デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、一〇月の章

■第一回東京迷宮クラン会議開催

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 衆議院議場の議員席には各クランの代表者たちが順次着席をしていく。

 議長席には水呉が座る。

 全体の準備が完了したところで水呉は開会の宣言をする。

「各々集まってくれたクラン代表者の方々には感謝を。このような場を持てたことは我々東京迷宮のプレイヤーにとって大いに前進になることだろう。それとともに今回だけで終わらず二回、三回と続くように、またここをよき議論の場としたい。そのためにも皆の協力は不可欠である。よろしく願う」

 これを開会の言葉として水呉は席に座る。議員席からはまばらであるが、拍手が起こる。

 このような場に全体が緊張しているようであった。

 そしていよいよ東方旅団から情報開示するという議題に移る。

 演壇えんだんに立ったのは里奈ではなく、博文であった。

「皆さんに東方旅団の持っている情報を開示します」

 最初に義務教育について。これはここにいる子供たちはすべて受けられるという話と、それによって学生寮をはじめとする施設が無償で利用できる。

 あと、そういったことは関係なく病院にかかる治療費なども無償であることが伝えられる。

 これに議場がざわつく。実はホテルで寝泊まりしなくても無償で学生寮を利用してもよかったという事実を突きつけられたからだ。

 続いて東方旅団の戦績についてだ。夜狩り、強制ログインゾーンの解除したこと。

 三色烏のことも続けて伝える。これは衝撃的だったようで、周囲に相当な衝撃を与えた。

 あと、方針としてはクランイベントには参加しないという旨も伝えられる。

「――以上です」

 博文は一礼すると自分の席に戻っていく。

 ざわつく議場から「質問をどうぞ」と水呉がボールを投げ打つ。

 そのボールを取ろうと議場から一斉に手が挙がる。

「三色烏は本当に三振りしか存在しないのか?」

「わかりません。彼らの分しか確認できていないので。くまなく東京中を探せばあるいは――」

「夜の狩りが危険だというのは東方旅団が流布したデマなんじゃないのか?」

「東方旅団は今年の四月に結成されたばかりのクランです。夜が危険だというのはそれよりずっと昔からありました」

 あとはどういう内容だったか。語るのも馬鹿らしくなっていく。

 結局は東方旅団が夜の狩り場を結果的に独占しているという不満であった。

 それに対しては全体で享受すべきだという意見が出て、それなら東方旅団のクランイベント参加も認めるのかという議論が生まれる。

 そもそも夜の狩りが必ずしも危険ではないのだから、今後は積極的に出るべきだという意見もあがり、強制ログインゾーンの対策をどうするのか。

 やはり対処できる手段を持つ東方旅団の面々が有利であるのは納得できない。

 結論はまるで出ない。

 里奈はこれまで感じたことのない攻撃的な視線に参っている様子だった。

 そんなときだ。議長席の上に掛けられている巨大モニターが急に明滅をしたのは。
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