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新規任務準備編
41.ハート型の淫紋<ユストゥス視点>
しおりを挟むいつもだったらもっと発情させてから服を脱がすんだが、今日は十分に発情してるし、服を汚してもすぐに洗える環境がない。だから、服をすべて脱がしてしまう。俺はどうしようか一瞬悩んで、上だけ脱ぎ棄てた。その状態で、一度抱き締める。
肌と肌が触れ合うのはやっぱり気持ちいい。子熊も嫌いじゃないのか、呼吸が少しだけ穏やかになった。
そのままクンツは俺を見上げてくるが、目が合わないのは暗さで見えていないせいだろう。クンツは身じろぎをして、俺の胸を押した。その手に明確な意図を感じて、少しだけ身体を離して起こす。
周囲に視線を巡らし、それから眉尻を下げた。
「ユストゥス。少し、明るくできないか?」
「怖いか?悪い。明かり持ってこなかった」
野営地にした場所とは違って、ここには月明りもあまり入り込まない。真っ暗、とまでは行かなくても、クンツでは歩けないだろう。自分が見えてると、どうにも嫁まで見えてるような気がしちまうのは良くないな。今は特に、クンツが獣人の姿をしてるから勘違いする。
俺の謝罪に、クンツは首を横に振った。
「いや、それは別に、いいのだが……ここに、淫紋、が、あって……っ」
息を弾ませたまま、クンツは片手を後ろ手について、腰を浮かせて下腹を撫でてみせた。俺が間近に足の間に陣取っているから、大変エロい光景である。先走りが下腹に垂れて、ぬるつくそこを見せるように、クンツは自身の性器を掴んでぐっと曲げた。
暗さで色はわかりにくいが、それでも肌に色濃く浮かび上がる紋様はわかる。
「ああ、俺には見えるぞ」
頷くと、クンツは目を伏せて、そろそろとその淫紋を撫で、少しだけ照れた様子を見せた。なんだ、どうした?
「この形は、ハート、と言うらしい」
「あー……そうだな、ハート型だな」
淫紋は細いツタが絡み合うようにして、確かにハート型を描いている。随分と気合の入った模様だ。
明日にでも日中、脱がしてみるか。明日の夜で消えるらしいし、明るいところで見たらより官能的だろう。俺がそんなことを考えているうちに、クンツはもじもじと腰を揺らした。淫紋に当てられて、もっと発情しちまったか?
クンツは視線が合わないまま、それでもどうにか俺を見ようと見上げてくる。
「きれいで、その……な、お前に、見せようと思ってたのだ。本当なら、治ってから、おまんこしてもらう、予定だったのだし……」
「そうだな」
そうだった。すっかり忘れてたが、俺はいっぱいクンツを貪ろうと思ってたんだった。せっかく俺が大事に取っといたエロい嫁から誘われるためのセックスタイミングを、ルヴィに取られたのはほんと致命的だったな……。そんな前にあったことでもないのに、懐かしい気にさえなる。
一瞬この怒涛の数日を思い返して、目頭が熱くなった。でもちゃんと、追いついてほんと良かった。
違うことに気を取られた俺を、すぐに引き戻したのは、やっぱりエロくてかわいい俺の幼な妻だった。
俺の手を取り、自分の下腹を撫でさせる。自分の性器は曲げたまま、俺の手に当たらないようにしてからという念の入れようだ。俺は淫紋のハート形をゆっくりとなぞった。「ンっ」と子熊から小さく声が漏れる。
「ハートは、……愛しい気持ちを、形に表現したものらしい、ぞ?」
「……そうだな」
「だから、は、ハート、お前に、見えるかと思って……」
「……」
「……、……も、撫でなくていい」
それだけ言うと、俺のお嫁様は目を伏せて腰を下ろし、そわそわと身体を揺らした。どうやら足を閉じたいらしい。さっきのゆっくりとした優しい手の掴みかたではなく、乱雑にぺっと払われた。
自分で淫紋を見せつけるような仕草をしたくせに、急に羞恥心が沸いてきたのか、太ももを胸に引き寄せながら両膝を揃えて閉じ、膝の裏に腕を回してぎゅっと握る。
俺は、自分が見えるからと、何も明かりを持たずに来ちまったことを心底悔やんだ。
くっ……淫紋が何かわかってなかったのに、きれいだから俺に見せたいって。めっちゃかわいくないか、俺のお嫁様!
でも!その恰好!顔と淫紋は隠れたけど、俺の目には、浅く呼吸するたびにひくつく穴と、発情してふっくら精液をため込んだミルクタンクと、雑に扱われても健気に刺激を待ってるちんこと!ぷるぷる揺れるめっちゃ可愛い尻尾が!全部丸見え!あああもうエロい!
