2 / 20
2「今日はなんか機嫌いい?」
しおりを挟む
入学から一か月――
電車で約1時間かかる通学にもだいぶ慣れてきた。ただ、拓斗、蒼汰、慧汰の3人と過ごすこの空気感にはいまだ馴染めていない。蒼汰と慧汰はもちろんのこと、拓斗と話すときですら、妙な緊張を覚える。
「なぁ、今日どっかで夕飯食べてかない?」
そう話を切り出したのは蒼汰だ。だいたいいつもそう。蒼汰はよく話のきっかけを作りをしてくれる。
「俺、がっつり食いたいし、今日はバイキングがいいな」
慧汰がそのときの気分で場所を提案して、その後、拓斗が俺に声をかけてくれるのがお決まりのパターン。
「実琴も、行くよな」
「うん」
流れでいつも付き合わせてもらっているけど、蒼汰と慧汰から、直接、誘われたことはない。拓斗がいなかったら、俺はたぶんこの2人と仲良くしてなかっただろう。
1人でサークルにでも入ろうか。漫研とか声優に関するサークルがいい。最近はそう考えることも増えてきた。
新しい友達だってできるかもしれないし、この3人と一緒に夕飯に行くことも減るかもしれない。
拓斗はもちろん、蒼汰も慧汰も、すごくいいやつだってのはわかってる。そんな3人に甘えて、結局、だらだら付き合い続けてるんだけど、自分だけ浮いてることが自覚できないほど俺も馬鹿じゃない。
心の中で謝りながら、俺は3人と一緒に大学近くの駅へと向かった。
駅構内にあるレストラン街は、金曜日の夜ということもあって、少し混み合っていた。
「マジで腹減ったわ……」
目当ての店の前に置かれた紙に名前を書きながら、蒼汰がぼやく。
少し待たされてテーブルに通された俺たちは、すぐさま料理を取りに向かった。
「実琴、ミートスパゲティ好きだよね」
近くにいた拓斗が俺に言う。拓斗は俺のことを言い当てるとき、なぜか少し得意げで、勝ち誇ったしゃべり方をする。俺は、拓斗のそのしゃべり方や態度が、昔からちょっと好きだった。
「うん、好き」
こうして俺が肯定すると、拓斗がすごく嬉しそうに笑うから。
「拓斗はハンバーグ食べたいんでしょ」
俺も少しだけ得意げになって言い返す。
「正解」
さすがに味の好みまでは変わっていないらしい。ハンバーグ、オムレツ、チキンライス……拓斗好みの料理で皿が埋まっていく。そんな子供っぽい拓斗の皿を見ていたら、少し安堵感を覚えた。
「実琴、今日はなんか機嫌いい?」
「え、なんで?」
「んー? なんとなくだけど」
昔と変っていない拓斗を垣間見ることができたせいか、少し浮かれているのかもしれない。そんな些細な変化に、拓斗は気づいているんだろうか。もしそうだとしたら、普段、ずっとどこか緊張している俺にも、気づいているのかもしれない。
俺と拓斗が戻る頃には、蒼汰も慧汰もすでに席についていた。ただ、俺たちが座ろうとしている場所には、知らない女の人が2人。
「2人とも、モデルでしょ。ホント、かっこいいよね」
手に持っているのは、お酒だろうか。酔っているのかもしれない。
ちらっと拓斗を窺う。
「どいてもらうしかないね」
拓斗はひとつため息を漏らして、女性に声をかけた。
「すみません、そこ、座りたいんですけど」
「えー、きみもかっこいいじゃない!」
「きみは……」
女性2人の視線が俺に向けられる。
「ああ、マネージャーさん?」
「こんな若いマネージャーいないでしょ。バイトのアシスタントじゃない?」
「友達って感じじゃなさそうだしねー」
もちろんわかってる……俺だけ浮いてることくらい。
こんな風に突きつけられる日が来ることも、予想できなかったわけじゃない。
それなのに、俺は目を背けてしまっていた。
なんだかんだいいやつらだし、せっかく誘ってくれてるし。
だからって、いつまでも甘えてないで、身の程をわきまえておけばよかったと後悔する。
もっと早く別行動していたら、こんな嫌な思いしなくて済んだのに。
ごまかすように笑う俺の隣で、拓斗が答える。
「親友です」
「えー、見えなーい」
優しいはずの拓斗の言葉も、いまは残酷に思えた。親友には見えないって、あたり前のことを言われているだけなのに、なんで傷ついてるんだろう。
やっぱり違う世界の住人だったんだって、改めて理解する。
「あ、俺……スープ取り忘れたから、持ってくる」
テーブルに皿を置いて、俺はその場から一旦、逃げることにした。
そうして逃げてはみたものの、よく考えたら、余計戻りづらくなってしまったかもしれない。拓斗と蒼汰と慧汰と、あの女の人たちで仲良く話でもされたら、俺はどう戻ればいいんだろう。
……帰りたい。もしもまたご飯に誘われたら、今度こそちゃんと断ろう。そんなことを考えながらスープ用のコップを手に伸ばす。
「待った。あれだけ取ったのに、スープも飲んだら、お腹いっぱいになっちゃうよ」
「え……」
いつの間にか近くに来ていた拓斗が、俺の手を止める。
「拓斗……」
「デザートにしよ。プリンは別腹でしょ」
「……うん」
スープを取り忘れたなんて、俺の下手な口実がバレたかどうかはわからないけど、拓斗と一緒にデザートコーナーに向かう。
「実琴、プリン好きだよね」
「うん」
「それなのに、昔、俺が給食のプリン落としちゃって泣きそうになってたら、譲ってくれたよね。覚えてる?」
「そうだっけ……」
覚えていないけど、だいたい想像がつく。俺ならやりそうだ。
「実琴は人に優しくするなんて、当たり前すぎて忘れちゃってるかもしんないけど、俺はめちゃくちゃ嬉しかったんだよね」
拓斗は、プリンをひとつ手に取ると、俺の前に差し出す。
「はい、お返し……ってのも、おかしいか。バイキングだし」
「ううん。ありがとう」
きっと泣きそうな拓斗が見ていられなくて、好きなプリンをあげたんだろう。
