銀の細君は漆黒の夫に寵愛される

理音

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登場人物まとめ

国・人物紹介

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魔の国
種族が入り混じる多民族国家。王位は建国の子孫であるルシフェル家が代々継いでいる。王国とは辺境伯領にあるダンジョンとドリアードの森で、帝国とは北の雪山で国境を接している。


ミュリエル・フォン・ルシフェル
160cm、銀髪に紫の垂れ目
魔王アルディオスの妻で、自身に聖女の力があることをつい最近自覚した。王国の男爵家出身だが、奴隷落ちして抜けた上に実家は取り潰しになっている(本人は実家取り潰しの事実は知らない)。育った経緯から性格は内気だが、誰にでも心優しく丁寧な対応をする。一度決めたことは試行錯誤しながらやり遂げる、芯の強いところもある。最近の趣味は刺繍と草木染め、ハーブティの調合と温室の手入れ。どれも手をかけるほどに変化に富んで、つい時を忘れて没頭してしまう。そのため、夕食前にアルディオスに迎えにきてもらう回収されるまでが日課となっている。凝り性であり、分からないことは図書室へ足を運んで調べたり、ノートに草木染めやハーブティーの配合を書いたりしている。最近の買い物はノートを保管するための鍵付き本棚と机椅子のセット。形はカタログを見て本人が決めたが、素材はクリス厳選・ハイドワーフ製の最高級品だということはアルディオスのみ知っている。また、それでも予算は余裕で残っている(材料が依頼者持ちだったため)。
興味の範囲が重なるカインには、機会があればもっと話を聞きたいと思っている。控えめながら人としての魅力に溢れ、身近な者たちにとにかく好かれるタイプ。自覚はしているが、アルディオスには特に弱い。

アルディオス・フォン・ルシフェル
186cm、黒髪黒目
最愛の妻ミュリエルと父カインにのみ、アルと呼ばれる現魔王。左利きで重力魔法の使い手。穏やかな性格と鋭い知略を持ちながらも、現在は目的を持って剣の腕を磨いている。
開国の祖である堕天使の系譜であり、血筋的に1つのものに執着する性質を持つ。執着先であるミュリエルを幸せにする、役職(聖女)の呪縛から解くためにありとあらゆる手を尽くして国に迎えることに成功し、その後相思相愛になる。ちなみに『生物』を執着先として持つ魔王の中で、理性を保っている稀有な存在であることを歴代の王の日記から認知している。
基本的にはミュリエル第一主義だが、為政者としての振る舞いや冷徹な一面を併せ持つ。顔立ちは幼少期から整っており最近は柔和な雰囲気を醸すことがあるため、新年会後に側妃の申し込みが山となった。しかし、宰相判断によりリスト化されて報告された以外、表面的な動きはない。彼の頭の中では暇になったら×の家(現妃に物申した家)だけ呼んで詰めるつもりでいる。
最近は満たされているためヤンデレは少々落ち着いているが、側にミュリエルがいてなおかつ気持ちが自分に向いていることが幸せすぎて気を抜くと際限なく彼女を求めてしまう。そのため休日は1日中ベッドから出ない(かつ出さない)か、妻を膝の上に乗せて愛でて過ごしている。

トレーシー・フォン・ヴァンピーア
192cm、赤髪にオレンジの瞳
公爵家当主でアルディオスの悪友兼忠臣。男性の吸血鬼で身体能力は高く、魔法的には封印などの呪術を得意とするがメインの肩書は王と妃御用達の服飾師。美的センスと発想力に優れ、それを最大限活かせる(モデルがいる)現在の職場は、趣味と実益を兼ね備えた最高の職と自負しており誰にも譲る気はない。現在、2人の装いだけを描いたスケッチブックは50冊を超えた。ちなみにアルディオスには1冊描き終わったら提出するようお願いされていて、返ってきたときには作成OKのページのみ付箋が挟まっている。
一時は存続の危ぶまれた吸血鬼だが、ヴァンピーア家はそれなりにいてみな一芸に秀でておりいつでも当主を明け渡す気満々。しかし王の覚えがめでたいため、なかなかやめられない。性格は明るく爵位を鼻にかけない気さくさを持っているが、口をたまにすべらせるのが難点。

