無自覚な感情に音を乗せて

水無月

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番外編「めちゃくちゃ興奮してるよ」(蒼汰×慧汰)慧汰視点

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 まだ体が落ち着いていない中、蒼汰とキスをしたせいか、少し息苦しい。
「はぁ……」
「していい?」
 イスに座る俺を見おろしながら、蒼汰が尋ねる。
「うん……」
 当然、自分だけ気持ちよくなって終わろうなんてつもりはない。
 結局、まだあんまり触られてないし。
 蒼汰は俺の体を抱きかかえると、そのままベッドに運んでくれた。
 仰向けに寝転がる俺の足から、ズボンと下着を引き抜かれていく。
「あれ……慧汰、また勃ってる?」
「……最近してなかったし」
 たぶん1週間くらいしてなかったと思う。
 なんとなくタイミングが合わなかったり、他にやることがあったりで、別に深い理由とかないけど。
「でも、さっきイッたばっかじゃん」
「1回だけだろ。その後、キスだってしたし」
 つい思ったことを素直に言ってしまうと、蒼太が笑みを浮かべながら、俺に覆いかぶさってきた。
「キスで勃っちゃったんだ?」
「……蒼汰も、勃ってんじゃん」
 寝転がったまま、蒼汰の股間に手を這わす。
 そこは、ズボンの上からでもわかるくらい硬くなっていて、触れていると、ますますその気にさせられる。
「俺はまだ1回もイッてないしね」
 蒼汰はそう言うと、猛り切った自分のモノを取り出して、俺のモノに押し当ててきた。
「ん……」
 手で触られるより優しい……というより、ぬるいくらいの刺激でしかないはずなのに、それが蒼汰のモノだと思うと、敏感に感じ取ってしまう。
「蒼汰……」
「慧汰、腰浮いてる」
「ん……」
「待って。俺もちゃんと脱ぐから」
「うん……」
 触れあっていたモノが離れてしまうと、たった少しの時間でも、喪失感を覚えた。
 こんなの、焦らされているうちに入らないのに。
 しばらくしていないせいか、さっき焦らされたせいか、もどかしい。
 蒼汰がズボンと下着を脱ぐ間、俺は、みっともなく足を開いて待ってしまっていた。
 蒼汰はなにも言わないけど、俺がなにを望んでいるのかわかっている様子で、足の間へと体を割り込ませる。
 またお互いのモノが触れ合いそうで、たまらず自分から腰を寄せた。
「ん……」
 熱と熱が触れ合う中、蒼汰は俺を見おろしながら、今度は着ているシャツに手をかける。
 そんなのもう、どうでもいいのに。
 服を脱ぐ時間くらい待てないのかって、自分でもそう思う。
 蒼汰は楽しそうに笑いながら、俺の目の前でゆっくり上に着ていたシャツを脱いだ。
「はぁ……」
 俺は待ちきれなくて、自分が上に着ていたシャツはそのままに、触れあっていたモノを蒼汰に撫でつける。
「ん……ぅ……」
 別に、蒼汰が腰を揺らすか、俺が腰を揺らすかの違いでしかない。
 恥ずかしいことをしているわけじゃないのに、俺が下になっているせいか、すごく乱れているような気がした。
 実際、乱れてるのか。
 腰を揺らすたび、蒼汰の熱が俺の熱に伝わってくる。
「はぁ……ん……ん……んん……蒼汰……」
「んー……慧汰もシャツ脱ぐ?」
 そんなこと、俺が気にしてないってわかってるくせに。
 体を起こして、脱ぐ作業すらわずらわしい。
 小さく首を横に振って、蒼汰と俺のモノ、2本まとめて右手で掴む。
「ぁ……ふぅ……」
 さっきよりも、ぴったりくっついている。
 でも、また俺の手だ。
 蒼汰の手じゃない。
 そう思っていると、蒼汰の右手も、俺たちのモノを掴んでくれた。
「あ……」
「手で擦っちゃったら、俺も慧汰もイッちゃいそうだけど」
「ん……いい……」
「俺は慧汰のナカ、入れたいよ」
 入れられたい。
 でも、いま与えられている快感を手離す気になれない。
「蒼汰……1回で満足……すんの?」
「まあ、俺は2回でも3回でも大丈夫だけど。慧汰がその気なら……」
 考えがまとまったのか、掴むだけで止まっていた蒼汰の手が、ゆっくりと動き出す。
 根元から、先端に向かって、快感を引き出すように。
「ぁ……ん……ん……はぁ……ん……!」
 何度も何度も擦られて、腰を揺らしながら、俺も手を動かしていく。
 気を抜いたら、はしたない声が漏れそうなくらい気持ちいい。
 別に声くらい、いまさら聞かれても構わないけど、同じことをしていて俺だけこんなに余裕がないのは、ちょっと引っかかる。
 蒼汰だって、同じ刺激を得ているはずなのに。
「はぁ……蒼汰……んん……気持ちいい?」
「うん。気持ちいいよ……」
 さっきよりも蒼汰のモノが大きくなっていることには気づいていた。
 それでも、どこか温度差を感じてしまう。
「俺だけ……はぁ……ぁ……ん、こんな……あっ!」
 不満を洩らしかけたけど、言い切るより先に、蒼汰の左手の指が俺の先端に触れて、腰が小さく跳ねた。
「俺もめちゃくちゃ興奮してるよ。でも、慧汰の方が感度いいんだから、仕方ないよね」
 感度に差なんて、そんなにないと思ってた。
 けど、いまはもうわからない。
 いくら似た者同士とはいえ、俺は蒼汰じゃないし、違う人間だ。
 それに、圧倒的に俺の方が蒼汰に触られて、撫でられて、かわいがられている。
 以前に比べて、感度があがっている自覚はあった。
 あらためて意識させられた瞬間、まるで弱い電流でも流されたみたいに、体がぞわぞわしてきた。
「ぁ……あっ……んぅ……んっ!」
「すっごい出てきた……先走り」
 蒼汰の指先が、先端をトントンと軽くノックするたび、糸を引いているのが視界に入る。
「んんっ……それ……や……」
「ん……糸引いちゃうの、いや? じゃあ……塗りつけとく?」
 気遣うような言い回しだけれど、企んでる声。
 蒼汰を見あげると、やっぱり俺を見て笑っていた。
 今度は、先走りを塗りつけるみたいに、先端で円を描かれる。
「あっ……ぁあっ……蒼汰……だめ……!」
「なにがだめ? 教えてよ」
 わかってるくせに。
 でも、わかってて言わせたいこともわかってた。
「はぁ……そこ……んんっ……そこぉ、弱いから……」
「敏感なんだよね。すごい……どんどん溢れてくる」
 あいかわらず、蒼汰は右手で俺たちのを擦ったまま、ぬるついた指で、俺の亀頭を撫でる。
「んっ……ぁっ、んっ! んんっ……あっ、あっ……んん、ぃく……」
「なに?」
「ああっ……いくって……んんっ……んぅんんんっ!!」
 体が跳ねて、そのまま蒼汰の手でイかされてしまう。
 俺だけ。
 申し訳ないような、悔しいような……でも、気持ちいい。
 頭も働かないし、体を動かすのもめんどくさい。
 そんな俺から、蒼汰は少しだけ体を離すと、奥の窄まりに指を這わせてきた。
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