さっきまでの俺は、あのときの拓斗と同じで、もしかしたら泣きそうになっていたのかもしれない。拓斗からプリンを受け取ると、もやもやした嫌な気持ちが少し和らいだ。
プリンを手にテーブルへと戻る。そこにはもう、あの女の人たちはいなかった。わざわざ聞くことじゃないのかもしれないけど、つい辺りを見渡してしまう。
「さっきの人たちなら、店員さんに注意してもらって、どっか行ってもらったよ」
気にする俺に気づいた様子で、蒼汰が説明してくれる。
「注意って……」
「俺たち酔っ払いに絡まれて困ってまーす……ってね」
ニヤリと笑いながら、慧汰が付け足す。
「そうだったんだ……」
こういうことは日常茶飯事で、あしらい方にも慣れているのかもしれない。さっきは帰ってしまいたいと思っていたけど、やっぱりもう少し、2人とも仲良くできたら……なんて思うのだった。
電車で約1時間かかる通学にもだいぶ慣れてきた。ただ、拓斗、蒼汰、慧汰の3人と過ごすこの空気感にはいまだ馴染めていない。蒼汰と慧汰はもちろんのこと、拓斗と話すときですら、妙な緊張を覚える。
「なぁ、今日どっかで夕飯食べてかない?」
そう話を切り出したのは蒼汰だ。だいたいいつもそう。蒼汰はよく話のきっかけを作りをしてくれる。
「俺、がっつり食いたいし、今日はバイキングがいいな」
慧汰がそのときの気分で場所を提案して、その後、拓斗が俺に声をかけてくれるのがお決まりのパターン。
「実琴も、行くよな」
「うん」
流れでいつも付き合わせてもらっているけど、蒼汰と慧汰から、直接、誘われたことはない。拓斗がいなかったら、俺はたぶんこの2人と仲良くしてなかっただろう。
1人でサークルにでも入ろうか。漫研とか声優に関するサークルがいい。最近はそう考えることも増えてきた。
新しい友達だってできるかもしれないし、この3人と一緒に夕飯に行くことも減るかもしれない。
拓斗はもちろん、蒼汰も慧汰も、すごくいいやつだってのはわかってる。そんな3人に甘えて、結局、だらだら付き合い続けてるんだけど、自分だけ浮いてることが自覚できないほど俺も馬鹿じゃない。
心の中で謝りながら、俺は3人と一緒に大学近くの駅へと向かった。
駅構内にあるレストラン街は、金曜日の夜ということもあって、少し混み合っていた。
「マジで腹減ったわ……」
目当ての店の前に置かれた紙に名前を書きながら、蒼汰がぼやく。
少し待たされてテーブルに通された俺たちは、すぐさま料理を取りに向かった。
「実琴、ミートスパゲティ好きだよね」
近くにいた拓斗が俺に言う。拓斗は俺のことを言い当てるとき、なぜか少し得意げで、勝ち誇ったしゃべり方をする。俺は、拓斗のそのしゃべり方や態度が、昔からちょっと好きだった。
「うん、好き」
こうして俺が肯定すると、拓斗がすごく嬉しそうに笑うから。
「拓斗はハンバーグ食べたいんでしょ」
俺も少しだけ得意げになって言い返す。
「正解」
さすがに味の好みまでは変わっていないらしい。ハンバーグ、オムレツ、チキンライス……拓斗好みの料理で皿が埋まっていく。そんな子供っぽい拓斗の皿を見ていたら、少し安堵感を覚えた。
「実琴、今日はなんか機嫌いい?」
「え、なんで?」
「んー? なんとなくだけど」
昔と変っていない拓斗を垣間見ることができたせいか、少し浮かれているのかもしれない。そんな些細な変化に、拓斗は気づいているんだろうか。もしそうだとしたら、普段、ずっとどこか緊張している俺にも、気づいているのかもしれない。
俺と拓斗が戻る頃には、蒼汰も慧汰もすでに席についていた。ただ、俺たちが座ろうとしている場所には、知らない女の人が2人。
「2人とも、モデルでしょ。ホント、かっこいいよね」
手に持っているのは、お酒だろうか。酔っているのかもしれない。
ちらっと拓斗を窺う。
「どいてもらうしかないね」
拓斗はひとつため息を漏らして、女性に声をかけた。
「すみません、そこ、座りたいんですけど」
「えー、きみもかっこいいじゃない!」
「きみは……」
女性2人の視線が俺に向けられる。
「ああ、マネージャーさん?」
「こんな若いマネージャーいないでしょ。バイトのアシスタントじゃない?」
「友達って感じじゃなさそうだしねー」
もちろんわかってる……俺だけ浮いてることくらい。
こんな風に突きつけられる日が来ることも、予想できなかったわけじゃない。
それなのに、俺は目を背けてしまっていた。
なんだかんだいいやつらだし、せっかく誘ってくれてるし。
だからって、いつまでも甘えてないで、身の程をわきまえておけばよかったと後悔する。
もっと早く別行動していたら、こんな嫌な思いしなくて済んだのに。
ごまかすように笑う俺の隣で、拓斗が答える。
「親友です」
「えー、見えなーい」
優しいはずの拓斗の言葉も、いまは残酷に思えた。親友には見えないって、あたり前のことを言われているだけなのに、なんで傷ついてるんだろう。
やっぱり違う世界の住人だったんだって、改めて理解する。
「あ、俺……スープ取り忘れたから、持ってくる」
テーブルに皿を置いて、俺はその場から一旦、逃げることにした。
そうして逃げてはみたものの、よく考えたら、余計戻りづらくなってしまったかもしれない。拓斗と蒼汰と慧汰と、あの女の人たちで仲良く話でもされたら、俺はどう戻ればいいんだろう。
……帰りたい。もしもまたご飯に誘われたら、今度こそちゃんと断ろう。そんなことを考えながらスープ用のコップを手に伸ばす。
「待った。あれだけ取ったのに、スープも飲んだら、お腹いっぱいになっちゃうよ」
「え……」
いつの間にか近くに来ていた拓斗が、俺の手を止める。
「拓斗……」
「デザートにしよ。プリンは別腹でしょ」
「……うん」