クリス
172cm、新緑の髪に深緑の瞳
魔の国の宰相。普段は人型を取っているが種族はドリアード。空間魔法と条件付きの転移魔法が使え、城の中のみ分体を動かすことが可能。性格は真面目で堅物、自由奔放な面があるトレーシーとは馬が合わない。
側妃の申し込みの家は、次の人事異動で適切な職に配置し直す予定。日々の業務の忙しさと、ミュリエルの自主的な振る舞いによりアルディオスの世話を焼く機会が減ってしまっているので、限られた時間を最高なものにするため研鑽を積んでいる。ストレートの紅茶を淹れさせたら右に出るものはいない。アルディオス至上主義。

ツヴァイ
184cm、金髪とアイスブルーの瞳
特殊な魔力を持つ6人兄弟の長男。兄弟は2女4男で、魔王城で侍女長を務めるアインス(長女)・近衛騎士団長のツヴァイ(本人)・ドライ(次男)・フィーア(三男)・魔導士部隊所属のヒュンフ(次女)・諜報部所属のゼクス(四男)。全員アルディオスとの主従契約済みで帰属は近衛騎士団だが、実際の役職は本人たちの希望によるもの。きょうだい仲は良く、全員の休みが重なったときには飲み会をしている。
性格は質実剛健で、抜刀術の達人。真面目で騎士らしい騎士。魔法を切ることができる黒刃の使い手。余暇は鍛錬と読書に充てるストイックさを持つ。アルディオスとミュリエルの護衛任務が主な仕事で、あまり顔には出さないが2人のファン。

ヴィント
180cm、黒髪金目
他人に認識されにくい魔力を持つ男性。人型を取ることが多いが、種族はグライフ。最近は掌を返したように族長になれと言われ、鬱陶しいので主従契約を結ぶ自分には無理だと絶縁状を送ったらしい。
本来の姿は両翼を広げると6mほど。魔力消費が激しいが大きさは変えられるので、大人3人くらいなら優に乗せられる。
カラスそっくりな見た目の使い魔(クレーエ)を複数使いこなすなど諜報部長としてその身を捧げる。温室に行くため庭先に出ることもあるミュリエルにもクレーエはついていて、その画角からの様子は主の所望により報告書に多めに添付されている。

カイン・フォン・ルシフェル
175cm、黒髪黒目
前魔王でアルディオスの実父。柔和な笑顔と誰に対しても丁寧な語り口だが、毒魔法の使い手。ルシフェル家は自分の希望に応じて、操る魔法を1つ決められるためアルディオスと操る魔法が異なる。在位中に自死に対しての厳罰化と死刑制度を王都のみ廃止にした賢王。息子の変貌ぶりに驚きつつも、お茶会でミュリエルの無垢さ・純粋さに絆されて娘として可愛がる。手土産のアプフェルシュトゥルーデル20個のお礼には、書き貯めた薬草茶ノート(不適切な記述が混じっていないかアルディオスのチェック済み)を渡した。大変喜ばれて、ミュリエルの頭を撫でていたら往復3回まで、と息子に指摘を受けた。
ちなみに執着先は万能回復薬であるエリクサーの再現で、いまだ成し得ていない。そのため普段は放浪の旅に出ていて、薬師や商業人になりすまして国を行き来している。

ラティス・フォン・ヴィンベルグ
180cm、金髪緑目
近衛騎士団副団長。在任期間は現存の騎士の中で一番長く、前魔王であるカインに宣誓したことのある唯一の騎士。種族はエルフで自身が操る蔦魔法と水魔法を宿す魔法剣の使い手。ツヴァイが頭角を現す前までは長らく騎士団長の地位にあったが、1対1で負けてからは副騎士団長として団の統率を引き受ける。団長の座を諦めたわけではないので数ヶ月に1回挑んで、実力アップとやる気に繋げている努力家。

レネ
165cm、茶髪に角度によって金色の瞳
ミュリエルが魔の国に来たときからの専属侍女。人間の母とオーガ族の父を持つ半魔の女性で、影の訓練(諜報部の前身)を受けたことがあるため一通りの暗器は扱える。たまの休みに訓練に参加している。描写は少ないが常にミュリエルの側にいるし、幸せそうな彼女に仕えられて日々充実している。

ニール
200cm、緑の肌に赤い瞳
魔王城の料理長。男性で種族はハイオークだが料理中は器用に動ける人型を取る。毎日おいしい料理を作ってくれるため、ミュリエルもアルディオスも名前を口にしていて実際に会ったこともある。勤続100年の下賜品は最新の王国の料理本とハイドワーフ製の包丁一式。

