無自覚な感情に音を乗せて

水無月

文字の大きさ
20 / 20

番外編「ちょっと久しぶりだから、きついなぁ……」(蒼汰×慧汰)慧汰視点

しおりを挟む
「あ……」
「確認したよね。手で擦ったらイッちゃいそうだよって。慧太は、それでもいいって……イッちゃっても、入れさせてくれるってことだと思ったんだけど?」
 もちろん、そういうつもりだったけど。
「待っ……はぁ……まだ……」
 もう少し、待って欲しい。
「さっき、慧汰がたくさん先走り出してくれたから、俺の指、ちょうどぬるぬるだよ。入れるね」
 そう言うと、蒼汰はさっきまで先端を撫でていた指先を、ゆっくり押し込んできた。
「あっ! ああ……ん、んん……」
「はぁ……ちょっと久しぶりだから、きついなぁ……。それともイッたばっかりで、体、強張ってる?」
 イかされて、力は抜けているはずなのに。
 体が勝手に、蒼汰の指を締めつけてるみたい。
「待って……蒼汰……はぁ……あ……イッたばっかで……んん……変な、感じ……する……」
「じゃあ……その変な感じ、受け入れよ?」
 変な感じを受け入れる?
 蒼汰の言ってることが、理解出来なくて、抵抗が遅れる。
 俺が抵抗しないのをいいことに、容赦なくずぶずぶと奥に侵入してきた蒼汰の指先が、ぐっとナカを押さえつけた。
「ぅあっ! んんっ! ああ……あっ……!」
 内側から押し上げられて、反射的により強く、蒼汰の指を締めつけてしまう。
 蒼汰の指の感覚がまざまざと伝わってきて、それと同時に、ナカがきゅううっと疼いた。
「ぁあっ、あっ! なに……これ……!」
「んー……もうちょっと締めるの我慢して、一気に感じた方がいいみたいだけど……どうしても締めちゃうね。でも、大丈夫そうかも」
 大丈夫?
 なにが?
 意味がわからなくて、蒼汰を見あげる。
「慧汰……ドライでイけそう?」
 ドライで……。
 やっと、蒼汰がそのつもりなんだと気づく。
「はぁ……はぁっ……無理……」
「無理じゃないと思うよ。いまだって、イキかけたよね。受け入れてよ」
 普通に2度もイッた後だし、いまはナカで出さずにイキやすくなってるのかもしれない。
 でも、その経験はまだないし、不安の方が勝ってる。
「蒼汰……ぁっ、あっ……いけな……んぅっ、あっ!」
「もう1回……先っぽも弄ってあげるから、ナカ、感じて……」
 蒼汰はそう言うと、這いつくばるようにして俺の亀頭に口づけた。
 そのまま、ちゅうっと吸われて、腰がビクビク震えてしまう。
「んぅんんっ! 蒼汰ぁ……あっ、ああっ……だめ、それぇ……」
「んー……?」
 訴えても、蒼汰がやめてくれる素振りはない。
 先端もナカも、同時に攻められて、妙な感覚に陥っていく。
 じわりと涙が溢れて、視界が歪んだ。
「あぁ……あっ……ん、んぅっ……なんか、くる……!」
「うん……キちゃいそうだね。ナカ……すっごいキツくなってる……」
 わかってもらえて、少しだけ不安が和らぐ。
 それでも蒼汰は、キツくなってるナカを容赦なく指先で何度も押さえつけてきた。
 どう耐えればいいのかわからなくて、蒼汰の髪の毛をきゅっと掴ませてもらう。
「はぁ……あっ……ん、んっ……蒼汰ぁ……ぁあっ、あっ!」
 もっとしっかり、いつもみたいに竿を擦って、出せるように促してくれたら、こんな感覚には陥らなかっただろう。
 それでも、少し前にイッたばかりのモノを自分で擦りあげる気にもなれなくて、ただ、蒼汰にされるがまま、ナカと先端だけを弄られる。
「あっ……んぅっ、あっ、あっ……もぉ、あっ……ああっ」
「うん……いいよ」
「んぅんっ……ああっ、あっ、ん、ああっ、あぁああっ!!」
 より強く、ぐぅうっと押さえつけられた瞬間、一際大きく、体が跳ねた。
「あぁ……ん、んぅ……ああっ……蒼汰……」
「はぁ……先走りはいっぱい出ちゃってるけど……出さずにイけた?」
 イけた。
 いつもとは確実に違う。
 頭がぼんやりして、ナカが熱くて、まだ脈打っていた。
「はぁ……はぁ……ああ……んぅ……いったぁ……」
「うん。まだ気持ちい?」
 頷く俺のナカから、ゆっくりと指が引き抜かれていく。
「ぁあっ、んぅんんっ!」
「ああ、ごめん。刺激強かった?」
 強いけど、だからといってずっと入れっぱなしというわけにもいかない。
 ただもう少し、落ち着いてから抜いてくれてくれたら……いや、いつ落ち着くんだろう。
「はぁ……なに……なんで、こんなこと……」
 まだ体は落ち着いていなかったけど、とりあえず蒼汰に尋ねてみる。
「なんでもなにも……慧汰が先に手でイッてなかったら、いまだって、普通に出してイッてたかもしれないよ」
 つまり、俺のせいだって言いたいんだろうか。
「じゃあ、先に入れて出してたら、ドライでイかせるの、やめてた?」
 そう問いかけると、蒼汰は苦笑いしていた。
「やめなかったかもしれないねー」
「やっぱり……イかせるつもりだったんじゃん」
 そう突っ込む俺をよそに、蒼汰は近くに置いてあったローションの瓶を手に取る。
「待って……もうちょっと……」
「うん。落ち着いてからね」
 どうやら、さすがにここは聞き入れてくれるようだ。
 一安心して、ぼんやりしたまま、余韻に浸っていると――
「……慧汰さー。拓斗にいろいろアドバイスした?」
 思いがけないことを聞かれる。
「アドバイス?」
 そういえば……拓斗は実琴とするのが初めてらしいだから、いろいろ口出ししたのを思い出す。
「したけど、どうせ蒼汰もしたんだろ」
「まあね。それで……拓斗にアドバイスしときながら、慧汰のこと、ちゃんとイかせられてなかったなぁって思って」
 たぶんプライド……ともちょっと違う。
 まるで自分の落ち度を反省してるみたい。
「いや、前からイッてるし。別にドライの方がすごいとかないだろ」
「慧汰には、いろんな種類の気持ちよさ味わって欲しいからね。それが出来てるかどうかは大きいよ」
 そんな風に言われたら、蒼汰のこと悪くは思えない。
 そもそも気持ちよかったし、いいんだけど。
「事前に言ってくれたら、俺だって心構えとか出来るからさ……」
 もし本当に事前に伝えられてたら、どう動いたかわからないけど。
「まあ、最初から絶対、こっちでイかせようとか思ってたわけじゃないしね。それより、慧汰、事前になんの報告もなく、拓斗にゴムあげちゃったよね?」
「あ……」
 少し前、拓斗に1箱あげたんだったと思い出す。
 あとで伝えておこうとか、買い足しておこうって思ってたんだけど……。
「さっき見たら在庫なくなってたんだけど。そんなにナマでしたいなら、言ってくれたらいいのに」
「違ぇよ。買い忘れただけ」
「そういうことにしとく?」
「しとくとかじゃなく、マジでそうだから」
 とはいえ、いまから買いに行くのもなんだし。
 こうなってもいいって、心のどこかで思っていたのかもしれない。
「……蒼汰……そろそろ落ち着いてきたんだけど」
「全然、落ち着いてなさそー。でもこれ以上、待たされるのも厳しいって思ってたとこ」
 そう言いながら、蒼汰は嬉しそうにローションの蓋を外すのだった。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ゆあ
2023.10.29 ゆあ