スープを取り忘れたなんて、俺の下手な口実がバレたかどうかはわからないけど、拓斗と一緒にデザートコーナーに向かう。
「実琴、プリン好きだよね」
「うん」
「それなのに、昔、俺が給食のプリン落としちゃって泣きそうになってたら、譲ってくれたよね。覚えてる?」
「そうだっけ……」
覚えていないけど、だいたい想像がつく。俺ならやりそうだ。
「実琴は人に優しくするなんて、当たり前すぎて忘れちゃってるかもしんないけど、俺はめちゃくちゃ嬉しかったんだよね」
拓斗は、プリンをひとつ手に取ると、俺の前に差し出す。
「はい、お返し……ってのも、おかしいか。バイキングだし」
「ううん。ありがとう」
きっと泣きそうな拓斗が見ていられなくて、好きなプリンをあげたんだろう。
さっきまでの俺は、あのときの拓斗と同じで、もしかしたら泣きそうになっていたのかもしれない。拓斗からプリンを受け取ると、もやもやした嫌な気持ちが少し和らいだ。
プリンを手にテーブルへと戻る。そこにはもう、あの女の人たちはいなかった。わざわざ聞くことじゃないのかもしれないけど、つい辺りを見渡してしまう。
「さっきの人たちなら、店員さんに注意してもらって、どっか行ってもらったよ」
気にする俺に気づいた様子で、蒼汰が説明してくれる。
「注意って……」
「俺たち酔っ払いに絡まれて困ってまーす……ってね」
ニヤリと笑いながら、慧汰が付け足す。
「そうだったんだ……」
こういうことは日常茶飯事で、あしらい方にも慣れているのかもしれない。さっきは帰ってしまいたいと思っていたけど、やっぱりもう少し、2人とも仲良くできたら……なんて思うのだった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜
星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; )
――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ――
“隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け”
音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。
イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜
中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」
大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。
しかも、現役大学生である。
「え、あの子で大丈夫なんか……?」
幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。
――誰もが気づかないうちに。
専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。
「命に代えても、お守りします」
そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。
そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める――
「僕、舐められるの得意やねん」
敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。
その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。
それは忠誠か、それとも――
そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。
「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」
最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。
極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。
これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。
路地裏の王子様と秘密のカフェ ―10年ぶりに再会した親友はトップアイドルでした―
たら昆布
BL
大学生の千秋がバイト帰りの路地裏で助けたのは、今をときめくアイドル『GALAXY』のセンター、レオだった。
以来、レオは変装して千秋の働くカフェへ毎日通い詰めるようになる。
「千秋に会うと疲れなんて全部消えちゃうんだ」
トップアイドルとは思えないほど素直に懐いてくるレオに、千秋は戸惑いながらも多忙な彼を支えたいと願うようになる。
しかし、千秋はまだ知らない。
レオが10年前に「また絶対会おう」と約束して別れた泣き虫な親友の玲央本人だということに。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)
藤吉めぐみ
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。
そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。
けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。
始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる