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中島琴乃の場合
【1】
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「なんでっ……!どうして!」
中島琴乃は泣き叫んで、その場に崩れ落ちた。こんなの、あんまりだ。
Springが、解散するなんて。よりによって、これからって時に!
琴乃がSpringの解散を知ったのは、ライブ会場だった。ドームの、スタンド席。
後ろの席では、オタ友であろう歳の離れた二人組が、これ現実ですかね?どうなんでしょう、なんて会話をしている。どうしてそんなに冷静でいられるのか、琴乃には全然分からなかった。
なんで、十三周年で解散?せめて十五周年までできなかったわけ?奨太くんはずっと、ドームツアーが終わったら、国立を目指すって言ってたのに!
「奨太くん……!」
琴乃は推しである弥生奨太の顔が描かれた団扇をぎゅっと握り締め、何とか立ち上がり、彼の名前を叫んだ。
センターステージからSpringのメンバーが立ち去ると、狙ったように照明が落ちた。さあ、もう終わりだぞと言いたそうに。
嫌だ、嫌だよ。どうして!どうして、奨太くんはいつも、全部背負わされるの?どうして解散発表の言葉すら、奨太くんに言わせたの?奨太くんの努力は、どうしていつも報われないの?
琴乃の目から涙が溢れた。Springに、弥生奨太に会うために作り上げたメイクも、ボロボロになってしまっている。
退場を促すアナウンスが何度流れても、琴乃は会場の外に出られなかった。全身の力が抜けて、足が動かないのだ。
ただ真っ直ぐにステージを見つめたまま、動けない。
それでもスタッフが急かしてくるから、琴乃はおぼつかない足取りで会場の外に出た。
そのあとどうやって家に帰って来れたのか、琴乃は今でも思い出せない。
♢
琴乃は知っている。人は見た目や他人からの評価で判断してはいけないことを。
その人自身を見てもらえず、見た目や他人からの表面的な評価で勝手な印象を持たれ、損をしている人間。それが琴乃の推し、弥生奨太だ。
琴乃は最初、奨太のことが嫌いだった。チャラいし、かっこつけてるし。なんかよく熱愛報道で見かけるし。そんなイメージしかなかったから。
そのイメージが変わったのは、三年前。大学で友達と話している時のことだった。
「琴乃ってさ、Springで選ぶなら誰が好き?」
大学生の頃、世間ではSpringが流行っていた。だから詳しくはないけど、琴乃も名前くらいは知っている。そんな感じ。
「うーん。春田和樹?なんか真面目そう」
「やば、やっぱオタク以外からはそう見えてるんだ」
「どうゆう意味?」
琴乃は適当に、大卒で好青年、真面目なイメージのある春田の名前を出した。でもなんだか、友達は嫌そうな顔をする。
「あの人さ、まじでイメージ詐欺だから。これ見て」
友達は琴乃の方にSNSの画面を見せると、そこには衝撃的な画像が載せられていた。
「は!?え、これ合成とかじゃなくて?」
「まじ。というか、私も見たことあるから」
うわぁ。最低。
琴乃は手に持っていたコーヒーをゴクリと飲み込みながら、目を丸くした。そこに写っていたのは、ネオンライト輝く夜の街で、楽しそうに女性達と過ごす春田の姿だったから。
「なんかさー。世間的に遊んでるって言われてる弥生がかわいそうって思う。真実はこうなのに。まあ、私は村崎推しだから今更Springがどうなろうと知らないけどさ。春田よりも弥生とか藤の方がよっぽど真面目なのに」
友達は、デビューからわずか二年でグループを脱退した元Springのメンバー、村崎桜輝のファンだった。元々は同じグループだったから、今でも様子が気になるのかもしれない。
「へえ、調べてみようかな、Spring。なんか最近流行ってるし覚えておいて損はないでしょ?」
「何、興味持った感じ?古い雑誌とかCDなら貸せるから言って、琴乃がアイドルにハマるとは思えないけど」
「私もそう思うわ」
