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馬車がガタゴト音を響かせながら十数分かけてタウンハウスへと向かう。
その十数分の中ですでにぐっすりと眠ってしまっているカトリーヌを到着と同時に優しくゆすって起こす。
見慣れたタウンハウスの入り口には、すでに母が使用人たちと一緒に出迎えのために立っているのが見えた。
「カトリーヌ、タウンハウスに着いたわ。お母さまも出迎えのためにいらっしゃるから起きて」
「……んぇ?」
「軽くは起きたわね?着いたから起きて降りなさい。
お母さまも待ってるわよ」
「ええ!?」
最初は疲れて寝ていたのもあって寝ぼけまなこな上にきちんと内容を聞き取れなかったようだが、軽く起きて意識が覚醒しかけている時に「母が待っている」と聞かされればカトリーヌも飛び起きる。
カトリーヌにとって、現在怖い一面を嫌でも見せつけてきた母の存在は下手すると父よりもずっと恐怖を煽ってくることも。
威圧感だけであれば父の方がやはり上ではあるが、母はいつどのように怖い一面を出して怒ってくるのか分からない分、怖かった。
「早く降りなさいね」
そう言って先に鞄を片手に降りていく姉に今回ばかりは感謝である。
「(よかった、寝てたままだとお母さまに何を言われるか…)」
姉のグウェンドリンに続くようにして鞄を手に馬車を降りる。
すでに「ただいま戻りました」と笑顔で母と使用人たちに帰宅の挨拶をして軽く話をしている姉の姿を見て、同じように近づいて「ただいま帰りました」とあいさつする。
「おかえりなさいカトリーヌ、学園はどうだった?」
「授業が進むのがかなり早くてびっくりしました」
どうやら母はカトリーヌが降りてくるのを待っていたらしく、カトリーヌが降りてきて挨拶した後、軽く話をして中へ入る様に促されるので話をしながら屋敷の中へ。
グウェンドリンも軽く話しつつ一緒に中へ入っていっていたが、「それでは仕事を片付けてきますね」と言って先に着替えるためにお付きの侍女、マーガレットに鞄を預けてそのまま部屋へと戻っていく。
その姿を笑顔で母は見送った後、カトリーヌを連れて居間へと向かい、対面して話を切り出す。
「スカルド令息とはお話したの?」
母からの言葉にカトリーヌは「う」と言葉に詰まるものの、素直に「今朝お話ししました」と返事をする。
「今朝、登校したときにお話ししました。昨日の食事会のお礼と、会えて光栄だったと…」
その言葉を発した瞬間、朝の屈辱的に感じる思いがよみがえる。
嫌そうな顔をしたのを母であるフリーンは見逃さなかった。
「(なるほど、カトリーヌ自身に会えて光栄だとは言われなかったのかしら?
それとも、言われはしたもののそれ以上に私たち夫婦やグウェンドリン、シュヴァルド殿の方に対して光栄だとでも言ったのかしら?)」
娘の考え方を長年の付き合いである程度把握しているフリーンは的確に読み取って、さてどう話をするべきかと一瞬頭を悩ませる。
「そう、それは良かったわ。
あなたは昨日の食事会で満足に話せる機会があまりなかったし、私たちやあちらのご両親もいない一対一の状態でフランクに話せるような機会に恵まれたのは良かったのではないかしら?」
「まあ、昨日のような印象ではなかったのは確かです」
多少なりとも笑顔も見られたことで印象が変わったのは確かだ。
ただ、やっぱりカトリーヌ以上にヴォーダン伯爵家の他の家族たちに対して視線が向いているのが分かっているからこそ、複雑なうえに良い感情は浮かばない。
その十数分の中ですでにぐっすりと眠ってしまっているカトリーヌを到着と同時に優しくゆすって起こす。
見慣れたタウンハウスの入り口には、すでに母が使用人たちと一緒に出迎えのために立っているのが見えた。
「カトリーヌ、タウンハウスに着いたわ。お母さまも出迎えのためにいらっしゃるから起きて」
「……んぇ?」
「軽くは起きたわね?着いたから起きて降りなさい。
お母さまも待ってるわよ」
「ええ!?」
最初は疲れて寝ていたのもあって寝ぼけまなこな上にきちんと内容を聞き取れなかったようだが、軽く起きて意識が覚醒しかけている時に「母が待っている」と聞かされればカトリーヌも飛び起きる。
カトリーヌにとって、現在怖い一面を嫌でも見せつけてきた母の存在は下手すると父よりもずっと恐怖を煽ってくることも。
威圧感だけであれば父の方がやはり上ではあるが、母はいつどのように怖い一面を出して怒ってくるのか分からない分、怖かった。
「早く降りなさいね」
そう言って先に鞄を片手に降りていく姉に今回ばかりは感謝である。
「(よかった、寝てたままだとお母さまに何を言われるか…)」
姉のグウェンドリンに続くようにして鞄を手に馬車を降りる。
すでに「ただいま戻りました」と笑顔で母と使用人たちに帰宅の挨拶をして軽く話をしている姉の姿を見て、同じように近づいて「ただいま帰りました」とあいさつする。
「おかえりなさいカトリーヌ、学園はどうだった?」
「授業が進むのがかなり早くてびっくりしました」
どうやら母はカトリーヌが降りてくるのを待っていたらしく、カトリーヌが降りてきて挨拶した後、軽く話をして中へ入る様に促されるので話をしながら屋敷の中へ。
グウェンドリンも軽く話しつつ一緒に中へ入っていっていたが、「それでは仕事を片付けてきますね」と言って先に着替えるためにお付きの侍女、マーガレットに鞄を預けてそのまま部屋へと戻っていく。
その姿を笑顔で母は見送った後、カトリーヌを連れて居間へと向かい、対面して話を切り出す。
「スカルド令息とはお話したの?」
母からの言葉にカトリーヌは「う」と言葉に詰まるものの、素直に「今朝お話ししました」と返事をする。
「今朝、登校したときにお話ししました。昨日の食事会のお礼と、会えて光栄だったと…」
その言葉を発した瞬間、朝の屈辱的に感じる思いがよみがえる。
嫌そうな顔をしたのを母であるフリーンは見逃さなかった。
「(なるほど、カトリーヌ自身に会えて光栄だとは言われなかったのかしら?
それとも、言われはしたもののそれ以上に私たち夫婦やグウェンドリン、シュヴァルド殿の方に対して光栄だとでも言ったのかしら?)」
娘の考え方を長年の付き合いである程度把握しているフリーンは的確に読み取って、さてどう話をするべきかと一瞬頭を悩ませる。
「そう、それは良かったわ。
あなたは昨日の食事会で満足に話せる機会があまりなかったし、私たちやあちらのご両親もいない一対一の状態でフランクに話せるような機会に恵まれたのは良かったのではないかしら?」
「まあ、昨日のような印象ではなかったのは確かです」
多少なりとも笑顔も見られたことで印象が変わったのは確かだ。
ただ、やっぱりカトリーヌ以上にヴォーダン伯爵家の他の家族たちに対して視線が向いているのが分かっているからこそ、複雑なうえに良い感情は浮かばない。
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