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黒木楓の場合
【3】
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舞台の帰り道、楓は今日の公演を思い出しながら駅へと歩いていた。
基本的にニコニコとしている楓だが、なぜか表情は暗い。
舞台の内容は、とても素晴らしかった。村崎の演技は最高なのだから、それは当然。ただ、問題は終演後のトークコーナーで起こった。
村崎は舞台の感想や感謝を述べて深くお辞儀した後、ニヤリと笑ってこんなことを言った。
『えー、Spring解散の話をお望みの皆様に発表がございます。私事ですが、村崎桜輝はこの度、離婚しました。まあ、後から文書でも出しますけどね。この場をお借りして、先に言っておこうと思って。それから、今後楽しいことが沢山起こりますので、お楽しみに!』
開場中が、騒ぎになった。
楓は駅に辿り着くと、真顔で電車に乗り込む。この場所に来る時とは違い、帰りの電車は混雑していた。
離婚、って言ったよね。村崎。なんで?デキ婚のはずが相手の嘘だったって報道が本当だったってこと?でもその後、何年間も一緒にいたのに?何でこのタイミングで?
いつもなら面白い!で終わる村崎のプライベートな報告が、楓にはどうしようもなく引っかかった。
かつて村崎がSpringを脱退した時のことが、思い出されるからかもしれない。
♢
『えー、俺、村崎桜輝は、Springを脱退します!あと、結婚します!今まで応援、ありがとうございました。これからもSpringをよろしくお願いします!』
村崎がその言葉を放ったのは、楓が母親と一緒に生放送の音楽特番を見ていた時だった。
楓は彼が脱退した年、高校受験を控えていた。その放送を見たのは受験勉強の合間で、唯一の息抜きくらいの気持ちで、何日も前から放送を楽しみにしていたもの。それなのに。
「……脱退、するんだ。結婚も?あはは、さすが村崎。前代未聞だよね、そんなアイドル。面白い。面白いね、お母さん。面白いね、面白い人だね、村崎は。面白いね」
熱愛報道も、失言による炎上も、何とも思わなかった。本気で面白いと思ったくらいだ。それでも、彼が脱退を発表したその時だけは、楓もショックで、涙を流した。
狂ったように面白いと繰り返しながら涙を流す楓を、母親は何も言わずに放っておいてくれた。推しは違えどオタク同士、少しは気持ちを分かってくれたのかもしれない。
「楓の推し、脱退するの?大丈夫?」
「昨日の音楽特番見た?すぐに楓の顔が浮かんでさ、今日学校来ないかと思ったよ」
「正直、弥生くんじゃなくて良かったかも!あ、ごめん。楓は村崎推しだったよね……」
「村崎桜輝って楓の推しだよね、デキ婚で脱退って話、マジ?」
何が辛いのか自分でも整理がつかないまま、泣いて泣いて泣き腫らして、それで翌日学校に行ったらこれだ。受験生でストレスが溜まっていたこともあるかもしれない。本気で楓を心配してくれたのかもしれない。でも、楓はその時、ただ放っておいて欲しかった。
「うん、そうだよ。私の推し脱退するんだって。デキ婚かどうかは知らないけど、結婚はするって言ってたね。村崎らしいっていうか、やっぱり面白いよね!」
楓はいつものようにケラケラと笑って気にしていないフリをしていたけど、あの時の感情を忘れることはない。
受験勉強なんて手につくはずもなく、村崎の今後についても分からないまま過ごした日々。
それでも志望校に合格できたのは、運が良かったからだと思っている。
♢
離婚、するのか。Springを脱退してまで結婚したかった相手と、Springが解散するタイミングで、離婚。
混雑した電車に揺られながら、楓は何ともいえない気持ちと戦っていた。
村崎がデキ婚だったと週刊誌で報道された時も、その相手が嘘をついていて結局子供はできていなかったことが報道された時も、楓は面白いなとしか思わなかった。でも離婚するなら、何だかモヤモヤする。
どうせ離婚するなら、あの時結婚せずにSpringにいたら良かったのでは?とか思うのは、ファン失格なんだろうなー。
村崎はSpringを脱退してから、約一年間活動を休止した。その間にも育児休暇とかニート生活とかヒモ男に降格とか好き放題言われ、その後活動復帰しても、今までのように活躍できずに苦しい時期を過ごしていた。
Spring時代は弥生と並ぶほど大人気だったはず。それなのに、グループを脱退したせいで活動する場所がなくなった。最初はSpringのデビュー当時のように握手会をする程度の活動から再開して、またゼロから這い上がって、今がある。
でも離婚するなら、脱退しなかったのなら、その苦労はしなくて良かったのでは……?
