HARLEQUIN

マルエージング鋼

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Bizarre Youth

6話

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 そうして時間が過ぎていき、昼休み。食堂へと訪れ辺りを見回していくと、手招きしているマークを見つける。先に軽く何か食べようかと思い券売機に向かうのだが、後ろからどつかれて体勢を崩される。そして視線の先にはこちらに振り向いてニヤニヤと嘲笑している数名のグループ。

 カチンときたクロードは、グループが前へと視線を向けるとすぐにそちらの方へと早足で歩み寄り、同じように肩でどつく。しかし、想定していたよりも威力が強かったのか、どつかれた1人が痛みで顔をしかめて膝から崩れ落ち、肩を抑えてうずくまった。

 そして先に券売機の前に立ったクロードは振り向き、何も言わずに素早く中指を突き立てるとお金を取り出し券売機に入れて注文する。


Hey youおいテメェ! 」


 クロードに向かって剣幕を立てながらグループのリーダーらしき生徒が、彼の肩を掴む。しかし振り払うように身体を動かすと、掴んでいたリーダーが手を離し後ろに後ずさる。

 ここまでされても尚、クロードに向かう。しかしクロードも長い間このグループに虐げられ続けてきたため、鬱憤が溜まりに溜まっている。だからこそ、クロードは後ろを振り向き押し出した。するとリーダー格の生徒の身体が宙を浮き、扉近くのところで床とキスしながら止まった。

 これを見た他のメンバーはクロードを恐れて倒れている2人を連れ帰って行った。周りに居た生徒達は先程の行動を見て唖然としており、食堂の担当職員も呆然としていた。一つ息を吐いたクロードは、カウンターの方に振り返る。


Do you still need timeまだ時間かかる?」
Noもう出来てる.」


 下を向くと既にプレートに注文していたものが置かれていた。それを見て少し目を開き、それらが置かれているプレートを持つ。


「Thank you.」
「Your welcome.」


 そしてマークの隣の席に座り疲れた様子を見せつつ、キウイジュースを飲む。半分まで飲み干すとジュース容器をプレート内に置いて、マークの方に向き合う。


It was amazing a while agoさっきの凄かったぞ.」
Is it possible to be surprised with such aこれからその事を全部説明するのに thing to explain all about it in the futureこんな事で驚いていいのか?」
Is there still something elseまだ何かあるのかよ?」
YesもちろんListen calmly落ち着いて聞いてくれよ.」


 クロードの言葉にマークは頷く。それを確認すると、注文していたサンドイッチを一つ頬張り飲み込む。


It was parasitic寄生されたんだ.」
「……Whatなんて?」
I was infested with strange creatures yesterday昨日変な生き物に寄生されたんだよThen it became abnormally powerfulそれから変に力が強くなったりthe hand deformed arbitrarily右手が勝手に変形したりした.」
「…… Is that the real storyそれ本当の話か?」
In truth正直understanding still doesn’t catch up yetまだ頭の中がグチャグチャなところもあるけどbut it’s all true全部本当のことだ.」
「…… OK. I believe in that amazing powerあのスッゲェパワーのことは信じるBut I don’t know the part that it is parasitic on funny creaturesでも変な生き物に寄生されたってところが分からないんだが.」
I’ll show it here now今ここで見せる.」
Wait a secondちょっと待って.』
「──Wait a momentちょっと待ってろよ.」


 頭の中に響いたマキナの声に対応するため、クロードはマークに背を向けて口と左耳を抑えた。何をしているのかは他から見れば分からないが、いつものクロードではないことは少し見れば分かるだろう。


Whatなんだよ?」
It’s truly tasty ifさすがにこんな I come out in such a place場所で私が出たら不味いよI’ll teach you how to soften your body身体を軟質化させる方法を飲むからso please show him secretly for itそれだけ彼にこっそり見せて.』
Is there such a wayそんな方法あるのかよ?」
That's itあるよFirst let's weak a part of the body先ずは身体の一部を脱力させてIf your arms are weak, your arms are weak腕なら腕を脱力するんだよ.」


 それを聞いたクロードはすぐに左腕を脱力させて自然な状態に任せる。


So what's nextそれで次は?」
Imagine想像して.』
「…… That's allそれだけ?」
Yeah, that's allうんそれだけIf you want to spread your hands手を広げたかったらimagine an image that spreads your hand thinly手を薄く広がらせるイメージを思い浮かべてね.』


