3 / 19
第一章 少年勇者は後退しません
第3話 類似例が見当たりません
しおりを挟む
商人達は、コボルト二人を護衛に、砦に向かって行った。
「これで良かったのか、本当に」
「まだ戦争状態じゃない、とあれだけはっきり言われると、ね」
「僕は、王国と魔軍とは長い停戦中ではあっても、いつでも、どちらか何かのきっかけがあれば、すぐ交戦状態になるものだと思ってました」
「まぁ、今更、奇襲や潜入でもなかろう。自分がそのきっかけとなるのであれば、なおさら、じゃな」
シルヴィアとケイトリンが、ノゾムとゼルドに合流する。当然だが、マシューとケインは近くで潜んだままだ。
「どなたか、彼らに『鑑定』か『看破』を使ってみましたか?」
マシューがどこから喋っているのかわからない声で囁く。
「いや、俺は使ってない」
ノゾムもシルヴィアもケイトリンも首を横に振る。
「ガーディアンベリーという彼らの話を確認していました。キラーベリーの単なる変異種ではなく、確かに既に別種です。そして彼らも、種族はコボルトではなくエルダーコボルトになっていました」
「聞いたこともないな。特徴は?」
「能力的には、コボルトの成長した延長線上でしかありませんが、彼らには、職業補正があります。しかも、二つ。個体差によって、人間のように、三つ以上の職業を持てる個体もいるかもしれません」
「人間と同じ、だと?」
「一人は『槍士』と『斥候』、もう一人は『槍士』と『門番』でした。私の『鑑定』レベルでは、スキルを獲得してるかまではわかりませんが、持っていても、不思議ではないでしょう」
コボルトやゴブリンのような低位の種族は、個体の成長や変異によって種族内の職位を持つことはある。
関連する能力や技能系のスキルが得られるようになる『弓士』『呪い師』『代表戦士』のようなものや、支配や指揮のスキルに関わる『族長』『将軍』『王侯』などの種族内での上位への変異だ。
だが、種族として最低位のコボルトは弱く、成長する機会自体が得にくいので、ゴブリンやオークの職位持ちに比べてすら、稀にしか発生しない。
ましてや、人間のように職業を得て、一般職でも、能力補正やスキルを獲得するコボルトなど聞いたことがない。
種族そのものがコボルトと異なる、というマシューの言葉を疑う理由は無いが、想定外のことがあり過ぎる。
魔将の正体、魔軍の実態、わかっていないことがはっきりしたのに、このまま進んでいいのか?
そして、最後に残った一つの疑問を、ノゾムはあえて口にしなかった。
商人たちですら『国交はない』と言い、コボルトでさえ(エルダーコボルトだが)『自分たちの砦と王国の間に、戦争は無い』と認識している。
人間の国はいずれも魔王の領土・魔王領と言い、魔軍と言う。
だが、市井の人々は、魔王の治める魔王国であり、魔王国軍であることを受け入れている。
人間の国ではないが、隣国であると。
魔軍とはゲームの敵のようなものという単純な思い込みで、ノゾムは思考停止していたことを思い知らされる。
これは、『勇者』を使った リドア王国による魔王国への侵略ではないのか?