ふさふさとした尻尾は、機嫌良さそうに揺れている。触りたい。思いっきりグルーミングしたい。けど、堪えろ俺。自分の欲望ばっかり優先してる場合じゃねえ。
「っクンツ……隠さないで、もっと淫紋見せてみろ」
う。声が上ずっちまった。ダサい。マジでダサい。もっとかっこよくできねえのか俺。エイデンを笑えねえぞこれ。
「ぃ、やだ。みるな。……なぜだか、お前に見られると、むねが、どきどきする、のだ」
俺も主に性的な意味でドキドキする。もっと優しく可愛がりてえのに、この……このギャップ!
淫紋に照れてんじゃねえなこれ。照れるなら存在知られたときに照れてていい。見せた途端これだ。ハートに照れてんのか?なに、俺にハート見せたのが、そんなに恥ずかしかったのか。あーくっそかわいい。
きゅうっと自分の太ももを抱き締めて、いやいやするように顔を横に振る。仕草はかわいーのに、それに合わせて身体が揺れて、ぷるぷる震える可愛い嫁の、仮性包茎が俺を誘ってる。雄を誘う後孔も誘ってるし、なんなら感情のままぱたぱたしてる尻尾は俺に触られんのを待ってるぐらいに思える。
あー舐めてぐちゃぐちゃにしたい。全身、いやってほど舐め回したい。指先からつま先まで噛んで、気持ち悪いぐらい俺のもんって言いふらしたい。
でも俺は前科がある。クンツの意識が飛んで、力が抜けた子熊の全身、ほんとうに全身舐め回して、魔肛を腫れさせたのは、ついこの間のことだ。翌日の『食事』のことも考えると、これ以上は無理、とちんこ突っ込むのは諦めて、でも、構いたくてしょうがなくて。
無理をさせたあの時の、二の舞になるわけにはいかない。
無自覚に誘う身体の誘惑から逃れるように、俺はぎゅっと拳を握ると、本能に逆らうように視線を外し、クンツの膝を掴んだ。
「じゃあ、顔見せろ」
「いやだ。えっち」
えっちって、今のお前の体勢の方がよっぽどエロいわ!!
「……ちんことまんこ見えてんぞ」
「みるな、変態」
いや、もーさあ?そんな甘ったるい声で言われても、誘われてるようにしか思えない。もっと構って、焦らして焦らされてやってもいいんだが、でも早くハメて戻らないと。……でもこの調子じゃ、夕飯に戻るってこと忘れてそうだなクンツ。ただ下手すると迎えが来る可能性があるのがなあ。
俺の大事なお嫁様が俺の手でエロく喘ぐのは、聞かせてはやっても見せたくない。でも愛された身体は後で見せてやろう。
「ほら。ちゅーするから、足下ろせ」
「……」
その言葉はてきめんに効いた。
まあ素直。初期の初期に、愛撫もキスも嫌がってた子熊とは思えない素直さだ。顔を逸らしたまま、足を下げた子熊を褒めるように抱きしめ、舌を絡ませる。
いつもより熱い。暗くてわかりにくかったが、こんな発情した状態でよく我慢したものだ。舌に吸い付き、甘く齧り、唾液を押し込んでやると、素直にこくんと喉を鳴らして、飲み込む。足りないとばかりに、俺の舌にちゅうちゅう吸い付いた。
小さく濡れた音を響かせながら、俺はクンツの後孔に指を差し入れる。柔らかく綻んでいたソコは、侵入者に驚いてきゅうっと締め付け、むにむにとしゃぶりだした。
勝手に動く身体に、前立腺が刺激されるのだろう、クンツは俺の首に腕を回しながら喉を震わせた。
眦を光るものが見えて、顔を寄せてぺろりと舐める。
「……いいものを、つけてもらったと、思ったのに」
ふと、護衛2人に嫌がられたことでも思い出したのか、ずずっと鼻をすする音が聞こえる。
ああもう、情緒不安定だな。早く追いつけて良かった。エリーアスが、淫紋の説明しなかったのって、もしかしてこれで喜ぶクンツに言えなかったのか?あいつも、どうしようもない馬鹿だな。
「っはぁ、あ、ん……っ……」
「何泣いてんだ。かわいいハート型してたし、俺はすごく興奮するぞ」
耳元で褒め、首筋を舐めて甘噛みをする。首に残ったキスマークに上書きをして、張りのある肩や首筋にもがじがじかじりついた。いっぱい俺に愛された痕をつけてやる。
明日は一緒にどっかで水浴びでもしよう。まだ春先で少し寒いが、その分身体を密着させればいいしな。
指を食んでくるエロ穴を、ゆっくりかき回す。俺の快感なんて後回しだ。最悪出さなくてもいいが、クンツの方がそれで収まるような身体じゃねえのが、もどかしいところだな。身体が先に開いちまってるから、心が追い付いてねえの、つらいだろうに。
「私は、っエリーアス様みたいに、きれいなっ、ところ、ないから、だからっぁ、あっ、そこ、っ」
「はあ?何言ってんだ。そんなこと気にしてたのかお前」
驚いて思わず奥に指を突き入れてちまった。痛がるわけじゃないのは知っているし、今も物足りないというように、中がうごめいている。でも本当ならもっとじっくり開いてやりたい。くそ、仕方ねえか。指をずるりと引き抜き、俺の形に開くソコにゆっくりと俺自身を埋める。
「は、ぁああ……っらって、っわたし、はっえっちも、へた、っだし……」
ぴったりと中が吸い付いてくる。クンツも気持ちがいいのか、腰を少し揺すって、俺の性器を奥まで導き、それから満足げに大きく息を吐いた。
耳に小さく虫の鳴く声が聞こえる。夜になると少し肌寒いが、クンツは寒くないだろうか。背中に手を回し、より身体を密着させる。尻を掴んで、さりげなく、嫁の尻尾をソフトタッチで揉みしだいた。俺の背に手を回した子熊の耳がぴくっと動く、気持ちいいのか?