そんなことを考えているうちに、電車は最寄駅に着いた。バタバタと電車を降りて、ホームでスマホを開く。夫に【駅に着いた!帰る!】と連絡を入れると、そのまま流れるように指先を動かし、SNSを確認した。
【藤の弟、生放送でコメント無しっぽいね。事務所に守られてる人は違うなー】
【藤くんの記事読んじゃった。不仲とかバンド結成とか、そんなわけないよね】
あれ、村崎の離婚、話題になってないの?藤の記事って何?
楓は首を傾げて、画面をスクロールしていく。するとすぐに、一つの記事が見つかった。
【藤奏多、事務所移籍&バンド結成!バンドのコンセプトはまさかのヤンキー系!?】
何これ、面白い!
記事をクリックして内容を読みながら、楓はふふっと笑った。まだ噂の段階ではあるが、藤奏多はヤンキー系のバンドをやるらしい。
藤、昔から本格的なロックとかラップやってみたいって言ってたもんなー。そっか、あれ、もしかして村崎がさっき言ってた今後楽しいことが沢山起こるって、これのこと?
藤と村崎は、比較的仲が良かった。数ヶ月前には一緒にご飯に行ったと分かる匂わせ発言もしていたし、何か知っていたのかもしれない。
【村崎桜輝、舞台千秋楽で離婚を発表】
藤奏多の記事の終わりに、関連する記事の一つとして小さくその文章が掲載されていた。
楓はさっきまでのモヤモヤが嘘のように、笑ってしまった。なんだ、世間的には村崎の離婚って、こんなにちっぽけなものなんだと思ったから。
楓はスマホを閉じてカバンの中に入れると、自宅に向かって歩き出した。
♢
【舞台見に来てくれたみんな、ありがとー!改めて俺、離婚しました。後、今後の準備があるから二ヶ月くらい活動休止?するね!まじで楽しみにしてて!俺さ、今、人生で一番ワクワクしてるから!】
はい?
楓は寝る直前、スマホを開いて村崎のSNSをチェックしていた。すると彼の投稿文に書かれていたのは、これ。楓はただ、ポカンとした。
ん?いや、離婚は知ってるからいいとして、二ヶ月活動休止って何?そんな軽い感じで発表していいものなのか?これ。
村崎の突拍子もない行動には慣れているとはいえ、楓の頭の中にハテナマークが浮かんでいく。
Springが解散した瞬間から、何だか元メンバーのところにまで想像以上に余波が広がっている気がする。
何だか気になるけれど、時計を見るともう深夜だ。楓はとりあえず、眠ることにした。
基本的にニコニコとしている楓だが、なぜか表情は暗い。
舞台の内容は、とても素晴らしかった。村崎の演技は最高なのだから、それは当然。ただ、問題は終演後のトークコーナーで起こった。
村崎は舞台の感想や感謝を述べて深くお辞儀した後、ニヤリと笑ってこんなことを言った。
『えー、Spring解散の話をお望みの皆様に発表がございます。私事ですが、村崎桜輝はこの度、離婚しました。まあ、後から文書でも出しますけどね。この場をお借りして、先に言っておこうと思って。それから、今後楽しいことが沢山起こりますので、お楽しみに!』
開場中が、騒ぎになった。
楓は駅に辿り着くと、真顔で電車に乗り込む。この場所に来る時とは違い、帰りの電車は混雑していた。
離婚、って言ったよね。村崎。なんで?デキ婚のはずが相手の嘘だったって報道が本当だったってこと?でもその後、何年間も一緒にいたのに?何でこのタイミングで?
