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⑦
しおりを挟む※尿道責め/放尿がありますので苦手な方は注意して下さい。
凍えそうな冬の朝。冷たい水で手を洗う君、「可哀想」だと思う気持ちは貴方が彼女を好きだから。
「フジ、手伝う」
「え?わ、え、ちょ、エル!?」
いつか読んだ書物の一文を頭の隅で思い出しながらエルはスルリとフジの背後から手を回し陰茎を撫でた。分厚いグローブを身に付けているので間違っても傷付けないよう優しく裏筋を手のひらで緩く擦る。
「ンッ…!ま、待って、エル、なにを!」
「補助だ。初めてだが一度DVDを見たので安心して欲しい」
「補助!?なんの…ぁ、あ…まっ…」
「大丈夫だ」
動揺し暴れる体を左手でギュッと抱き締め、右手はゆるゆると動かしてやればピクリと小さく反応する。痛くはないようだと判断し優しく包み込み上下に動かし、時折り先端を指で撫でれば粘着性のある体液が漏れ出していた。
エルの体は人間を模して作られているが内部構造はやはり人間のそれとは違うものなのだが、どこまで同じでどこまで異質なのか自分でも把握していない。人間の体について基礎的な知識はあるが、性知識及び性的な接触を行うのは初めてだった。
「フジ尿道から粘性の液体が分泌されている」
「ん、ふ…っ、エル、やめ…はぁ…っ」
確か指南動画ではボトルからドロリとした透明な液体を陰部に垂らしグチュグチュと水音を鳴らしながら擦り上げていた。残念ながらここにそのボトルはないがフジから溢れ出るこの液体を使えば滑りが良くなり擦りやすいかもしれない。人間の体は便利だなとエルは関心した。
根元と先端の間を上下に動かしていくと最初は暴れていたフジも大人しくなりピクピクと体を震わせながらくぐもった声を上げ、暫くすると甘さを含み始めエルは不思議な気持ちになっていく。ムズムズそわそわと落ち着かない。排尿補助に集中しなくてはならないのに気がそぞろになりフジの声や息遣い、跳ねる腰、抑え込むエルの腕をギュッと握る頼りない手が心を掻き立てる。
「っ、あ…んン、ぁ…ちょっと…っ、える…ん、ああ!」
本能の赴くままジトリと汗ばんだ首筋に顔を近付けて嗅いでみる。ヘルメット越しなので分かり難いのがもどかしい。草木や土、あの傷を治す植物特有の甘い匂いの奥に汗とフジの匂いが少しする。全身が火を付けたように熱くなり血液が煮えたぎるかと思った。欲しい。
猛烈にこの男が欲しい。
湧き上がる熱望をどう吐き出せばいいかわからずただただ腕の中の愛する相手を抱き締めた。どうすればいい。この熱量をどう処理すればいい。焦燥と渇望。しかし手段を知らない。人間の真似事をしただけの己ではこの憂いを満たせない。本能に従えばいいなら渦巻く欲をこの人間の体内に吐き出して子孫を残すまで囲い続けたい。いや子を産んでも手離さない。糸で巻き付けて決して逃がさない。正体を知ったらきっと怖がられる。バケモノだと罵られ恐怖に濡れて背を向けてしまうのだろう。優しいフジでもきっとそうだ、ならば、この昂ぶる気持ちに嘘は付けない。逃げられるならいっそ――……
「エ、エエ、エル!エルー!」
怯えた叫び声にハッとする。腕の中のフジは身体の向きを変え真正面からエルに飛び付かんばかりに抱き付いていた。
「な、ななな、なんか水が!水が~~!」
「水?」
「水が、纏わりついて…っ、はぅ、ぅ、んん、っ、ぁ、ぇ…る…くぅ、ああっ!」
「フジ?」
「み、ずがぁ…ぁひっ!んっ、く、ぅう…や、やだ…見ないで…ん"んッ!」
見ないでと言いながらフジの両腕は依然エル背中に回され縋るように抱き着いて離れないでいる。正確に言うなら離せない。自分の性器に纏わり付きじゅごじゅごと扱き上げてくる粘着質で柔らかい水が怖いからだ。陰茎の形にピッタリと密着し中身を出させるように上下に動く。所謂オナホールだがフジは使ったことも見たこともない。新大陸での長い禁欲生活と先ほどエルに高められた刺激も相まってフジはすぐに射精した。
「う、っ、ぁ、ああっ、イッ…く…ッ、んん!」
びく、びくと腰を振るわせ普段よりも多く出た精液はフジの性器に纏わりついていた水の中でぐるり渦巻き飲み込まれていく。
「先ほどの粘性の体液に反応したみたいだな。中身を搾り取ろうとしている動きだ…この湖は前にも人を捕まえたことがあるのかも知れない」
「はぁ…はぁはぁ…そ、そうですか…んん!えっ、ちょ、ま、ああっ!」
「フジ足りないようだ。まだ出せるか?」
「ひ、ぃ、ぁ、まだ、はや…ッ、やだ、まって、ま、ぁ…んんん、はっ、ッ、あ!…イ、っ~~!!」
