48 / 266
◎二年目、四月の章
■ろくでもない奴らがこの街には存在している。それは認めるしかない。
しおりを挟む
泣きじゃくる由芽を里奈は懸命になだめながら、そうこうしているととりあえずお開きなった。
三人は揃って外に出ると五人組の男連中に取り囲まれる。こちらをあきらかに威嚇するような視線の浴びせ方だった。
「何か用ですか?」
久遠は物怖じもせずに訊ねる。その態度が気に入らなかったのかリーダー格らしい男の怒気がいっそう強まる。
「そこのお前」
男の一人が由芽を指さす。由芽はびくりと肩を震わせて縮こまる。
「乱暴な物言いやめてもらえますか」
里奈は由芽をかばうように後ろに下がらせると、唸るような低い声をあげる。
「こいつらに何をしゃべったのか言え。場合によっちゃ、ここで全員潰す」
里奈はその言葉に怒りを顕わにする。
「なんて連中なの!」
「具体的にはどうするおつもりで?」
対して久遠は相変わらず冷静だった。
「リアルでケンカとなれば行動履歴が残って、あなた方の将来に傷がつくと思いますが」
「ふん。すぐに生意気な口が言えなくしてやるよ」
久遠はわざとらしく大仰なため息をつく。
「頭の不自由な人はこれだからね」
男の一人が怒りのあまりに殴りかかってくる。それを久遠は片手で受け止めて掴む。
「離しやがれ!」
「自分でほどいてみては?」
久遠は涼しい顔のままだ。
「ゲーム内のステータスの数値がリアルでも反映されるのはご存じですよね、先輩方」
手を掴まれた男は苦悶に満ちた表情に変わっていく。そのあたりで久遠は男の手を離した。
「おい、調子に乗るんじゃねぇぞ。俺たちをここまでコケにしたんだ。決闘してもらうぜ」
「そちらこそ友人にした無礼の数々、しっかり落とし前はつけてもらいますよ」
久遠はログインして相手に決闘状を送る。東京迷宮におけるプレイヤー対プレイヤーの正式ルールに則るものである。
男連中はもちろん里奈も由芽もログインする。
昼間の決闘であった。
三人は揃って外に出ると五人組の男連中に取り囲まれる。こちらをあきらかに威嚇するような視線の浴びせ方だった。
「何か用ですか?」
久遠は物怖じもせずに訊ねる。その態度が気に入らなかったのかリーダー格らしい男の怒気がいっそう強まる。
「そこのお前」
男の一人が由芽を指さす。由芽はびくりと肩を震わせて縮こまる。
「乱暴な物言いやめてもらえますか」
里奈は由芽をかばうように後ろに下がらせると、唸るような低い声をあげる。
「こいつらに何をしゃべったのか言え。場合によっちゃ、ここで全員潰す」
里奈はその言葉に怒りを顕わにする。
「なんて連中なの!」
「具体的にはどうするおつもりで?」
対して久遠は相変わらず冷静だった。
「リアルでケンカとなれば行動履歴が残って、あなた方の将来に傷がつくと思いますが」
「ふん。すぐに生意気な口が言えなくしてやるよ」
久遠はわざとらしく大仰なため息をつく。
「頭の不自由な人はこれだからね」
男の一人が怒りのあまりに殴りかかってくる。それを久遠は片手で受け止めて掴む。
「離しやがれ!」
「自分でほどいてみては?」
久遠は涼しい顔のままだ。
「ゲーム内のステータスの数値がリアルでも反映されるのはご存じですよね、先輩方」
手を掴まれた男は苦悶に満ちた表情に変わっていく。そのあたりで久遠は男の手を離した。
「おい、調子に乗るんじゃねぇぞ。俺たちをここまでコケにしたんだ。決闘してもらうぜ」
「そちらこそ友人にした無礼の数々、しっかり落とし前はつけてもらいますよ」
久遠はログインして相手に決闘状を送る。東京迷宮におけるプレイヤー対プレイヤーの正式ルールに則るものである。
男連中はもちろん里奈も由芽もログインする。
昼間の決闘であった。
0
あなたにおすすめの小説
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる