74 / 175
獣軍連邦潜入編
64.シュークリームとタルトケーキ
しおりを挟む彼らのペニスは身体にあった小さなもの……というより体格にあったサイズのもので、私が手で掴むと容易に隠れてしまう。ヒュギル様はすでに半勃ちだったが、フィルジは私に掴まれて、引っ張り出されたのが驚いたのか「ぎゃっ」と悲鳴を上げて逃げてしまった。ベッドを降りて股間を抑えながらぶんぶんと首を横に振っている。
「いやいややっぱり俺無理ですよぉ男と……しかもこんなガチムチと!」
「クーちゃんは男の娘だもの、男でありつつも、こんなにキュートでかわいい幼女だね。ちゃあんと子作りできる穴も見せてもらったのに、信じないなんて、ほんと君は……」
はあっとため息をついているヒュギル様には申し訳ないが、膝立ちだと私が口淫しにくいので立ってもらい、私の肩に片足を乗せてもらった。そして大きさは可愛らしくも、フォルムは凶悪な、大人のおちんぽを眺める。胴回りがふとくて、ズル剥けの亀頭が美味しそうだ。完勃ちしたらこりこりと私の前立腺を潰してくれそうである。
これから私を犯してくれるおちんぽに、ちゅっと口づけを落とすと、私は唇を窄めながらちゅる……っと性器を口に含んだ。
ユストゥスにも、ちゃんとフェラチオのやり方を教えてもらったのだ。きっとご主人様も満足してもらえるはず。くちゅくちゅと唾液を溜めて絡めながら頭を前後に揺さぶり、舌で敏感な裏筋を刺激する。
「っ、は、……クーちゃん幼女なのに淫乱って、すごく、興奮する、ね……っすごい、じょうずー……っ」
「んっ、ン、んんぅ……っ」
私が刺激するのに合わせて、ヒュギル様が気持ちよさそうに腰を振る。ヒュギル様が動きやすいように腰を手で支えると、褒めるように頭を撫でられた。
ああ、嬉しい。もっと撫でて、褒めてくれご主人様。私はできる子なのだ。
「……ど、どうすごいんですかぁ?」
逃げたはずのフィルジがいつの間にかまたベッドに近づいてきて、私がフェラチオをするさまを、息を飲んで眺めていた。
ふふん、これでも私はだいぶ上手くなったのだぞ。もっと近くで見るといい。きっと私とおまんこしたくなるはずだ。
「と、クーちゃ、それ……あー腰にくる……っ」
舌先を出しながらぬろぉ……っと口から引き抜き、先端の溝をなるべく柔らかくちゅぱちゅぱと吸う。ヒュギル様の腰が震えた。私の髪を掴む手に力が篭って少し痛い。眠たげと良く言われる眼差しで、フィルジをそろりと眺めると、彼は呻いて少し身を屈めた。
フィルジの反応に満足して、ヒュギル様にはもっともっと、気持ちよくなってもらおうと、指で陰嚢を揉み、ふと、ドゥシャンにされたように、かぱっと口を開いて、二つの柔らかな袋まで口に含んだ。鼻先をヒュギル様の陰毛がくすぐる。
息を鼻で吸い込めば、雄の匂いに私まで煽られてしまう。ここまで押し込めば、切っ先が軽く喉奥を突く。じわっとあふれ始めた快感に、息を弾ませながら私はきゅっと喉で締め付けた。
「んっ、ん、ン」
気持ちいい?上手だろう、褒めてくれヒュギル様。本当はナカに出してほしいが、ヒュギル様なら口に出してもいい。許せる。さあ早く、出して。
くくぅっと、唇でなぶっている陰嚢が持ち上がり、射精が近づいてきたのがわかった。気持ちよく達してもらえるように、私はくぼくぼと抜き差しを早くする。
「っあ、ちょ、……っと、まっ……待てっ!!」
「んぅ」
額を押されながら制止を言い渡された。しぶしぶ唇から性器を引き抜くその瞬間に、ぢゅっと吸いつくと、それが引き金になったのか、小振りなおちんぽから白濁が溢れ出た。私の額を、鼻筋を、頬を汚していく。
とろりと垂れ落ちてきた精液を舌で舐め取り、口の中で転がす。……あまり口で味わったことがないのだが、獣人も青臭いのは一緒だな。少し獣臭さもあるような気がするが、別に嫌いではない。
「っはあ……はあ……クーちゃん、ステイ。動いちゃだめ、だね」
「はい、ご主人様」
言われて、動きを止めた私の肩から足を下ろすと、ヒュギル様はあっという間に、ベッドから降りて私と距離を取ってしまった。少し呆然とされている。なぜだろうか。
どうでもいいが動くことを許可して欲しい。顔についた精液が垂れてもったいない。
「ヒュギル様!ねえねえどうだったんですかぁ、あいつのフェラ!」
大興奮のフィルジが、ヒュギル様の肩を掴んで揺さぶっている。
「ものっすごく上手だったね……びっくりした。魔肛が名器なのは、悪魔の実の性能だけど、それ以外は魔力増加した普通の単なる人間だね」
「つまり」
ごくっと喉を鳴らしながら質問するフィルジに、ヒュギル様も声を潜めながら、心底悔しそうに答えた。
「クーちゃんは、フェラも名器並みになってるね。……出すつもりなかったのに、搾り取られたね」
「しぼり……」
フィルジが私に視線を向ける。少し考えたが怒られたらまた制止されるだろうと、私は唇を開けて、舌先を見せた。見えない飴玉を転がすように舌を動かせば、赤くなったフィルジの視線が彷徨う。
「……フェラなら、俺、人族の野郎となんかと、セックスしたことにはならないですよねぇ?」
フィルジの出した結論に、ヒュギル様は重々しく真顔のまま首を横に振った。
「フィルジ、それはね。シュークリームのクリームだけを食べることと、一緒だね。タルトケーキのタルト部分を残すぐらいの、許されない所業だね。もしそんなこと言うなら、ボクが君のおちんちん、切り取っちゃうね」
たとえが随分と可愛らしい。獣群連邦では甘味は少ないのだが、軍にいると食べれるのだろうか。別に羨ましくもないが、ベッカーがくれる飴やラムネが思い出されて、少しだけ心が締め付けられた。
しかし大人しくしているのに、ヒュギル様もこちらに戻ってきてくださらない。楽しそうにフィルジと言い合っている。
「なんでそんな俺とそいつを、セックスさせようとするんですかぁ!」
「もちろんクーちゃんのためだね。クーちゃんは、精液が『ごはん』なんだもの、魔肛……おまんこに入れてもらわないと駄目だものね。口だけで終わらそうなんて、ムシが良すぎるね」
「この鬼畜!悪魔!自分だけイッたからって、賢者になっててずるいですよぉ!」
「ちゃんと餌を供給するのも飼い主の役目だね。クーちゃん体格がいいから、本人も気づいてないみたいだけど、少し栄養失調気味だね。おそらく供給者はそばにいるはずだけど、頻繁にはあげられてないとみたね。そうだろうクーちゃん」
「ユストゥスが、私におまんこしてくれている。昼に一度と、夜に二度。たまに、ドゥシャンも」
話の水を向けられたので答えたが、ご主人様はまだ私に近づかない。動きたい。もそもそ身体を揺らしていると、それでようやく気付いたのか、近づいてきてくれた。顔についた精液は、洗浄魔法で綺麗にされてしまう。エリーアス様のように、呪文を唱えることもしない。私はどうしても、一言「洗浄」と告げなければ、綺麗にできないので羨ましい。
ベッドに膝をついたままの私の頭を優しく撫でたヒュギル様は、顔を寄せてくれた。小さな口に舌を押し込むこともできず、優しく唇を舐め、軽く唇を甘噛みする。
「クーちゃん、うつ伏せになって、足を開くね。フィルジがクーちゃんの男の部分が気になるみたいだから、見えないようにしてあげるね」
「はい、ご主人様」
言われた通りにうつ伏せになって、腰を少し持ち上げた状態で足を開いて尻を突き出した。男の部分が嫌と言われたが、どうしたら見えにくくなるだろうか。筋肉が邪魔でこの体勢は苦しいのだが、開いた足の間から手を出し、ペニスと陰嚢を隠すような形で、人差し指と中指で尻のはざまを広げる。
「うん上手。ほらほらフィルジ、クーちゃんのきもちいいおまんこが、おちんちん欲しがってるね。これでいれなきゃ男じゃないね!」
「くっそーその無遠慮な煽りが、腹立ちますねぇ」
笑ったヒュギル様の指が、ずぷっと入ってきた。先ほどのフィストが思い出されて、私は身体を強張らせてしまう。するとヒュギル様は「深呼吸」と言いつつ、わざと音を立てるようにかき回してくる。
「はぁ、すうー……はあ、」
呼吸。深呼吸して、穴を広げておかなくては。……怖い。指を増やされないだろうか、付け根まで押し込まれないだろうか。ぶるぶると震える臀部を、ぺちんと小さな手で軽く叩かれる。
ぐちゅ、ぐちゅ、くち……っ。きゅっと尻穴を窄めると、襞を指で押し広げられて、とろりとした体液が漏れた。私の指のはざまを濡らす感覚がある。
ヒュギル様が小さく笑うと、指をあっさりと引き抜いた。代わりに、尻に伸し掛かられる感触がある。後ろは全然見れないが、私の臀部を広げているのは小さな手で。
「んっ」
ずにゅっと、一気に挿入された。フィルジの性器もヒュギル様同様、私からしてみたら小振りだ。でもだからこそ、スイングするたびに亀頭がふちと、前立腺と、浅いところの気持ちいい部分を擦ってくる。
「ぁ、あっあんっあ!」
「うっ……なんだよこの穴っやばっ……このっ」
もう手で押さえてなくてもよさそうだ。私は手を下ろしてシーツを掴むと、おちんぽを味わうことに専念した。ご主人様が、ヒュギル様が私の頭を撫でてくれて、すんすんと匂いを嗅がれる。……達したはずのヒュギル様の性器が、またむくむくと立ち上がった。
「口は、だめ。情報を吐いて貰わないと困るね。腕上げて欲しいね。……あーいい匂い!」
私が上半身を捩って腕を上げると、あらわになった脇に、ヒュギル様は顔をうずめた。ぺちゃぺちゃと小さな舌で舐められ、嗅がれ、腋毛をしゃぶられる。
確かに私の今の体臭は、男らしさのかけらもないものだが、そこを舐められるという行為は初めてで、動揺してしまう。気持ちいいよりくすぐったい。
「んっ、あんっあ、あ、ふふ、ふっ」
突き上げられているので気持ちはいいのだが、くすぐったさに笑いながら身を捩る。すると振動が伝わるのか、フィルジが呻いた。
「身体起こして、脇締めて。そうそう上手。脇まんこでボクの性器扱いてもらうね」
脇。脇か。どうもヒュギル様は変わった性癖の持ち主らしい。私の身体を起こさせると、ぎゅっと閉じた脇の間に性器を差し込められた。
「わははー、ど、へんたいですよぉひゅぎる、っさま」
「フィルジに喘ぎながら名前呼ばれると、んっさむけが、するね」
「ははは同感ですっんっまじで、このまんこ、すご……っ」
下半身はフィルジに犯され、上半身は脇で性器を扱く。それでいて、2人は和気あいあいと会話をしている。先ほど手でおまんこを開かれたときの方が、よほど緊張していた。私も気持ちいいし楽しくなってきてしまって、彼らが喜ぶように身体を揺らした。
そしてその状態で、全ての情報を教えていた。
自分がリンデンベルガー当主の第13子であること、群青騎士で一輪隊に所属していること。魔肛のこと、専属奴隷のこと、任務のこと。この孤児院に来た経緯。洗いざらいだ。
ジュストに通信魔具が仕込まれていることも話したし、ユストゥスが狼の獣人で、私の狼で、番で、……だ、旦那様であることも、全て話した。
最中、フィルジが私の中に精液を吐き出して、次に私の脇で遊んでいたヒュギル様も、中に入れてくれた。脇で出したかったのではないかと聞けば、私の餌の方が重要だと言ってくれたのだ。優しい。好き。
「狼のユストゥス……んー聞いたことある気がするんだけど、思い出せないね。そしてエリーアス・シュリンゲンジーフのいる隊の隊員か……あの男は、少し面倒だね」
「んんっあ、ぢゅ……っ」
今はヒュギル様の上に、逆向きになるように乗って、性器を舐めて残滓を出してもらっているところである。吸いだすときは気を付けなければ、刺激が強すぎるのは身をもって知っている。体重をかけろというので、潰さない程度に身体を乗せた。
物足りないままちゅぽちゅぽとヒュギル様を味わっていると、舌でへそのあたりを舐められる。くすぐったい。フィルジはちらちらと私の尻を眺めて、意を決したように口を開いた。
「ヒュギル様、元の姿でこいつにハメたいです。このサイズじゃ、全然好きに動かせないですよぉ」
「えー?駄目だね。ボクら今は、れっきとした獣人なんだから。ボクはボクで、この圧死しかける感じ、堪らないんだけどね」
「俺は嫌ですぅ。この肉オナホを、一番いい感じで味わいたい!」
フィルジは私のことを、ひと扱いするのをやめたらしい。男とセックスしているというのが、抵抗感があるそうだ。
私も、ご主人様ならともかく、ただの棒に、どう思われようと気にしない。せいぜい濃厚で、痺れるような精液を出してほしい。その点、精液は申し分なかったので、えーと……あれだ……あの……エリーアス様の性器で型取りした……張り型!そう生肉の張り型と思えば、優秀ではなかろうか。腹を下すこともないし。
そしてその張り型が、何か喚いている。それに苦笑したヒュギル様が、私のわき腹を軽く叩いた。それで合わせて私は身体を起こす。
私にあぐらで座るように言うと、ご主人様は私の膝の上にちょこんと座った。あ、これは楽しい。この腕の中にすっぽりと包む感覚が堪らない。ユストゥスもドゥシャンも、私を膝に乗せるときに、こんな感覚を持ったのだろうか。
伸びた角が、目に当たらないように頭に頬をすり寄せていると、「仕方ないね」とヒュギル様が答えた。
「言った通り、精子に魔力は一切乗せないこと。酷いことはせずに、丁寧に扱うこと。クーちゃんは、ボクの愛玩動物なんだから、当然だね。それから今後の餌やりはフィルジ、お前がちゃんとするんだね」
「餌やりって、毎日そいつのケツマンに、精液注げってことですよねぇやります!スラニー飽きてきたし、どうも同じサイズの獣人とは、ヤる気がしなかったんですよぉ」
喜んでいる張り型に、私も軽く息を吐いた。ヒュギル様の手を取って、ちゅっと甲に口づけを落とす。
「ご主人様は、私とおまんこしてくれないのか」
「可愛いことをいうね、クーちゃん。もちろんするけど、ボクは調べることもある。毎日は来れないね」
残念だ。非常に残念だ。雑な動きをする張り型と比べれば、ご主人様はとても優しいし、上手く私の感じる性感帯を突いてくれる。それに頭を撫でてくれるだけで、心が安らかになるのが嬉しい。大好きだ。
「じゃあさっそく!」
言うが早いか、まるで、絵画にもう一枚絵画を重ねたように、フィルジの姿が切り替わった。
「あ……」
山羊角に長めの黒髪、軽薄そうな釣り目はそのままだが、黒かった虹彩が、赤く縦に割れている。普通の足だったはずの男の足は蹄に成り代わり、尖った尻尾がゆらゆら揺れた。蝙蝠羽は大きくなり、サイズもぐんと大きくなる。私より少し小さいぐらいか。
「ま、ぞく……っご主人様、逃げてくれ。私はあの魔族を殺す」
私は咄嗟に、ご主人様を背に匿うようにして身体で隠し、身体に魔力を漲らせた。魔族、魔族は殺さねばならない。ご主人様を逃がしてから、あの喉を引き裂いてやる。強化、強化……もっとだ、強化。
身体が膨張するのを感じる。殺意を込めた私の前で、その魔族は愚かにも、きょとんと不思議そうな顔で立っていた。今ならやれる。武器は何もないが、最悪抱き着いて、術式を発動させればいい。絶対殺す。
飛び掛かる瞬間を狙っている私の視界を、ヒュギル様が手で塞いだ。
「駄目だねクーちゃん、あれは魔族ではないね。違う。私の部下のフィルジだね」
「でも、……あのすがた、は」
「クーちゃんの勘違いだね。あれは魔族ではない。さあ深呼吸して。3回繰り返したら、少し大きくなっただけの、フィルジが見えるね」
深呼吸を3回繰り返してゆっくりと目を開けば、確かにそこにいたのは、少しサイズが大きくなっただけの張り型だった。今日は疲れているのだろうか。大事なご主人様が魔族ではないかと疑ったし、フィルジまで魔族と疑ってしまった。
無駄に強化してしまった身体から魔力を抜く。打ち消すのにも魔力がいるから、しかたがない。目の前にいる張り型から精液を搾り取ろう。
「フィルジ……すまない。勘違いしたな。さ、おまんこするのだろう?腰振るしか能のなさそうな、お前のおちんぽ出せ」