その迷いを隠そうと、ノゾムは、ライザームへの挑戦を仲間たちの前ではっきりと口にして、コボルトたちへ伝言を依頼した。
自分と仲間たちを、追い込むことになることに自覚がないまま。
陽が高くない内に商人たちは砦に入り、今はもう陽は昇りきっているが砦の様子は変わらない。
これはもう、引き返すべきなのかも知れぬ、とシルヴィアは思う。
先入観に捉われるのは人の常だが、それぞれが見誤ったままここまで来て、今のノゾムには迷いが生じている。
無垢だったノゾムを、請われるまま勇者へと鍛えたのは、シルヴィアとゼルドだが、ここで間違った乗り越え方をさせてしまうと、ノゾムの心が妙な歪み方をしてしまうかもしれない。
マシューが、シルヴィアに他の仲間には聞こえない独特の囁き声で話しかける。
「シルヴィア様にお考えがあるなら、それに従います」
相変わらず他人の顔色を読むのが得意な男だと苦笑する。
だが、本当にどうしたものか。
魔将が警戒して砦の周りに軍を展開するというのであれば、ゼルドとシルヴィアどちらか一人でも、一蹴することは容易い。
その点で、シルヴィアも剛の者であり、賢者や隠者ではなく、大魔導師への道を選んだのは伊達ではない。
しかし、搦め手やこちらの予想外の事態になれば、後手に回るのは確実で、ノゾムの積み上げつつある名声と栄光に、大きな傷を残すかもしれない。
ましてや、宣言をしたのに砦に現れなかったのでは、その話にどんな尾ひれがつくかわかったものではない。
ここに至っても、シルヴィアの想定には、マシューが危惧するような『命あっての物種』という事態までは含まれていない。
ただ、どう始めて、どう終わらせるのが、最適の一手なのかが、見通せなくなっている。
「ノゾム、何を考えておる? 一戦してみて仕切り直すのもよかろうが、心乱れておるなら、状況を整理するために、敢えて一旦引くのも手の一つじゃぞ。なあに、砦の魔将をすっぽかしたとしても、魔戦士ゼルドが腹を壊したことにでもすればよい」
「いや、そこで腹を壊すのは、ケイトリンかケインの役だろ」
「シルヴィアの言う通り、ゼルドでいいじゃん」
ずっと潜んでいるのに飽きたのか、ケインが岩陰から現れる。
「俺はお前たちみたいに、そこらにあるものを何でも拾って食ったりはしないぞ」
「仮にも乙女に、『食い意地がはってる』ような言い方しないで!」
「では、後で試しに、ガーディアンベリーの実を採って来ようと思っていましたが、ケイトリンの分は要りませんね」
「マシュー! それは普通に酷いと思う」
普段通りの軽口も、平静を保とうとする心の動きかもしれない。
ノゾムを除く全員が、何かを感じ取っていた。
「正直に言えば、僕も少し迷ってるよ。だから、ライザームに挑戦すると口にした。ここで、東の砦の様子を見て、どうするか決める」
ポツポツとノゾムは語る。
魔軍を、単なる敵として考えていた。そのイメージ通りの行動に出るなら、正面からぶつかる。
そうでなければ、相手の出方次第で、別の方策を考えなくてはならない。
ノゾムの宣言を待っていたかのように、砦の方から銅鑼を叩く音がした。
ガーディアンベリーの木々が揺れ、籠を抱えた小さな影がその木々の下から現れると、次々と砦に入って行く。
「ガーディアンベリーの、収穫作業中だったようですね」
入口に居た槍持ちのコボルト二人も、砦の中へと消え、より体格の大きなコボルトらしき影が三人現れた。
中央に、一際輝く白銀の全身鎧が一人、その前に黒い鎧姿の槍持ちと、青い鎧の木棍持ちが立つ。
それ以上の変化はなかった。
「軍勢の出番は無しか」
「四人目と五人目は、どうするつもりじゃろうな」
「挨拶だろうとは思いますが、私が」
シルヴィアの言葉にマシューが応じ、さっきまであったマシューの気配が消える。
砦に続く道の途中、ちょうど砦とノゾムたちとの中間あたりに、不意に茶色いフードの影が現れる。