琴乃は近くにあったゴミ箱にコーヒーのカップを投げ捨てながら、笑った。
この時はまだ、本当にSpringを、弥生奨太を推すようになるなんて思いもしなかったのだから。
♢
「Springのプロフィールページ、これか」
琴乃は家に帰ると、早速パソコンを開いてSpringについて調べ始めた。その中でも特に、友達が話していた春田和樹と弥生奨太について。
二人は調べれば調べるほど正反対。事務所に入ってからデビューまでにかかった期間も、春田は八年、弥生は半年。年齢も五歳差で、Springのメンバーの中では最年長と最年少。大卒の春田と、高校中退の弥生。それなのに、グループのリーダーはなぜか弥生奨太の方だった。
「……変なの」
公式の情報から得られることなんて、それくらいだった。後は、Springというグループ名の由来が、メンバー全員の名前に春に関する漢字が入っていること。
でもそれなら、更に春田がリーダーではないことが謎だ。だって、春だし。
琴乃は調べれば調べるほど気になることが増えすぎて、村崎推しの友達に電話をかけた。
『琴乃、どうした?』
「Springのリーダーってなんで弥生なの?」
『ほんとに調べてたんだ』
友達はケラケラと楽しそうに笑って、パフォーマンス見れば分かるよと続けた。
「パフォーマンスって、ライブ映像のこと?」
『そう、暇なら村崎と弥生が出てた舞台の映像とかも見てほしいかも。やばいから。あ、明日持ってくよDVD。村崎いた頃のやつだけど』
「助かる。いいの?」
『村崎推しの一人として布教活動してるだけだから気にしないで!』
最後は何を言っているのかよく分からなかったが、とりあえず映像が見れることになった。
琴乃は電話を切って、パソコンを閉じる。
SNSで検索してみるとどうなんだろ。アイドルのオタクって治安悪いイメージあるけど。
怖いもの見たさで、琴乃はスマホを手にとって、SNSを開く。そこに流れてきた投稿文は、想像以上に闇が深そうだった。
【Spring十周年だよ!ライブ発表まだ?運営クソすぎ】
【五周年の時みたいに弥生が何かやらかしそう】
【リアコキラー春田の女遊びバレたら終了。まじ上手くやってくれ……】
【村崎も落ちたよね、脱退からのデキ婚】
【藤の弟デビュー?やばwコネもここまで】
【三十五歳の壁、年長合わせなら解散近いから脱退してくれないかな】
【菜原の彼女っぽい垢ってどれだっけ?】
【梅田が事務所の役員になった話、ガチならやばくね?】
うん、闇が深い。
琴乃はSNSをそっと閉じて、やっぱりアイドルは好きになれないなと思った。
本人達がどうというよりは、オタクが怖い。アイドルのプライベートまで詮索して、嘘か本当か分からない話を好き勝手に騒ぐ。
あの輪の中には、混ざりたくない。
きっと、明日友達にDVDを借りたところでSpringにハマるなんてことはないだろうな。
この時は本気で、そう思っていた。
中島琴乃は泣き叫んで、その場に崩れ落ちた。こんなの、あんまりだ。
Springが、解散するなんて。よりによって、これからって時に!
琴乃がSpringの解散を知ったのは、ライブ会場だった。ドームの、スタンド席。
後ろの席では、オタ友であろう歳の離れた二人組が、これ現実ですかね?どうなんでしょう、なんて会話をしている。どうしてそんなに冷静でいられるのか、琴乃には全然分からなかった。
なんで、十三周年で解散?せめて十五周年までできなかったわけ?奨太くんはずっと、ドームツアーが終わったら、国立を目指すって言ってたのに!
「奨太くん……!」
琴乃は推しである弥生奨太の顔が描かれた団扇をぎゅっと握り締め、何とか立ち上がり、彼の名前を叫んだ。
センターステージからSpringのメンバーが立ち去ると、狙ったように照明が落ちた。さあ、もう終わりだぞと言いたそうに。
嫌だ、嫌だよ。どうして!どうして、奨太くんはいつも、全部背負わされるの?どうして解散発表の言葉すら、奨太くんに言わせたの?奨太くんの努力は、どうしていつも報われないの?