「個性だ個性。今後は流行るぞエッチ下手」
「……そうか?」
ほんと上手いとは言い難いから、褒めることはしない。下手に調子に乗らせても、あとでへこむのはクンツの方だからな。訝しがる子熊に、俺は調子よく言葉を続ける。
「そうそう。だから気にすんな、俺はそんなお前も好きだ、し……っ?」
「っ……ひっ、ぅうっ……っ!」
急に、きゅううっと中を締め付けられた。とぷっと俺の腹に白濁がかかる。びくびくと身体が、つま先が跳ねている。クンツは驚いた表情で、こちらを見ていた。
まだ突き上げてすらいない。入れただけだ。確かに淫紋で発情しているだろうが、それでもこんな急激な反応が出るものだろうか。ぶるぶると急に震え出している。
「す、っ……す、きって、……すきって、好きって!好きって言った!!」
大きな声で怒鳴られて、その音量に耳がへたる。いったいどうした。
「言ったけどそれがなん「わ、私は嫌いだ!!放せ!いやだ!もうおまんこ終わり!!!」」
「っわ?!」
渾身の力で突き飛ばされた。ずぼっと陰茎が抜ける。その刺激にも俺のお嫁様は身体を震わせて、腰砕けになっている。それでもこの暗い中、身体を起こした俺の番は、這って逃げ始めたが、すぐに蹲ってしまった。
「ユストゥスが、ユストゥスが、私を好きと……なん、ぃやだ。っむねが、いたいぃ……きゅうって、いた……っ?」
戸惑って、泣きそうな声色だった。胸に手を当て、見えていない目で俺を見上げ、切なそうに眼を細める。
……えっあれ?もしかして、俺言ってなかったか?……愛してるってのは言ったし、手話じゃよく言ってたような……んー。でもちょっと前まで、クンツは手話自体理解してなかったな。いやでも態度で丸わかりじゃ…………ないな。俺のお嫁様の、素直で鈍感なところを忘れてた。
そっか。俺が好きなことを、こいつは理解してなかったのか。普段から可愛がって、ここまで追っかけてきて、お前の事ばっかり考えてたのに、それをまったく、少しも気づいてなかったと。
へええ?普段から俺に対して興味ねえなって思ってたけど、俺にこんなにきゅんきゅんしてんのに、俺が自分を好きだという可能性を、少しも考えなかったと。なるほどねえ。
身体から、十分に理解させてやってたつもりだったが、足らなかったか。
「逃げんな。胸が痛いんだろ。それは俺にしか治せない。ほら、治してやるから来い」
「……ほんとう、か?これが、治せるのか」
腕を掴んでそうなるべく優しい声をかけてやる。暗くて助かった。多分俺、クンツに見せられねえ顔してる。
俺は子熊をもう一度、敷いた布の上に引き寄せ押し倒しながら、顔をゆっくりと撫でる。
「嘘じゃねえよ、大丈夫だから」
さーて気合入れて蕩けさせてやろう。戻るっつったが、んなもんいいや。今まで以上に身体で覚えさせてやろう。俺が、どれだけお前のことを考えているのかを。愛してるのかを。
見えない筈のクンツが、俺の視線を捉えて、身を竦めた。
「ひっ、……めが、ゆす、目が、ひかって……」
「ああ、俺の目は少ない光を集めんだよ。獣人だしな」
おそらく今までも光ってただろうに、どうして今頃気づくのか。なんでだろうなあ、お嫁様よ。
「言葉に耐性がなくて、胸がきゅんきゅんしてんだろ?耐性つけてやる。俺にいっぱい愛されろよクンツ。……愛してる。大好きだ。お前が欲しい」
「ひっ……いやだ、そんなこと、言うなっユストゥス……!」
そーんな甘い声で、嫌だっつっても聞かねえよ。どうしてもいやなら、さっきみたいに抵抗してみやがれ。……できないだろ。黙って俺に甘えてろよ。
いろいろ今後のこととか、段取りを考えてたってのに、俺の可愛くて残酷な幼な妻が散々煽るから、俺はそれに乗ってしまった。