いつもなら面白い!で終わる村崎のプライベートな報告が、楓にはどうしようもなく引っかかった。
かつて村崎がSpringを脱退した時のことが、思い出されるからかもしれない。
♢
『えー、俺、村崎桜輝は、Springを脱退します!あと、結婚します!今まで応援、ありがとうございました。これからもSpringをよろしくお願いします!』
村崎がその言葉を放ったのは、楓が母親と一緒に生放送の音楽特番を見ていた時だった。
楓は彼が脱退した年、高校受験を控えていた。その放送を見たのは受験勉強の合間で、唯一の息抜きくらいの気持ちで、何日も前から放送を楽しみにしていたもの。それなのに。
「……脱退、するんだ。結婚も?あはは、さすが村崎。前代未聞だよね、そんなアイドル。面白い。面白いね、お母さん。面白いね、面白い人だね、村崎は。面白いね」
熱愛報道も、失言による炎上も、何とも思わなかった。本気で面白いと思ったくらいだ。それでも、彼が脱退を発表したその時だけは、楓もショックで、涙を流した。
狂ったように面白いと繰り返しながら涙を流す楓を、母親は何も言わずに放っておいてくれた。推しは違えどオタク同士、少しは気持ちを分かってくれたのかもしれない。
「楓の推し、脱退するの?大丈夫?」
「昨日の音楽特番見た?すぐに楓の顔が浮かんでさ、今日学校来ないかと思ったよ」
「正直、弥生くんじゃなくて良かったかも!あ、ごめん。楓は村崎推しだったよね……」
「村崎桜輝って楓の推しだよね、デキ婚で脱退って話、マジ?」
何が辛いのか自分でも整理がつかないまま、泣いて泣いて泣き腫らして、それで翌日学校に行ったらこれだ。受験生でストレスが溜まっていたこともあるかもしれない。本気で楓を心配してくれたのかもしれない。でも、楓はその時、ただ放っておいて欲しかった。
「うん、そうだよ。私の推し脱退するんだって。デキ婚かどうかは知らないけど、結婚はするって言ってたね。村崎らしいっていうか、やっぱり面白いよね!」
楓はいつものようにケラケラと笑って気にしていないフリをしていたけど、あの時の感情を忘れることはない。
受験勉強なんて手につくはずもなく、村崎の今後についても分からないまま過ごした日々。
それでも志望校に合格できたのは、運が良かったからだと思っている。
♢
離婚、するのか。Springを脱退してまで結婚したかった相手と、Springが解散するタイミングで、離婚。
混雑した電車に揺られながら、楓は何ともいえない気持ちと戦っていた。
村崎がデキ婚だったと週刊誌で報道された時も、その相手が嘘をついていて結局子供はできていなかったことが報道された時も、楓は面白いなとしか思わなかった。でも離婚するなら、何だかモヤモヤする。
どうせ離婚するなら、あの時結婚せずにSpringにいたら良かったのでは?とか思うのは、ファン失格なんだろうなー。
村崎はSpringを脱退してから、約一年間活動を休止した。その間にも育児休暇とかニート生活とかヒモ男に降格とか好き放題言われ、その後活動復帰しても、今までのように活躍できずに苦しい時期を過ごしていた。
Spring時代は弥生と並ぶほど大人気だったはず。それなのに、グループを脱退したせいで活動する場所がなくなった。最初はSpringのデビュー当時のように握手会をする程度の活動から再開して、またゼロから這い上がって、今がある。
でも離婚するなら、脱退しなかったのなら、その苦労はしなくて良かったのでは……?
そんなことを考えているうちに、電車は最寄駅に着いた。バタバタと電車を降りて、ホームでスマホを開く。夫に【駅に着いた!帰る!】と連絡を入れると、そのまま流れるように指先を動かし、SNSを確認した。
【藤の弟、生放送でコメント無しっぽいね。事務所に守られてる人は違うなー】
【藤くんの記事読んじゃった。不仲とかバンド結成とか、そんなわけないよね】
あれ、村崎の離婚、話題になってないの?藤の記事って何?
楓は首を傾げて、画面をスクロールしていく。するとすぐに、一つの記事が見つかった。
【藤奏多、事務所移籍&バンド結成!バンドのコンセプトはまさかのヤンキー系!?】
何これ、面白い!
記事をクリックして内容を読みながら、楓はふふっと笑った。まだ噂の段階ではあるが、藤奏多はヤンキー系のバンドをやるらしい。
藤、昔から本格的なロックとかラップやってみたいって言ってたもんなー。そっか、あれ、もしかして村崎がさっき言ってた今後楽しいことが沢山起こるって、これのこと?
藤と村崎は、比較的仲が良かった。数ヶ月前には一緒にご飯に行ったと分かる匂わせ発言もしていたし、何か知っていたのかもしれない。
【村崎桜輝、舞台千秋楽で離婚を発表】
藤奏多の記事の終わりに、関連する記事の一つとして小さくその文章が掲載されていた。
楓はさっきまでのモヤモヤが嘘のように、笑ってしまった。なんだ、世間的には村崎の離婚って、こんなにちっぽけなものなんだと思ったから。
楓はスマホを閉じてカバンの中に入れると、自宅に向かって歩き出した。
♢
【舞台見に来てくれたみんな、ありがとー!改めて俺、離婚しました。後、今後の準備があるから二ヶ月くらい活動休止?するね!まじで楽しみにしてて!俺さ、今、人生で一番ワクワクしてるから!】
はい?
楓は寝る直前、スマホを開いて村崎のSNSをチェックしていた。すると彼の投稿文に書かれていたのは、これ。楓はただ、ポカンとした。
ん?いや、離婚は知ってるからいいとして、二ヶ月活動休止って何?そんな軽い感じで発表していいものなのか?これ。
村崎の突拍子もない行動には慣れているとはいえ、楓の頭の中にハテナマークが浮かんでいく。
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