デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、四月の章

■ろくでもない奴らがこの街には存在している。それは認めるしかない。

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 泣きじゃくる由芽を里奈は懸命になだめながら、そうこうしているととりあえずお開きなった。

 三人は揃って外に出ると五人組の男連中に取り囲まれる。こちらをあきらかに威嚇するような視線の浴びせ方だった。

「何か用ですか?」

 久遠は物怖じもせずに訊ねる。その態度が気に入らなかったのかリーダー格らしい男の怒気がいっそう強まる。

「そこのお前」

 男の一人が由芽を指さす。由芽はびくりと肩を震わせて縮こまる。

「乱暴な物言いやめてもらえますか」

 里奈は由芽をかばうように後ろに下がらせると、唸るような低い声をあげる。

「こいつらに何をしゃべったのか言え。場合によっちゃ、ここで全員潰す」

 里奈はその言葉に怒りを顕わにする。

「なんて連中なの!」

「具体的にはどうするおつもりで?」

 対して久遠は相変わらず冷静だった。

「リアルでケンカとなれば行動履歴が残って、あなた方の将来に傷がつくと思いますが」

「ふん。すぐに生意気な口が言えなくしてやるよ」

 久遠はわざとらしく大仰なため息をつく。

「頭の不自由な人はこれだからね」

 男の一人が怒りのあまりに殴りかかってくる。それを久遠は片手で受け止めて掴む。

「離しやがれ!」

「自分でほどいてみては?」

 久遠は涼しい顔のままだ。

「ゲーム内のステータスの数値がリアルでも反映されるのはご存じですよね、先輩方」

 手を掴まれた男は苦悶に満ちた表情に変わっていく。そのあたりで久遠は男の手を離した。

「おい、調子に乗るんじゃねぇぞ。俺たちをここまでコケにしたんだ。決闘してもらうぜ」

「そちらこそ友人にした無礼の数々、しっかり落とし前はつけてもらいますよ」

 久遠はログインして相手に決闘状を送る。東京迷宮におけるプレイヤー対プレイヤーの正式ルールに則るものである。

 男連中はもちろん里奈も由芽もログインする。

 昼間の決闘であった。

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