だいぶ夜も更けたのがわかる。魔具で洗浄をかけてから服を着せた。胸が痛いと苦しがるお嫁様に散々睦言を囁いて、淫紋で火照った身体を撫でまわして、入れて突き回して、精液を注いだ。しばらくは他に精液を分けることを考えなくていいのは助かる。
全部、俺の愛が浸透するように注いでやるつもりだ。……まあ非常食は用意しておかないとなあ。
俺は身繕いを済ませると、どろどろになった布を丸めて回収し、縦抱きにクンツを抱き上げて歩き出す。意識を飛ばしてしまった分、上手に寄り掛かってもらえず少しばかりバランスが悪いが、それでも俺は上機嫌だった。
戻った野営地ではきちんと天幕が張られ、夕食を終えたのか、空になった鍋と燻るように弱められた焚火がある。それを見て、今日は、ほとんど飯を口にしてなかったことを思い出した。あー腹減った。
火の回りに狐の姿は見当たらない。いるのはしかめっ面をした熊だけだ。
あの狐は、クンツやエイデンと同年代に見えた。あーんなえっろい嬌声を長い間聞かせられたら、そりゃ、若い雄には毒だろう。どっかで抜いてんのかもなあ。耳をあちこちに向けてるが、全然音が聞こえない。センズリかいてるの聞かれたくなくて、よっぽど遠くに行ったのか。
この分なら数日で狐は堕ちそうだ。童貞は楽でいいなー。
「お前……」
「聞こえてたんならわかんだろ。別にクンツは俺を嫌がってなかった」
「淫紋があるにせよ。クンツちゃんが気絶するほど、責め立てることもねえだろ。……貸せ」
言われて俺はクンツを熊に引き渡す。すやすや眠っている俺の番は起きず、そのまま熊の胸に抱かれて、籠に入れられた。大熊は、ちゃんとぬいぐるみを、枕元に入れる細やかさまで見せる。ぽんぽんと寝かしつけるように胸元を叩き、ドゥシャンはため息をついた。非難する眼差しが向けられる。
「こんな幼女に、お前は……」
「クンツは俺の番だ。あんたら単なる運び屋なんだろ。なら余計な口出さねえで、あとで雇い主に報告でもなんでもすりゃいい」
「無論、報告はするさ。……だが俺は、お前に聞かなきゃならねえことがある」
なにやら重々しく告げる大熊の前で、俺は自分の荷物から干し肉を取り出した。がじかじ噛みながら、水の魔石を金属のカップに入れて軽く振った。カキンと魔石が金属に当たると、溢れた水がコップ一杯に満ちる。それを飲みつつ、視線で促す。
「俺は、ユストゥスという名の狼を知っている」
「へえ。俺も有名人になったもんだなあ」
大熊の言葉に驚きはなかった。俺が獣群連邦を出たのは10数年前だが、この熊は俺より年上だ。俺はこいつを知らないが、知っててもおかしくなさそうだな、とは思ったのだ。
この恵まれた巨体に、子熊や旅行の大荷物を背負って長距離を走れるだけの体力がある。俺と相対したときの構え方といい、訓練された身のこなしを感じた。違和感を覚えるのは、こんな男が、民間で配達を請け負うような傭兵もどきをしていることだ。
「クンツちゃんは……あの子は、なんだ。そしてお前はどうしてこの国にいる」
ぱちっと木がはじける音がする。この男は、クンツがただの幼女じゃないことに気づいている。……まあ中身はほぼ、ただの幼女なんだけどな。かわいいよな、俺の幼な妻。
うっかり空気がゆるみそうになってしまい、干し肉を噛みちぎりながら誤魔化す。でも、俺を知っているというならやりやすい。面白くなってきた。
「教えてやってもいいけど。俺と取引といこうか」
荷物を手にした俺は、マインラートから預かった封筒を引っ張り出しながら、にやりと笑った。
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