二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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「さて、次の留学はカロリング王国との交換留学が決まっております。
カロリング王国の母国語は我が国とは違うものの、我が国と同じく共通の第二言語が使われておりますので、それほど苦労しない留学先です」

カロリング王国はいわゆる現代におけるフランスのような国で、貴族社会は同じようにきっちりしているものの、恋愛に関しての情熱的な様相は他の国と一線を画すともいわれている。

また、食事に関してもおいしいと評判な国でもある。

地理的にも近い国なので、教師たちからすればまだ留学を勧めやすい国ではあるのだが、恋愛に対しての情熱的な有様が凄まじいせいで実はいろいろとトラブルが起きやすい国であることもあって、二の足を踏む教師も多い。

所謂婚約破棄騒動、または真実の愛騒動が頻繁に起きる国なのである。

1年に1回はそうした騒動が起きるらしく、自国内の貴族たちだけで騒動が起きて治まるのであればまだしも、他国の貴族も巻き込んでの大騒動になるといったケースも実は過去に何度かあった。

そのため、恋愛に関してをドライに切り捨てられるか、もしくはそうした誘惑や恋をバッサリとお断りできるほど信頼できる婚約者がいるかどうかでかなりそうした面倒事への関わり方が変わってくる。

なので、なるべく信頼できる婚約者のいる令息令嬢か、もしくはいまだにフリーな令息令嬢が好ましかった。

そして、それを加味して考えれば公爵や辺境伯、侯爵と言った家柄の令息令嬢は下手なことをすれば国にも大きなトラブルを引き起こしかねない可能性を持っている。

「(…公爵家や侯爵家、辺境伯家にはあまり勧めたくないな)」

ミミルス先生がそう思ったことを跡継ぎが所属するクラスを担当する誰しもが思い、まだ何とかなりそうな伯爵家以下に目をつける。

が、ミミルス先生の担当する伯爵家で名前をあげられたのは、グウェンドリンだけだ。

他の面々は語学の成績が赤点ではないものの、とても優秀ですというには少し物足りなかった。

なので、成績を見た時に伯爵家はグウェンドリンの名前だけがあがったのだが、これもまた厳しい人間が残ったなとミミルス先生は思う。

「(王家も重要視する令嬢を流石に留学に出すのは憚られる…!)」

王家も注目のご令嬢やご子息を受け持てるというのは教師にとって非常に嬉しい事だが、それ以上に怖いのがそのご令嬢やご子息に何かやらかした時、またはこちらが勧めたことでのトラブルに巻き込まれた時だ。

なので非常に悩ましい選択肢しか残されていなかったミミルス先生だが、その悩ましい選択にGOサインがあっさり出てしまったのである。

ほかならぬ王家からの言葉で。
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