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10日目 服の皺から覗くもの
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「あら。生徒会長であられる八重樫さんではありませんか。わざわざこんなところまで足を御運びになるなんていったいどうされたのでしょうか。もしかして、八重樫さんも体調が悪くなってしまわれたのでしょうか。あぁ、それはいけないことですわね。残念ながら、今保健室の先生は席を外していらしゃってて。私がお呼びに行きましょうか?」
僕からすっと視線を逸らし、生徒会長を見つめる彼女の顔に先ほどまでの朗らかな笑みはどこにもなかった。一転してそこにあったのは感情が読めない真顔。いや、どちらかというと怒っていると表現した方がいいのかもしれない。だが、女性経験が少ない僕からしてみるとそんな女性の感情の機微などに敏感なわけがないが。
「はぁ。相変わらずの減らず口ですこと。一体いくつ歳を重ねればそれが改善されるのでしょうか。はて、私には一向に分かりませんわ。まぁ、知りたくもありませんが。そんなところで彼に付き纏うよりもさっさと婚約者の人に連絡を差し上げるのが先決ではなくて? 式が終わった後の授業すらも抜け出して、先生も追い出してこんなところに来るなんて淑女がすることじゃありませんよ。大金持ちのお嬢様」
女性経験は少ないが、これだけは分かる。彼女たちは仲が悪い! 視線が絡み合う場所でバチバチと火花が上がっている。それは必ずしも中央に存在するのではなく、彼女たちが掛け合い罵声し合う度に押し押され結局のところ同じ範囲を行き来していた。そんな彼女たちから完全に忘れ去られている僕はどうすればいいのか。簡単だ。この場から静かに退散すればいいのだ。
まだ罵声し合う言葉は続いている。辺りを見渡すと丁度少し移動したところに窓が開放された状態であるのを発見する。高さ的にここは一階にあるのだろう。窓の先に広がるグラウンドとほぼ同じ高さに自分の寝転がる視界が広がっていた。
僕はそっと音を立てないようにそこから立ち上がると、忍足で窓の付近まで移動し右足を窓の淵にかける。身体の半分が窓の外に出る。よし、もうちょっとでこの地獄のような場所から抜け出せる!
「何をされているんですか?」
不意に右手を掴まれると想像以上の力で再び保健室の中に連れ戻される。あまりの力強さに受け身を取ることができず、そのまま無様に床に尻餅をついてしまう。
「いてぇ~!!」
「大丈夫?」
見上げるとそこには屈むことによって強調される2つ、いや4つの、お、胸があった。制服がシワになることで危うく服で覆い隠した白い肌までもが視界に飛び込んできて、咄嗟に目を逸らす。その際に、赤髪の彼女の服のたるみから何か制服とはまた違った鮮やかな色の物が見えた気がしただが、これ以上は理性を保つために思い出すこともやめた方がいい。呼吸をするたびに僅かに揺れるそれは、僕の視界をたぶらかすかのように動く。これは夢に出てくる、それだけは確信を持って言えることだった。
僕からすっと視線を逸らし、生徒会長を見つめる彼女の顔に先ほどまでの朗らかな笑みはどこにもなかった。一転してそこにあったのは感情が読めない真顔。いや、どちらかというと怒っていると表現した方がいいのかもしれない。だが、女性経験が少ない僕からしてみるとそんな女性の感情の機微などに敏感なわけがないが。
「はぁ。相変わらずの減らず口ですこと。一体いくつ歳を重ねればそれが改善されるのでしょうか。はて、私には一向に分かりませんわ。まぁ、知りたくもありませんが。そんなところで彼に付き纏うよりもさっさと婚約者の人に連絡を差し上げるのが先決ではなくて? 式が終わった後の授業すらも抜け出して、先生も追い出してこんなところに来るなんて淑女がすることじゃありませんよ。大金持ちのお嬢様」
女性経験は少ないが、これだけは分かる。彼女たちは仲が悪い! 視線が絡み合う場所でバチバチと火花が上がっている。それは必ずしも中央に存在するのではなく、彼女たちが掛け合い罵声し合う度に押し押され結局のところ同じ範囲を行き来していた。そんな彼女たちから完全に忘れ去られている僕はどうすればいいのか。簡単だ。この場から静かに退散すればいいのだ。
まだ罵声し合う言葉は続いている。辺りを見渡すと丁度少し移動したところに窓が開放された状態であるのを発見する。高さ的にここは一階にあるのだろう。窓の先に広がるグラウンドとほぼ同じ高さに自分の寝転がる視界が広がっていた。
僕はそっと音を立てないようにそこから立ち上がると、忍足で窓の付近まで移動し右足を窓の淵にかける。身体の半分が窓の外に出る。よし、もうちょっとでこの地獄のような場所から抜け出せる!
「何をされているんですか?」
不意に右手を掴まれると想像以上の力で再び保健室の中に連れ戻される。あまりの力強さに受け身を取ることができず、そのまま無様に床に尻餅をついてしまう。
「いてぇ~!!」
「大丈夫?」
見上げるとそこには屈むことによって強調される2つ、いや4つの、お、胸があった。制服がシワになることで危うく服で覆い隠した白い肌までもが視界に飛び込んできて、咄嗟に目を逸らす。その際に、赤髪の彼女の服のたるみから何か制服とはまた違った鮮やかな色の物が見えた気がしただが、これ以上は理性を保つために思い出すこともやめた方がいい。呼吸をするたびに僅かに揺れるそれは、僕の視界をたぶらかすかのように動く。これは夢に出てくる、それだけは確信を持って言えることだった。
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