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◎二年目、五月の章
■晴の姉の名は光という。大人っぽいと里奈は思った。
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晴の姉は光というらしい。その彼女が里奈の目の前にいる。
見た目はいわゆる派手めで里奈と由芽がまず積極的には話しかけないタイプの女性であった。
「いやぁ産婦人科とかその発想がなかったわぁ。まじでサンキュウね」
光のノリは至って軽い。
「そのお腹になるまで受診していないことにむしろ驚きですよ」
久遠がスパッとした口調で悪びれずに言う。
「お、生意気だねぇ少年」
光は久遠に近寄って両頬をつねりはじめる。「あはは」と笑っているあたり気分を害しているわけではないようだ。
表裏があるような感じもなく、そういう駆け引きじみたことをするタイプにも思えない。
久遠は「やめへくらはい」と抗議しているが、何を言っているか聞こえづらい。
というか久遠はどちらかというと照れているんだろうなと里奈は察した。
「いまで何ヵ月目なんですか?」
「あんまし数えてなかったわ。ただ、もうちょっとで産まれそう……みたいな?」
「はあ」と里奈は生返事だ。少しノリについていけないところがあった。
「姉貴、その頬をつねってる奴がタクシー代を出してくれるんだぜ。もう少し感謝してやれよ」
「おお、そっかそっか。ありがとね」
光は頬をつねるのをやめると割と……いや案外? それなりにある胸に久遠の顔を埋めさせて感謝を表しているようだった。
久遠はというと嬉しそうというより苦しそうだったが。
「胸って、その……妊娠したら大きくなるんですか?」
そんな話を聞いたことがあった里奈は興味本位で訊ねる。
「さあ、どうだろ? あたしはもともとこれくらいだったし。妊娠して大きくなったってのはないかなぁ」
里奈は聞いてしまったことを心の奥底から後悔した。本人に悪気がないだけにかえってこちらの傷を抉ってくる。
「どしたの? 顔色悪くなってるけど」
「いえ、何でもありませんから」
里奈は努めて冷静に返答したつもりである。
相変わらず久遠の顔は光の胸の谷間だ。それを見て里奈は内心で「バーカ」と言いながらチロリと舌を出していた。
見た目はいわゆる派手めで里奈と由芽がまず積極的には話しかけないタイプの女性であった。
「いやぁ産婦人科とかその発想がなかったわぁ。まじでサンキュウね」
光のノリは至って軽い。
「そのお腹になるまで受診していないことにむしろ驚きですよ」
久遠がスパッとした口調で悪びれずに言う。
「お、生意気だねぇ少年」
光は久遠に近寄って両頬をつねりはじめる。「あはは」と笑っているあたり気分を害しているわけではないようだ。
表裏があるような感じもなく、そういう駆け引きじみたことをするタイプにも思えない。
久遠は「やめへくらはい」と抗議しているが、何を言っているか聞こえづらい。
というか久遠はどちらかというと照れているんだろうなと里奈は察した。
「いまで何ヵ月目なんですか?」
「あんまし数えてなかったわ。ただ、もうちょっとで産まれそう……みたいな?」
「はあ」と里奈は生返事だ。少しノリについていけないところがあった。
「姉貴、その頬をつねってる奴がタクシー代を出してくれるんだぜ。もう少し感謝してやれよ」
「おお、そっかそっか。ありがとね」
光は頬をつねるのをやめると割と……いや案外? それなりにある胸に久遠の顔を埋めさせて感謝を表しているようだった。
久遠はというと嬉しそうというより苦しそうだったが。
「胸って、その……妊娠したら大きくなるんですか?」
そんな話を聞いたことがあった里奈は興味本位で訊ねる。
「さあ、どうだろ? あたしはもともとこれくらいだったし。妊娠して大きくなったってのはないかなぁ」
里奈は聞いてしまったことを心の奥底から後悔した。本人に悪気がないだけにかえってこちらの傷を抉ってくる。
「どしたの? 顔色悪くなってるけど」
「いえ、何でもありませんから」
里奈は努めて冷静に返答したつもりである。
相変わらず久遠の顔は光の胸の谷間だ。それを見て里奈は内心で「バーカ」と言いながらチロリと舌を出していた。
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