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14日目 エレベーターが振動と共に暗くなるー!?
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「ここは見てわかる通り、どの寮にも共通して設けられているロビー。特に目新しいものはないと思うけど基本的には一般的な作りと同じよ。そして、右手にあるのが食堂。この寮ではご飯は自分で作るか、食堂に来て食べるかの二つしか方法はないわ。そうね、基本的には皆んな部屋で食べているかしら。使用人が毎朝ここまでご飯を持ってきてくれる生徒も珍しくないわ。まぁ、たまにこの食堂で庶民の味を楽しみたいっていう変わった人もいるけど。そのため、座席数も基本的には少ないから、あまり使用しないかもしれないわね、君も」
「しょ、庶民の味に、使用人が持ってきてくれるご飯ですか」
えぇそうよ。と彼女は口にしてエレベーターを目掛けて歩き始める。その様子からここがどれだけ一般的とかけ離れた生活が送られているのか気づいてすらいない様子だ。もしかしたら、僕が暮らしてきた環境だけが異常で他の学校ではこれが当たり前だったのかもという錯覚にすら陥ってしまう。もちろん、僕にはそんな使用人も、高級料理を食べれるだけの財力は持ち合わせていない。至って一般的な家庭に生まれ育った僕にとっては彼女が発言する言葉一つ一つすらも違和感として捉えられた。
「早くここまで来て貰えるかしら? もうすぐ、エレベーターが来そうだから」
「すいません!」
考え込んでいてどうやら歩く速度が遅くなっていたようだ。いつの間にか遠く離れたところに立っていた彼女に大きな声で呼び出される。ピンというエレベーターがこのフロアに着いた音を軽快に鳴らしてから、閉ざされていた扉が開かれる。中から現れらエレベーターはよくスーパーなどで見かけるものと類似していてどこか胸を撫で下ろす自分がいることに、自分のことながら驚きを覚えた。生徒会長と二人きりでエレベーターに乗っているんだと思うと、鼓動が大きく跳ね上がるシチュエーションではあったが、生憎そのような下世話な考えが出来るほど頭の体力は残されていなかった。
「ちなみに、何階に部屋があるのでしょうか?」
「この寮は15階建てで、私たちの部屋があるのは10階よ。中途半端な高さで綺麗な景色すら見ることができなくて、窓からの景色に数日で飽きてしまうでしょうね」
彼女はクスッと笑いながらそう溢す。あまりにも完璧な彼女の話っぷりに今さっき軽口をついたことに気付くのが遅れるほどであった。
「さぁ、着いたわね」
再び先ほどと同じような音を立て、エレベーター内にその音が反響する。ふぅー、これでやっと一息つけるよと安堵のため息をこぼした次の瞬間。
エレベーターは大きな衝撃と共に暗闇に包まれることになるのであった。
「キャアァァァァァ!!!!!!」
「しょ、庶民の味に、使用人が持ってきてくれるご飯ですか」
えぇそうよ。と彼女は口にしてエレベーターを目掛けて歩き始める。その様子からここがどれだけ一般的とかけ離れた生活が送られているのか気づいてすらいない様子だ。もしかしたら、僕が暮らしてきた環境だけが異常で他の学校ではこれが当たり前だったのかもという錯覚にすら陥ってしまう。もちろん、僕にはそんな使用人も、高級料理を食べれるだけの財力は持ち合わせていない。至って一般的な家庭に生まれ育った僕にとっては彼女が発言する言葉一つ一つすらも違和感として捉えられた。
「早くここまで来て貰えるかしら? もうすぐ、エレベーターが来そうだから」
「すいません!」
考え込んでいてどうやら歩く速度が遅くなっていたようだ。いつの間にか遠く離れたところに立っていた彼女に大きな声で呼び出される。ピンというエレベーターがこのフロアに着いた音を軽快に鳴らしてから、閉ざされていた扉が開かれる。中から現れらエレベーターはよくスーパーなどで見かけるものと類似していてどこか胸を撫で下ろす自分がいることに、自分のことながら驚きを覚えた。生徒会長と二人きりでエレベーターに乗っているんだと思うと、鼓動が大きく跳ね上がるシチュエーションではあったが、生憎そのような下世話な考えが出来るほど頭の体力は残されていなかった。
「ちなみに、何階に部屋があるのでしょうか?」
「この寮は15階建てで、私たちの部屋があるのは10階よ。中途半端な高さで綺麗な景色すら見ることができなくて、窓からの景色に数日で飽きてしまうでしょうね」
彼女はクスッと笑いながらそう溢す。あまりにも完璧な彼女の話っぷりに今さっき軽口をついたことに気付くのが遅れるほどであった。
「さぁ、着いたわね」
再び先ほどと同じような音を立て、エレベーター内にその音が反響する。ふぅー、これでやっと一息つけるよと安堵のため息をこぼした次の瞬間。
エレベーターは大きな衝撃と共に暗闇に包まれることになるのであった。
「キャアァァァァァ!!!!!!」
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