琴乃の目から涙が溢れた。Springに、弥生奨太に会うために作り上げたメイクも、ボロボロになってしまっている。
退場を促すアナウンスが何度流れても、琴乃は会場の外に出られなかった。全身の力が抜けて、足が動かないのだ。
ただ真っ直ぐにステージを見つめたまま、動けない。
それでもスタッフが急かしてくるから、琴乃はおぼつかない足取りで会場の外に出た。
そのあとどうやって家に帰って来れたのか、琴乃は今でも思い出せない。
♢
琴乃は知っている。人は見た目や他人からの評価で判断してはいけないことを。
その人自身を見てもらえず、見た目や他人からの表面的な評価で勝手な印象を持たれ、損をしている人間。それが琴乃の推し、弥生奨太だ。
琴乃は最初、奨太のことが嫌いだった。チャラいし、かっこつけてるし。なんかよく熱愛報道で見かけるし。そんなイメージしかなかったから。
そのイメージが変わったのは、三年前。大学で友達と話している時のことだった。
「琴乃ってさ、Springで選ぶなら誰が好き?」
大学生の頃、世間ではSpringが流行っていた。だから詳しくはないけど、琴乃も名前くらいは知っている。そんな感じ。
「うーん。春田和樹?なんか真面目そう」
「やば、やっぱオタク以外からはそう見えてるんだ」
「どうゆう意味?」
琴乃は適当に、大卒で好青年、真面目なイメージのある春田の名前を出した。でもなんだか、友達は嫌そうな顔をする。
「あの人さ、まじでイメージ詐欺だから。これ見て」
友達は琴乃の方にSNSの画面を見せると、そこには衝撃的な画像が載せられていた。
「は!?え、これ合成とかじゃなくて?」
「まじ。というか、私も見たことあるから」
うわぁ。最低。
琴乃は手に持っていたコーヒーをゴクリと飲み込みながら、目を丸くした。そこに写っていたのは、ネオンライト輝く夜の街で、楽しそうに女性達と過ごす春田の姿だったから。
「なんかさー。世間的に遊んでるって言われてる弥生がかわいそうって思う。真実はこうなのに。まあ、私は村崎推しだから今更Springがどうなろうと知らないけどさ。春田よりも弥生とか藤の方がよっぽど真面目なのに」
友達は、デビューからわずか二年でグループを脱退した元Springのメンバー、村崎桜輝のファンだった。元々は同じグループだったから、今でも様子が気になるのかもしれない。
「へえ、調べてみようかな、Spring。なんか最近流行ってるし覚えておいて損はないでしょ?」
「何、興味持った感じ?古い雑誌とかCDなら貸せるから言って、琴乃がアイドルにハマるとは思えないけど」
「私もそう思うわ」
琴乃は近くにあったゴミ箱にコーヒーのカップを投げ捨てながら、笑った。
この時はまだ、本当にSpringを、弥生奨太を推すようになるなんて思いもしなかったのだから。
♢
「Springのプロフィールページ、これか」
琴乃は家に帰ると、早速パソコンを開いてSpringについて調べ始めた。その中でも特に、友達が話していた春田和樹と弥生奨太について。
二人は調べれば調べるほど正反対。事務所に入ってからデビューまでにかかった期間も、春田は八年、弥生は半年。年齢も五歳差で、Springのメンバーの中では最年長と最年少。大卒の春田と、高校中退の弥生。それなのに、グループのリーダーはなぜか弥生奨太の方だった。
「……変なの」
公式の情報から得られることなんて、それくらいだった。後は、Springというグループ名の由来が、メンバー全員の名前に春に関する漢字が入っていること。
でもそれなら、更に春田がリーダーではないことが謎だ。だって、春だし。
琴乃は調べれば調べるほど気になることが増えすぎて、村崎推しの友達に電話をかけた。
『琴乃、どうした?』
「Springのリーダーってなんで弥生なの?」
『ほんとに調べてたんだ』
友達はケラケラと楽しそうに笑って、パフォーマンス見れば分かるよと続けた。
「パフォーマンスって、ライブ映像のこと?」
『そう、暇なら村崎と弥生が出てた舞台の映像とかも見てほしいかも。やばいから。あ、明日持ってくよDVD。村崎いた頃のやつだけど』
「助かる。いいの?」
『村崎推しの一人として布教活動してるだけだから気にしないで!』
最後は何を言っているのかよく分からなかったが、とりあえず映像が見れることになった。
琴乃は電話を切って、パソコンを閉じる。
SNSで検索してみるとどうなんだろ。アイドルのオタクって治安悪いイメージあるけど。
怖いもの見たさで、琴乃はスマホを手にとって、SNSを開く。そこに流れてきた投稿文は、想像以上に闇が深そうだった。
【Spring十周年だよ!ライブ発表まだ?運営クソすぎ】
【五周年の時みたいに弥生が何かやらかしそう】
【リアコキラー春田の女遊びバレたら終了。まじ上手くやってくれ……】
【村崎も落ちたよね、脱退からのデキ婚】
【藤の弟デビュー?やばwコネもここまで】
【三十五歳の壁、年長合わせなら解散近いから脱退してくれないかな】
【菜原の彼女っぽい垢ってどれだっけ?】
【梅田が事務所の役員になった話、ガチならやばくね?】
うん、闇が深い。
琴乃はSNSをそっと閉じて、やっぱりアイドルは好きになれないなと思った。
本人達がどうというよりは、オタクが怖い。アイドルのプライベートまで詮索して、嘘か本当か分からない話を好き勝手に騒ぐ。
あの輪の中には、混ざりたくない。
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