デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、六月の章

■野川乃々子はクイーン・ナイツのクランリーダーをやっている

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 フロントは交代してくれたに任せて、とりあえず久遠を自室に連れてきていた。

「えっと、ノアさんでいいんですか?」

「ここで呼ぶときはそうしてほしいかな」

 久遠はその言葉で何かを察したようだった。

「ひょっとして、実名を出すのはまずかったですか?」

 久遠の問いにはただ首肯する。

「それはすみませんでした」

「知らなかったでも困る話なのよ。まあ、今回は不問としましょう」

 とりあえず事情は聞いておこうか。となれば、こちらも名乗る必要はあるか。

「私はクイーン・ナイツのリーダーで野川乃々子のがわののこ。九期生よ」

「僕は古輪久遠。東方旅団に所属している十一期生です」

「聞かないクラン名ね」

 乃々子は率直に伝える。

「今年の四月作ったばかりでメンバーが四人しかいませんから」

 なるほどと乃々子は納得する。

「たしかに山入端圭都はクイーン・ナイツのメンバーよ。私としてはその名をどこで聞いたか教えてほしいところね」

 それで久遠から出てきた名前に乃々子は辟易する。

 宇佐真鈴の名前が出てきたからだ。ついでに話もあらかた聞いて事情も呑みこめた。

「ま、圭都ちゃんはあの女真鈴と仲良かったからね」

 真鈴は圭都の教育係だったということもあり、二人は姉妹のような関係だった。

 その真鈴がクランを突然脱退した。理由はわからないが、興味がさしてあるわけでもなかった。

 ただ、もうすぐ一八歳になることと関係しているという予感だけはあった。

「ま、いいけどさ」

 さてと、乃々子は久遠を値踏みするように観察をはじめる。もちろん表情から営業スマイルは崩さない。

 フロントは別のに任せたワケだから、ここからは稼がせてもらってもいいわけだ。

 幸いにしてここは自室。

「ねえ、キュウちゃんて呼んでもいい?」

「はあ……」

 乃々子はソファに座っていた久遠の横にもたれかかるように座る。

 ここがどういうところかは実際に体験させるのが手っ取り早い。

「圭都ちゃんには話を通すとして、こっちのお願いも聞いてもらっていいかな?」
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