すごい良かったです!思わず一気読みしてしまいました笑
慧汰と蒼汰のお話も読みたいです…!

2023.11.07 水無月

ありがとうございます!
一気に読んで貰えて嬉しいです。
慧汰と蒼汰のことも気にかけてくださり、ありがとうございます。
2人の小話、追加しました。
また機会があれば、続きや番外編も考えたいです。

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!

中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。 無表情・無駄のない所作・隙のない資料―― 完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。 けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。 イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。 毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、 凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。 「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」 戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。 けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、 どこか“計算”を感じ始めていて……? 狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ 業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜

中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」 大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。 しかも、現役大学生である。 「え、あの子で大丈夫なんか……?」 幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。 ――誰もが気づかないうちに。 専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。 「命に代えても、お守りします」 そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。 そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める―― 「僕、舐められるの得意やねん」 敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。 その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。 それは忠誠か、それとも―― そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。 「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」 最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。 極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。 これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。

路地裏の王子様と秘密のカフェ ―10年ぶりに再会した親友はトップアイドルでした―

たら昆布
BL
大学生の千秋がバイト帰りの路地裏で助けたのは、今をときめくアイドル『GALAXY』のセンター、レオだった。 以来、レオは変装して千秋の働くカフェへ毎日通い詰めるようになる。 ​「千秋に会うと疲れなんて全部消えちゃうんだ」 トップアイドルとは思えないほど素直に懐いてくるレオに、千秋は戸惑いながらも多忙な彼を支えたいと願うようになる。 ​しかし、千秋はまだ知らない。 レオが10年前に「また絶対会おう」と約束して別れた泣き虫な親友の玲央本人だということに。

うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)

藤吉めぐみ
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。 そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。 けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。 始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。