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◎二年目、十一月の章
■その少女、名は世里という
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一つの教室に年齢は関係なく東方旅団の面々が集まる。
別にルールを決めてこうしてるわけではなく、気づいたらこうなっていたというのが実情だろう。
朝も早いので各々はこれからスケジュールをどうしようかと算段しているところであった。
そのいつもの平穏な時間に突如として見知らぬ女の子が教室に入ってくる。
いや晴にはあった。あれは通学途中でぶつかった女の子であった。
女の子は誰かを探しているようだった。だから晴はひょっとして自分かもと期待をこめて視線を送るが、「あなたじゃありません」と首を横に振られる。
「ひょっとして世里姉?」
古輪久遠は思わず立ちあがったようだった。
世里と呼ばれた女の子も久遠の顔を見つけると表情があからさまに明るくなる。
ただならぬ二人の関係性に教室内はざわめく。
「久遠ちゃん!」
久々の再会に胸が躍るとばかりに世里は久遠に抱きつく。
「はい。ストップ」
盛りあがっているところを小柄な少女が割って入って、世里を久遠から引き剥がす。
「あなたは?」と世里は少女に訊ねる。
「私は東方旅団でクランリーダーを務めています片岡里奈といいます」
こちらは名乗った。そもそも先に名乗るべきはそちらだろうとばかりに里奈は世里に無言の圧力をかける。
「私は十一月二三日生まれの一〇期生。名前は長和世里です。久遠ちゃんとは従姉にあたります」
世里は物腰柔らかなようで、それだけではない芯の強さのようなものを里奈は感じとる。
――ま、負けないんだから。と、里奈は胸を張ろうとする。
「片岡は何をしてるの?」と頼果が由芽に聞く。
「さあ、何だろうね?」と由芽にも奇行としか見てもらえないのが現実である。
「世里姉、ここがよくわかったね」
久遠が話しかける。
これはしばらく二人の会話を聞いているのがいいかと、まわりも一歩退いて見守る態勢へ移行する。
「あなた、いまでは有名人なのよ。東京迷宮クラン会議の事件を解決した英雄だって」
「そうなんだ?」
久遠がまわりにも確認をする。するとまわりがげんなりしているのがわかる。
「やたらクラン入団希望が増えたでしょ」
それこそ世里のいう事件のあとのことだ。寮に連日大勢の人間が押し寄せてきた。
全員の要望に応えていたら、枠がすぐに埋まってしまうということで里奈は新規募集はしていないと全員を追い返してしまった。
ついでに久遠や里奈さえも引き抜こうと画策した面々もいたが、それは後日行われた二回目の会議でやらないようにと多数決で決まった。
「あなたってそういう世間ずれしたところがあるから心配になって会いに来たの」
「心配しすぎだよ」
仲がいいのは端から見ても十分に伝わってくる。親族とかそういう問題ではなく、どこまでの仲なのかということだった。
そこに里奈は「早く聞け」という無言の圧力に耐えねばならなかった。
別にルールを決めてこうしてるわけではなく、気づいたらこうなっていたというのが実情だろう。
朝も早いので各々はこれからスケジュールをどうしようかと算段しているところであった。
そのいつもの平穏な時間に突如として見知らぬ女の子が教室に入ってくる。
いや晴にはあった。あれは通学途中でぶつかった女の子であった。
女の子は誰かを探しているようだった。だから晴はひょっとして自分かもと期待をこめて視線を送るが、「あなたじゃありません」と首を横に振られる。
「ひょっとして世里姉?」
古輪久遠は思わず立ちあがったようだった。
世里と呼ばれた女の子も久遠の顔を見つけると表情があからさまに明るくなる。
ただならぬ二人の関係性に教室内はざわめく。
「久遠ちゃん!」
久々の再会に胸が躍るとばかりに世里は久遠に抱きつく。
「はい。ストップ」
盛りあがっているところを小柄な少女が割って入って、世里を久遠から引き剥がす。
「あなたは?」と世里は少女に訊ねる。
「私は東方旅団でクランリーダーを務めています片岡里奈といいます」
こちらは名乗った。そもそも先に名乗るべきはそちらだろうとばかりに里奈は世里に無言の圧力をかける。
「私は十一月二三日生まれの一〇期生。名前は長和世里です。久遠ちゃんとは従姉にあたります」
世里は物腰柔らかなようで、それだけではない芯の強さのようなものを里奈は感じとる。
――ま、負けないんだから。と、里奈は胸を張ろうとする。
「片岡は何をしてるの?」と頼果が由芽に聞く。
「さあ、何だろうね?」と由芽にも奇行としか見てもらえないのが現実である。
「世里姉、ここがよくわかったね」
久遠が話しかける。
これはしばらく二人の会話を聞いているのがいいかと、まわりも一歩退いて見守る態勢へ移行する。
「あなた、いまでは有名人なのよ。東京迷宮クラン会議の事件を解決した英雄だって」
「そうなんだ?」
久遠がまわりにも確認をする。するとまわりがげんなりしているのがわかる。
「やたらクラン入団希望が増えたでしょ」
それこそ世里のいう事件のあとのことだ。寮に連日大勢の人間が押し寄せてきた。
全員の要望に応えていたら、枠がすぐに埋まってしまうということで里奈は新規募集はしていないと全員を追い返してしまった。
ついでに久遠や里奈さえも引き抜こうと画策した面々もいたが、それは後日行われた二回目の会議でやらないようにと多数決で決まった。
「あなたってそういう世間ずれしたところがあるから心配になって会いに来たの」
「心配しすぎだよ」
仲がいいのは端から見ても十分に伝わってくる。親族とかそういう問題ではなく、どこまでの仲なのかということだった。
そこに里奈は「早く聞け」という無言の圧力に耐えねばならなかった。
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