ミネルヴァ
163cm、明るい茶髪に左右で濃淡があるオッドアイ(青)
王城の図書室で司書長を務める眼鏡をかけた女性。長寿種で本の虫。契約により図書室の隣に自室があり、業務中に1時間の読書時間(話しかけられても無視していい)が認められている。しかし例外はあり、『ガラスのフクロウベル』が鳴った瞬間いついかなる時でも対応をする指導が陛下から入った。もちろん持ち主はミュリエルである。


王国
建国より300年を超える人間の国では古参な方。そのため料理の種類が多岐に渡り、有名となっている。調味料も豊富で、最近の流行りは液体の調味料を固形化すること。数年前に辺境伯が寝返ったり魔の国へ行った聖女が国に戻らなかったりとゴタゴタしている。


レオフリート・フォン・エッセンベルク
185cm、金髪碧眼
王国の唯一の嫡男であり、王太子。眉目秀麗で剣の腕は一流。元辺境伯領にあったダンジョンを、初めてクリアした者の1人。王国では珍しく自力で風の魔法が使える。自覚のある聖女厨だったが、最近は執務・現実に忙しい。風の読みからなんとなく、穀物類の貯蓄を多くするように指示を出した。
魔の国より帰国してからは政務と婚約者選びにもみくちゃにされていて、紅茶ではなく胃に優しいハーブティーが手放せない。

マリアンヌ・フォン・アイスナー
167cm、銀髪に紫のつり目
宣言後、教会が定めた王国の聖女。聖魔法に優れ、レオフリートと共にダンジョンの初クリアした者の1人。アイスナー侯爵家の嫡女でれっきとした貴族令嬢だが、目的のためなら手段は選ばず、本物の聖女(ミュリエル)に呪いをかけたり魔石欲しさに必要以上に魔族を殺したりしていた。現在魔の国の鉱山で罪を償い中。


ボルマン男爵前夫人(故人)
163cm、亜麻色の髪に紫の瞳、死亡時25歳
ミュリエルの実母。迫害の対象でもあった娘の銀髪を隠すために、家から出さずに育てる。愛を持って育ててくれたがミュリエルが5歳になる直前に持病により死亡。


帝国
50年ちょっと前にできた新興国。実力主義で今の皇帝は10年前に即位した平民生まれ。皇帝が変わってから魔石の鉱山が見つかったり武器・防具の近代化を推し進めたりと景気がいい。帝国にも教会はあり、容姿は異なるものの聖女もいる。最近のゴタゴタにより王国が弱体化しそうな状態を喜んだが、積極的に攻め入るよりかはじっくり弱っていくのを見守っている。

エグバルド・ハーケン
175cm、鳶色の髪と瞳、40代
帝国の皇帝。元は商才で頭角を現した平民出身の男。10年前、先代皇帝が病で衰えた隙に、貴族間の争いを調整して戴冠。市民からは『改革の皇帝』と呼ばれる。
その理由は魔石精製技術を導入して工業化を促進したり、税制改革では贅沢税を導入し、反発した一部の貴族を粛清したりしたため。理想は『無駄のない機能的な国家』で、個人の情よりも国家の利益を優先。最近は帝都にいながらにして戦える国家を目指し、広域魔導砲の開発を進めている。


リーゼロッテ
166cm、銀髪碧眼、20歳前後
帝国の聖女、平民から聖女の力があることが知れてすぐに教会に入ったため、貴族のことには疎い。皇帝とは持ちつ持たれつの関係で恋愛感情などはない。
大人しそうな顔に似合わず性格は勝ち気で、結界魔法より攻撃的な聖魔法を得意とする。


教国
開国は魔の国と同時期か、それ以上に古いとされる。大きさは王国の3分の1程度だが国全体を覆う結界魔法から『影のない国』を名乗っている。国境を接しているのは大半が帝国で、王国とは少しだけ接している。
元首は聖主せいしゅだがその姿を見たことがあるものは限られている。そのため実効支配をしているのは、聖教皇、修道母、大聖女など。


ラファエリエ・ルーミナリエ
170cm、銀髪紫目、30代
教国の聖女であるため、聖主より正式に各国の聖女の上にいる『大聖女』という地位を与えられている。基本的な振る舞いは慈愛に満ちているが『聖女は聖主からの贈り物』として庇護したいと考えている。
近年最も関心を寄せているのは、魔の国にいるといわれている聖女である。
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