デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、六月の章

■呆れる乃々子に苦笑いの久遠

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「君も元気だねぇ」

 次の日の早朝、乃々子が久遠にかけた最初の一声である。

「あなたがそれ言います?」

 その久遠の指摘に乃々子はチロリと舌を出す。

「いいじゃない。細かいことは」

 この話題はさっさと変えてしまうにかぎるなと乃々子は考えた。

 すると、久遠が乃々子をまじまじと見つめていることに気がつく。

「どうかした?」

「乃々子さん、昨日は化粧してたんですか?」

 なるほど。いまはすっぴんだったなと思い出す。客には絶対に見せないようにしているものだ。

「あんな厚化粧、寝るときくらい落とすに決まってるでしょ」

 好き好んでやっているわけではないのだ。

「乃々子さんは化粧しなくてもよさそうですけど」

 そう言うと乃々子は久遠のおでこにデコピンをする。

「素顔隠しになるの。街中でるときはすっぴんにしたら簡単には素顔が一致しないでしょ」

「僕は何でデコピンされたんですか?」

 それなりに痛かったようで久遠はおでこをさすっている。

「君がバカみたいなこと聞くからよ」

「ののさん、少しいいかな?」

 圭都が乃々子と向き合う形で正面に立つ。

「改まってどうしたの?」

 圭都がこれまでこんなことをするのを見たことはなかった。珍しいとも言える。

「私、今日でクイーン・ナイツ抜けるよ」

 ああ、そういうことかと久遠に一瞬だけ視線を向けて、すぐに圭都へ戻す。

クイーン・ナイツここの方針は知ってるよね。だから、私に引き止める権利はない」

 それは今後も決して揺らがない規則となるだろう。しかしである。

「一応、理由は聞かせてもらえる?」

 圭都は真鈴のことを話だす。

 まあ、絡むと言えば真鈴のことだろうと予想はついていたが。

「なるほどね。それで行くアテはあるの?」

 すると二人の視線は自然と久遠に向く。

「どうして僕が責任取るみたいな話になっているんですか?」

「だって圭都ちゃんは久遠くんのクランに入りたいのよ」

 久遠はそうなのかと圭都に視線だけを向けると、圭都は頷く。なるほど。そもそも久遠に相談してなかったか。

「君も大変ね」

 思わず口にしてしまう。

「あ、それと。よかったら、久遠くんがいるクランの拠点とかあったら教えてよ」

 せっかくできた交流だった。それに気に入ってしまったのだ。この久遠という少年を。


 
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