、最後にカトリーヌにくぎを刺す。
その言葉は公の場で発するにはかなりドスが効いた声であり、これまでの母の声とは一線を画すような恐ろしさがあった。
思わずヴァルファズルは固まり、グウェンドリンは言葉にならない悲鳴を上げそうになったほどで、こんな母は見たことがないと親子そろって顔を合わせた。
そして、そんなフリーンを真正面から見て言葉をかけられたカトリーヌは真っ青な顔で「ヒッ」と少し悲鳴をあげたものの、それ以上の悲鳴は許さないときっとフリーンが睨みつけたのもあって、口を手で抑えて悲鳴を抑える。
そうして静かになった夫と娘たちを先導する様な形でフリーンが歩き出したのを見て、親子三人はそろって後をついて行くのだった。
昇降口から入り、そこから左手に曲がれば長い廊下が待っている。
校舎内は外観そのままの瀟洒な作りで、派手すぎないが上品で過ごしやすそうな作りになっている。
この手の建物でありがちな、見栄を張るように豪華すぎて不便なところが多数あるという様なものもなさそうだな、とグウェンドリンは思った。
彼女の知る校舎とは、日本における一般的な鉄筋コンクリート造の校舎であるので、こうした非常に大きな洋館、屋敷、下手すると城にも見えるような校舎は初めてである。
両親の後をついて廊下を渡り切れば、大ホールの入り口に着く。
そこにはまた案内係の職員がおり、保護者は保護者席へ、新入生は名前を伝えれば席へと案内してくれるようになっている。
「王立学園へようこそ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「グウェンドリン・ヴォーダンです」
「カトリーヌ・ヴォーダンです」
こうした簡単な確認などではミドルネームは特に必要ない事が多いので、ミドルネームを抜いて名前を伝えれば、「確認が取れました、こちらへどうぞ」と職員が大ホールへの扉を開いて、中へ招いた。
彼女からしてみれば運命の相手ともいえる攻略対象の誰かとお近づきになれるだろうイベントが起きなかったわけなので、がっかりしてしまうのも仕方がない。
ただ、カトリーヌはこの世界が乙女ゲームの世界だろうと思いつつも、自分が知っているゲームの世界ではないということに思い当たっていない。
攻略対象も誰か分からないのに、とにかく美形で占められている世界であるから乙女ゲームの世界だろうと当たりを付けているだけなので、他にもこうした世界観を持つ、恋愛以外のものを取り扱っている作品の世界であるという可能性を全く考慮していなかった。
その結果がこれである。
もしも恋愛ゲームの世界以外のものを可能性として考慮していれば、ここまで浅はかな行動をとらず、そもそも騒ぎに近づこうとはしなかっただろう。
それができない所がカトリーヌである所以なのであるが。
「さ、行きますよ。カトリーヌはもう勝手な行動をしないこと。いいわね」
母フリーンがカトリーヌの単独行動で止まっていた家族の動きを戻すように促すものの、最後にカトリーヌにくぎを刺す。
その言葉は公の場で発するにはかなりドスが効いた声であり、これまでの母の声とは一線を画すような恐ろしさがあった。
思わずヴァルファズルは固まり、グウェンドリンは言葉にならない悲鳴を上げそうになったほどで、こんな母は見たことがないと親子そろって顔を合わせた。
そして、そんなフリーンを真正面から見て言葉をかけられたカトリーヌは真っ青な顔で「ヒッ」と少し悲鳴をあげたものの、それ以上の悲鳴は許さないときっとフリーンが睨みつけたのもあって、口を手で抑えて悲鳴を抑える。
そうして静かになった夫と娘たちを先導する様な形でフリーンが歩き出したのを見て、親子三人はそろって後をついて行くのだった。
昇降口から入り、そこから左手に曲がれば長い廊下が待っている。
校舎内は外観そのままの瀟洒な作りで、派手すぎないが上品で過ごしやすそうな作りになっている。
この手の建物でありがちな、見栄を張るように豪華すぎて不便なところが多数あるという様なものもなさそうだな、とグウェンドリンは思った。
彼女の知る校舎とは、日本における一般的な鉄筋コンクリート造の校舎であるので、こうした非常に大きな洋館、屋敷、下手すると城にも見えるような校舎は初めてである。
両親の後をついて廊下を渡り切れば、大ホールの入り口に着く。
そこにはまた案内係の職員がおり、保護者は保護者席へ、新入生は名前を伝えれば席へと案内してくれるようになっている。
「王立学園へようこそ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「グウェンドリン・ヴォーダンです」
「カトリーヌ・ヴォーダンです」
こうした簡単な確認などではミドルネームは特に必要ない事が多いので、ミドルネームを抜いて名前を伝えれば、「確認が取れました、こちらへどうぞ」と職員が大ホールへの扉を開いて、中へ招いた。
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