二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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そんな黙り込んでいるカトリーヌは、ある程度いい考えを思いついていた。

「(これで、何とかなるかも!)」

侍女たちが指示された通りのドレスを見繕っているのを尻目に、カトリーヌはゴクリと勢いよくお茶を飲んだ。

カトリーヌはドジっ子になろうと考え付いたのである。

自分の評判を下手に落とすような馬鹿な真似は絶対にできない。

では、どうするかというと、非常に緊張してドジばかりやらかす令嬢の振りをしようと考えたのだ。

「緊張しているので」という言い訳が効くので、1週間丸ごとは無理かもしれないけれど、初日から3日目くらいまではどうにでもなる。

その間にこのドジばかりやらかす令嬢は流石に心配だ、婚約に関して見直したいと向こうの両親に思わせれば勝ち!

そうしてやってきた出発日。

父と姉、その婚約者であるシュヴァルドはいまだに視察の最中なので、父から「あちらのご両親と仲良くできるように祈っている」というような、良好な仲を祈る手紙を、預かっていた母から渡されたカトリーヌは侍女と一緒に馬車に乗りこんで王都へ向けて出発した。

法衣貴族であるブラギ家は王都に家を構えているため、その点に関してはカトリーヌも嬉しい気持ちはあった。

友人たちからの約束に応えやすいし、移動に関しても領内の屋敷から向かうよりずっと楽なので。

基本的に学園に通う生徒たちは長期休暇中は自家の領地に戻るのが普通ではあるのだが、カトリーヌのような跡継ぎではなく、ちょっと顔見せすれば後は自由になる第二子以下の生徒の中には、実はタウンハウスに残る選択をする者もいる。

王都の方が楽しいし、スクリングラ王国の王とは丁度国土の中心にあるので、色んな領地に向けても行きやすい。

領内から真反対の領地の友達の所に誘われたからと言って向かうにはかなり厳しいとしても、王都からであればそれほど問題も無かった。

なので、カトリーヌは適度に緊張しているからやらかすドジを見せつけつつ、友人たちとの楽しい時間を過ごせればいいと、そう思っていたのだが

「あらあら、まるで私の昔の姿を見ているようだわぁ」

そうほけほけと笑うブラギ伯爵夫人にカトリーヌは唖然とした表情をした。

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