「なっ……生意気~!お前なんかなぁ、その匂いがなかったら、ヒュギル様のペットになってないんだからなぁ!」
「ご主人様、あれはご主人様の品格を落とす。もっとマシな従者を付けられた方がよいのではないか」
鼻で笑ってやると、きーっと怒る蝙蝠男が面白い。
「クーちゃん、フィルジは単純だから、あまりからかっては駄目だね?」
「承知した、ご主人様」
私は言いつけを守る良い子なのだ。また褒めてほしい。膝立ちでヒュギル様に頭を寄せて甘えていると、話は終わったはずなのに、「これならどうだ」とフィルジが呼ぶので、視線を向けて、固まった。
私の大事なジュストの、狼のぬいぐるみの、首を手で掴んだフィルジが、笑いながらぷらぷらと揺らしていた。ぐぐぐっと力を込められると、柔らかなぬいぐるみがひしゃげてしまい、私は声にならない悲鳴を上げる。ヒュギル様も眉間にしわを寄せた。
「だっだめだ!謝るから、ジュストは返してくれっ!」
「フィルジ、やめなさいね。クーちゃんの大事なものを取るなんて、大人げない」
「そいつが悪いんですよぉ。ほーら、壊されたくなかったら、さっさとうつ伏せになってケツ出しなぁ」
へらへらと笑いながら、ぬいぐるみを揺らす男に、私は心の底から殺意を持った。こいつは殺す。絶対殺す。私の大事なジュストに手を出したのだ。殺す。
「もーあんまり挑発すると、クーちゃん誤爆するかもしれないね。……仕方ない。あまり手をくわえるのは、ボクの主義に反するけどね。クーちゃん、動かないでね」
「ごしゅじ……ぁ、あ、ああああっ!」
私の胸に、ヒュギル様の手がぴたりと添えられた、そう思った瞬間、手のひらが私の胸にめり込んでいた。直に内臓を触られて、びくびくと身体が跳ねる。心臓をなでられる感触に総毛立った。
「ええっとここの回路を、こうして……ったく、ボクが優秀だから解除できるんであって、普通は失敗するねこれ。だから何人も魔族が死んでるのを、フィルジは思い出してほしいね。……はい、出来たね!」
「あざっすヒュギル様ぁ!」
入ってきたとき同様、ずるりと手を引き抜かれる。表面上は何もない。だが私は、胸を押さえて蹲った。思い出したくもない感触に私はご主人様に恐怖を覚えて、その既視感にも怯える。しかし、それも頭を撫でられると収まった。
「頭の方の術式は、単純だからこそ難しいね。こっちはまた、別の機会に外してあげるね、クーちゃん」
「じゃあさっそく、オナホ堪能しますかぁ」
大きくなったフィルジが私にのしかかってくる。そのついでとばかりに、フィルジは、単なる肉棒のくせして、私の、私の大事なジュストを、床に放り投げた。
だらんと床に落ちたジュストに手を伸ばそうとするのに、フィルジが、能無しの張り型が、私の腰を掴んで抜き差しを始めるものだから、少しも掴めない。半分上半身をベッドからずり落とさせながら、私はジュストに手を伸ばす。
……あと少しなのに、その少しが、届かない。そのうちに抜き差しされて、刺激に身体が熱くなってくる。さっきよりも大きな性器が、私の中を蹂躙していく。
「……っあ、あ、……あっあんっあ……っ!」
こんな肉棒程度で声を出したくないのに、素直な私の身体は、嬌声を上げた。片手で口を塞ぎながら、もう片方の手でジュストに手を伸ばす。
指先が床をひっかく。やはり届かない。
私は奥歯を噛み締めると、ひとまず今ジュストを抱き締めることを諦めた。ぐっと拳を握り、意識しながら腰を揺らして、中の棒を締め付ける。早々に終わらせよう。なにやら私をなぶるような言葉が飛んできたが、私は意識から排除した。相手にするだけ無駄だ。
絶対、この男は殺す。そのうちジュストだけではなく、ユストゥスにも、先ほどジュストの首をひしゃげさせたように、手を出すかもしれない。それは私が許さない。床にぺたりと頬をつけたまま、私は気に食わない男との性交を続けた。
35
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる