二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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グウェンドリンがまず御者が扉を開けたのを確認して降り、御者の「行ってらっしゃいませ」という言葉に小さく手を振りながら「行ってきます」と伝えてカトリーヌを待たずに瀟洒な造りの校舎へ向かう。

そのグウェンドリンの次にカトリーヌが馬車降りる。

カトリーヌにも御者は「行ってらっしゃいませ」と伝えたが、カトリーヌは振り返ることも無く、返事をすることも無くさっさとグウェンドリンの後に続いた。

何も返さないカトリーヌに御者は何も言わない。

貴族の家に使用人として仕えていればよくある事だ。

むしろグウェンドリンのようにまるで自分付きの侍女のように律義に返事をしてくれる対応をするのが珍しい方だ。

だが、ヴォーダン伯爵家の使用人は幼いころからグウェンドリンがかなり親しげとはいかないものの、好感度を上げるためにきちんと接し、返事をすることを徹底した結果、普通の返事をしてスルーするのは忙しい時だけという様な事が普通の状態になっていた。

そのため、カトリーヌの態度に少しだけムッとしたものの、何も言わない。

基本的に無視されるのは普通のことだと自分に言い聞かせて御者は馬車を操り、他の馬車が停められるように速やかにその場から出立。

また学園の授業などがすべて終わったころに御者は馬車を操りやってくるので、もやもやした気持ちをさっと切り替えて御者は去っていった。

「あら、ヒルド、おはようございます」

「グウェンドリン、おはようございます」

丁度昇降口の所でグウェンドリンはヒルドを発見し、挨拶をして一緒に教室に行こうと歩き出したが、その前に

「ごめんなさいヒルド、少し待っていて。カトリーヌの件で女性の使用人にお願いしたことを少し訂正しなければならないの」

「あら、そうなの?わかったわ」

そう言ってヒルドは快く待ってくれたので、グウェンドリンはそのあたりにいた女性使用人を一人捕まえて、昨日の事に関しての訂正をお願いした。

令息をあまり近寄らせないでほしいというのはそのままだが、婚約が決定したスカルドに関してはそのままにして構わないということを伝え、そのことを令息令嬢に関わる可能性の高い女性使用人に周知させてほしいとお願いすると、女性使用人は一晩のうちにきちんと先日の内容が伝達されていたらしく、快くうなずいてくれた。

「ごめんなさい、お願いするわね」

そう微笑んで一礼してくれた女性使用人から離れ、待っていてくれたヒルドと共に教室へと向かった。

一方カトリーヌは昇降口でスカルドに捕まっていた。

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