 本当にこんなことで手が広がるのかと半信半疑になりつつ、漸くマークの方に振り向き脱力させていた手を見せてイメージしていく。


What are you doing何してるんだ?」
I spread my hands手を広げてるんだ.」


 そう言った瞬間、クロードの手が徐々に薄くなり広がり始めた。その光景を見て、2人とも驚きを隠せていない。しかし広がっていく手を見てクロードは言いしれない不安が広がり、慌ててどうにかしようと手を握ろうと力を入れる。

 すると手は自動で元の形に戻り、何事も無かったかのようにクロードは手の開閉が出来た。それを見た途端、クロードは安堵を覚え息を吐く。しかしまだまだ興奮しているマークは精神的に疲れているクロードを質問責めにしていく。


How did you do it now今のどうやってやったんだよ?!」
It's the ability of that parasiteその寄生生物の能力だよI could do something like a while agoそいつの言う通りにしたらさっきみたいな事がas it said出来たんだよ.」
「…… Seriously it's amazingマジかよスゲェな.」
Tell him not to tell this to anyoneこのことは誰にも言わないように伝えて.』
Ahあー…… whyなんで?」
Many people get confused大勢が混乱するよEven you are hidden and it’s tasteles君だって隠れてハーレクインって if you mention what 【HARLEQUIN】 is saying名乗ってることがバレたら不味いでしょ.』
I seeそれもそうかHey Marcなぁマーク.」
「Hm?」
Tell me again念を押すけどplease do not tell this to anyoneこのことは誰にも言わないでくれIt will be unpalatable if you fallバレたら不味いことになるからな. Okay?」
I’m okay分かったI’ll not tell anyone誰にも言わない.」
「Thank you Marc.」
Don’t mind気にすんな.」


 そうして昼食を摂り終えたクロードとマークはそれぞれの用事をするために別れて帰り、家へと帰宅する。誰も帰ってきていない家の自室に戻ると、私服に着替えてベッドに寝そべった。


「Huuu. That surprised meあれはビックリした.」
It’s already possible for youもう君が出来ることだからyou have to get used to itあれぐらい慣れなきゃいけないよ.』
That's trueそうだよなぁ.」


 ベッドの上で寝そべるのに飽きたのか、起き上がりまた外出の準備をする。ハーレクインとして活動するための仮面を持ち、小型ポーチを太ももに着けて部屋から出ようとする。

 しかしすぐに立ち止まり、自室の窓の方を見た。そしてすぐに玄関の方まで向かい自分の靴を持っていくと、窓を開けて身を乗り出す。目の前にはいつも上がるビルとは別のビルが。


Do you do thisこれやるの?』
This one is easier and betterこっちの方が良いからなッ!」


 クロードは右腕を脱力させて勢いよく腕を出す。すると伸ばされた腕は、そのままそのビルの屋上の柵にまで届く。届いたところでクロードは柵に掴まると腕を曲げようとすると、そのまま腕は戻されていき一気にそのビルの屋上まで上り詰めた。

 そして勢いに任せて策を乗り越えると、靴を履いて仮面を着ける。そして今先程自分のやったことを思い出し、今度は走りながら別のビルへと飛び移る。一時的に風圧が強くなっていくが、それも彼にとっては楽しむための要素になっていった。


『(He is amazing彼、凄いわHe has been using my ability so farもうここまで私の力を使いこなしてるIn this wayこれならI may be able to save my older brotherお兄ちゃんを助けられるかもしれない.)』


 クロードにはマキナの考えていることは分からない。しかしマキナはクロードを何かに利用しようとしている。そのことに気付かないクロードであった。

 その考えとは裏腹に、クロードはまた腕を伸ばしてターザンのようにビルとビルの隙間を掻い潜りスイングを楽しんでいた。だが1回だけタイミングを誤ったのか、ゴミ袋の山にぶつかって強制的に止まった。


「…… Oh.」
『──Please wash your body properly later後でちゃんと身体洗ってよ.』
I’ll do soそうする.」


 そうしてまたクロードは再度腕を伸ばしてビルの隙間をスイングして移動していくのであった。そしてマキナは、今度は無理矢理にでも操って回避させようと決めたのであった。
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