そして、次の一瞬、その手前にマシューが現れた。
お互いの間合いの、ギリギリ外の距離。茶色いフードの影はそのまま跪き、マシューとの間で、何かやり取りをしているようだ。
「ケインには聞こえる?」
「茶番だよ。お互いの『隠密行動』比べをして、わざと姿を現した向こうのヤツに、マシューが即座に間合いを見切った場所に現れて、対抗してみせた。自分に戦う意思は無く、迎えに来ただけということらしいね。マシューの力量を、自分と同等以上だと認めたみたいだ」
「『斥候』か『野伏』、上級職の『忍者』かもしれないな」
フードの男を置いたまま、マシューが戻って来る。
「砦からの迎えの使者のようです」
「『鑑定』の結果は?」
ケインが興味津々で尋ねる。
「見てた通り、職業は『忍者』。技量は、私と同じくらいでしょう。姿を現したのは、隠れている私の間合いのすぐ外でしたから」
マシューは、ため息を一つついた。
「種族は、ハイコボルトです」
「これで良かったのか、本当に」
「まだ戦争状態じゃない、とあれだけはっきり言われると、ね」
「僕は、王国と魔軍とは長い停戦中ではあっても、いつでも、どちらか何かのきっかけがあれば、すぐ交戦状態になるものだと思ってました」
「まぁ、今更、奇襲や潜入でもなかろう。自分がそのきっかけとなるのであれば、なおさら、じゃな」
シルヴィアとケイトリンが、ノゾムとゼルドに合流する。当然だが、マシューとケインは近くで潜んだままだ。
「どなたか、彼らに『鑑定』か『看破』を使ってみましたか?」
マシューがどこから喋っているのかわからない声で囁く。
「いや、俺は使ってない」
ノゾムもシルヴィアもケイトリンも首を横に振る。
「ガーディアンベリーという彼らの話を確認していました。キラーベリーの単なる変異種ではなく、確かに既に別種です。そして彼らも、種族はコボルトではなくエルダーコボルトになっていました」
「聞いたこともないな。特徴は?」
「能力的には、コボルトの成長した延長線上でしかありませんが、彼らには、職業補正があります。しかも、二つ。個体差によって、人間のように、三つ以上の職業を持てる個体もいるかもしれません」
「人間と同じ、だと?」
「一人は『槍士』と『斥候』、もう一人は『槍士』と『門番』でした。私の『鑑定』レベルでは、スキルを獲得してるかまではわかりませんが、持っていても、不思議ではないでしょう」
コボルトやゴブリンのような低位の種族は、個体の成長や変異によって種族内の職位を持つことはある。
関連する能力や技能系のスキルが得られるようになる『弓士』『呪い師』『代表戦士』のようなものや、支配や指揮のスキルに関わる『族長』『将軍』『王侯』などの種族内での上位への変異だ。
だが、種族として最低位のコボルトは弱く、成長する機会自体が得にくいので、ゴブリンやオークの職位持ちに比べてすら、稀にしか発生しない。
ましてや、人間のように職業を得て、一般職でも、能力補正やスキルを獲得するコボルトなど聞いたことがない。
種族そのものがコボルトと異なる、というマシューの言葉を疑う理由は無いが、想定外のことがあり過ぎる。
魔将の正体、魔軍の実態、わかっていないことがはっきりしたのに、このまま進んでいいのか?
そして、最後に残った一つの疑問を、ノゾムはあえて口にしなかった。
商人たちですら『国交はない』と言い、コボルトでさえ(エルダーコボルトだが)『自分たちの砦と王国の間に、戦争は無い』と認識している。
人間の国はいずれも魔王の領土・魔王領と言い、魔軍と言う。
だが、市井の人々は、魔王の治める魔王国であり、魔王国軍であることを受け入れている。
人間の国ではないが、隣国であると。
魔軍とはゲームの敵のようなものという単純な思い込みで、ノゾムは思考停止していたことを思い知らされる。
これは、『勇者』を使った リドア王国による魔王国への侵略ではないのか?