再びコチュコチュと淫部を包み込み搾り取ろうとする水の塊からの刺激に呆気ないほど簡単に二度目の射精をする自分にフジは愕然とする。元々性欲は薄く自慰行為も二週間に一度するかしないか程度だったのに。連続射精に息も絶え絶えにもう出ない、もう無理、おじさんだからもう無理なんだって…恐々に呟くフジを無視して水は尚も陰茎に纏わりつきじゅぷじゅぷと音を立てて動き続けた。どこで学んだのか先端は細く締め付け、全体を波打つようにぐにゅぐにゅと刺激し、まるで舌で舐めるような動きで裏筋を撫で付ける。
「も…っ、む、り…ぃぃ、っ、あああっ!う、んん、だめ、だめだめ!い"、っ、く…ぅぅう…!」
三度の目の射精と共にポロポロと流れる涙も吸い取られて行く。肩で息をしながらこの様な痴態をエルに見せ付けていることすら理解出来ていないほどフジは気怠さで頭がぼんやりしていたが、突然にゅるにゅると陰茎の先を撫でられ、違和感。
「い"ッ!?…あ"、や…っ、う"…ぁ、こわい、こわい…エルっ、怖い…!」
「どうしたフジ」
「中に、ぁ、水が、ぁ、あ、あ、なか、っ、に…!」
にゅるり、にゅるりと先端から登ってくるヒヤリとした異物。尿道から水が入ってきたのだ。それを止めたくても止める術がわからず、フジは恐ろしさからエルの体を強く抱きしめた。意思を持つ水はゆっくり奥へ奥へと進んで行きとうとう前立腺を掠めた。
「ッ、あ"…!??」
ビクリと肩を跳ねるフジの反応をどう捉えたのか水は進むのを止め後退し、また進み、前立腺を掠めては戻る掠めては戻るを繰り返す。尿道内の違和感と前立腺を撫でられた刺激に、最初は恐怖で青褪めていたフジの顔も段々と頬が赤く染まり快楽の震えへと変わり始める。漏れ出る声が恥ずかしく口を手で抑えようとしてエルに手を掴まれた。グッと手を引くが離してくれず睨み付けるもフルフェイスはうんともすんとも言わない。
「ッ、エル…!あ"あ"ッ、そ、こ…っ、ふ…ぅう、う"、ぃ…なんで、あっ、あっ、ああ!だめ…ッ!」
「声を出した方が楽だ」
「ちがっ、あ…っ、や、ほんとに!だめなんだって、ぇ、うぐぅぅ、っ!ンッ、変な声、でっ…る、あっ、たすけ…ッ、ぁ、あ"あ"ッ!!」
内側から前立腺をトントンと優しく潰されるように叩かれると疑いようもない気持ち良さが腹の奥から競り上がってくる。怖い。こんな快楽は知らない。耐えられない気持ち良さにフジは思わず唇を噛み締めた。
「ぅ、っ、ふっ、…ん"、ッ…ん、くぅ、う"、う"う"ッ!!」
「フジ駄目だ」
「ッ、う、あっ、ひゃ、に…!?」
「唇を噛んだら傷付く」
「は…、あっ、んンッ、へ、え…?」
「噛むなら私の指を噛め」
「ほんな、こ、ぅ…ああ!あ、ひぃ、ぅ…っ、~~~~っ、ああああっ!ひゃめ、ああっ!イ、ッ…うううっ!!!」
口に指を入れられながらコンコンと小刻みに尿道の奥を突かれ体験したことない刺激に戸惑いながらもフジは今までにない程の絶頂した。塞げない口から漏れ出す甘くやらしい嬌声に羞恥で顔から火が噴き出しそうだ。ガクガクと腰があり得ないほど震え膝から落ちそうになるのをエルに抱き留められる。
(…あたま…おかしくなる…)
本当に無理だと泣いてはすぐ涙を吸われ、みっちりと塞がれた尿道から漏れ出す淫液もジュルジュルと水が飲み込んでいく。そうして水量を増やしそれがまた尿道内を圧迫してフジはまた泣いた。怖いのに、気持ち悪いのに、気持ち良い。もうわけがわからない。
「あ…?…ま、って、なに、奥まだ…っ、はっ、あ"っ!?」
前立腺を捏ね終えた異物はにゅるにゅるとその先まで進み出し最奥へ辿り着くとトントンとノックし始める。内側から膀胱を揺さぶられ足元からゾクゾクとしたものが走る。そもそも尿意はあったのだ。それが緊張やら何やらで出なかっただけ。それを中から直接膀胱を突かれ、フジは耐えた、良い歳の大人が、知り合ったばかりの男の前で、そんな、漏らすなんて、そんなこと。
「あ"ッ…あ、っ、だめ、だめだめだめ!だめっ!やだやだ!ま、てぇ、エル!見ないで、あ、くぅぅぅ~~~……ッ!!!!」
じゅぽん!と尿道内を埋めていた水が引き抜かれ溜まっていた尿が勢い良く漏れ出す。じょぼじょぼと湖へと黄色い尿が落ち、びしゃびしゃと自分の足も生暖かい液体で濡れるのがわかった。羞恥よりも解放感の方が強く、その快感に酔いしれ意識がぼんやりとする。
(き、きもち…よかった…)
自分はこんなにもはしたない人間だったのだろうか。尿道を弄られ辱めを受けたのに何度も何度も絶頂し、あまつさえ人前で漏らすなんて。凭れかかったまま顔を上げられない。フジを見るのが怖かった。
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