その迷いを隠そうと、ノゾムは、ライザームへの挑戦を仲間たちの前ではっきりと口にして、コボルトたちへ伝言を依頼した。
自分と仲間たちを、追い込むことになることに自覚がないまま。
陽が高くない内に商人たちは砦に入り、今はもう陽は昇りきっているが砦の様子は変わらない。
これはもう、引き返すべきなのかも知れぬ、とシルヴィアは思う。
先入観に捉われるのは人の常だが、それぞれが見誤ったままここまで来て、今のノゾムには迷いが生じている。
無垢だったノゾムを、請われるまま勇者へと鍛えたのは、シルヴィアとゼルドだが、ここで間違った乗り越え方をさせてしまうと、ノゾムの心が妙な歪み方をしてしまうかもしれない。
マシューが、シルヴィアに他の仲間には聞こえない独特の囁き声で話しかける。
「シルヴィア様にお考えがあるなら、それに従います」
相変わらず他人の顔色を読むのが得意な男だと苦笑する。
だが、本当にどうしたものか。
魔将が警戒して砦の周りに軍を展開するというのであれば、ゼルドとシルヴィアどちらか一人でも、一蹴することは容易い。
その点で、シルヴィアも剛の者であり、賢者や隠者ではなく、大魔導師への道を選んだのは伊達ではない。
しかし、搦め手やこちらの予想外の事態になれば、後手に回るのは確実で、ノゾムの積み上げつつある名声と栄光に、大きな傷を残すかもしれない。
ましてや、宣言をしたのに砦に現れなかったのでは、その話にどんな尾ひれがつくかわかったものではない。
ここに至っても、シルヴィアの想定には、マシューが危惧するような『命あっての物種』という事態までは含まれていない。
ただ、どう始めて、どう終わらせるのが、最適の一手なのかが、見通せなくなっている。
「ノゾム、何を考えておる? 一戦してみて仕切り直すのもよかろうが、心乱れておるなら、状況を整理するために、敢えて一旦引くのも手の一つじゃぞ。なあに、砦の魔将をすっぽかしたとしても、魔戦士ゼルドが腹を壊したことにでもすればよい」
「いや、そこで腹を壊すのは、ケイトリンかケインの役だろ」
「シルヴィアの言う通り、ゼルドでいいじゃん」
ずっと潜んでいるのに飽きたのか、ケインが岩陰から現れる。
「俺はお前たちみたいに、そこらにあるものを何でも拾って食ったりはしないぞ」
「仮にも乙女に、『食い意地がはってる』ような言い方しないで!」
「では、後で試しに、ガーディアンベリーの実を採って来ようと思っていましたが、ケイトリンの分は要りませんね」
「マシュー! それは普通に酷いと思う」
普段通りの軽口も、平静を保とうとする心の動きかもしれない。
ノゾムを除く全員が、何かを感じ取っていた。
「正直に言えば、僕も少し迷ってるよ。だから、ライザームに挑戦すると口にした。ここで、東の砦の様子を見て、どうするか決める」
ポツポツとノゾムは語る。
魔軍を、単なる敵として考えていた。そのイメージ通りの行動に出るなら、正面からぶつかる。
そうでなければ、相手の出方次第で、別の方策を考えなくてはならない。
ノゾムの宣言を待っていたかのように、砦の方から銅鑼を叩く音がした。
ガーディアンベリーの木々が揺れ、籠を抱えた小さな影がその木々の下から現れると、次々と砦に入って行く。
「ガーディアンベリーの、収穫作業中だったようですね」
入口に居た槍持ちのコボルト二人も、砦の中へと消え、より体格の大きなコボルトらしき影が三人現れた。
中央に、一際輝く白銀の全身鎧が一人、その前に黒い鎧姿の槍持ちと、青い鎧の木棍持ちが立つ。
それ以上の変化はなかった。
「軍勢の出番は無しか」
「四人目と五人目は、どうするつもりじゃろうな」
「挨拶だろうとは思いますが、私が」
シルヴィアの言葉にマシューが応じ、さっきまであったマシューの気配が消える。
砦に続く道の途中、ちょうど砦とノゾムたちとの中間あたりに、不意に茶色いフードの影が現れる。
そして、次の一瞬、その手前にマシューが現れた。
お互いの間合いの、ギリギリ外の距離。茶色いフードの影はそのまま跪き、マシューとの間で、何かやり取りをしているようだ。
「ケインには聞こえる?」
「茶番だよ。お互いの『隠密行動』比べをして、わざと姿を現した向こうのヤツに、マシューが即座に間合いを見切った場所に現れて、対抗してみせた。自分に戦う意思は無く、迎えに来ただけということらしいね。マシューの力量を、自分と同等以上だと認めたみたいだ」
「『斥候』か『野伏』、上級職の『忍者』かもしれないな」
フードの男を置いたまま、マシューが戻って来る。
「砦からの迎えの使者のようです」
「『鑑定』の結果は?」
ケインが興味津々で尋ねる。
「見てた通り、職業は『忍者』。技量は、私と同じくらいでしょう。姿を現したのは、隠れている私の間合いのすぐ外でしたから」
マシューは、ため息を一つついた。
「種族は、ハイコボルトです」
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冴えない建築家いずれ巨匠へと至る
木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」
かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。
安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。
現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。
異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる