ハルカカナタ

立花 律

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出会い

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2人との出会いは、ほんの数週間前。


北部高校の入学式。





名簿順で並ばされた入学式の最中は、やけに隣の奴がでかいなぁと思って。

教室で名簿順の席順で座った時、前のやつの背中が入学式で隣だった奴と一致。

プリントやらを回す時の、申し訳なさそうな苦笑いが。優しそうで、取っ付きやすそうで。

いざ、話しかけてやろうと思ったら。


「彼方、猫背治しなよ。背高いから余計に悪いの目立つからさ」


トーンの少し高い声。
黒髪の背中で見えてなかったが、どうやら前に座っているやつの声のようだ。



「あ、そうだよね。ごめん」


「謝んない!なんで謝るのさ、意味わかんない」


「春希は、厳しいな」


「おんなじ事をずーっと言ってれば厳しくもなるって。成長しないなぁ」


「あはは、ごめん」


「だーかーらー」



どうやら2人は、以前からの知り合いのよう。

話しかけるタイミングを失った俺。



ホームルームが始まるまでの、ガヤガヤした空気。
みんな新しい環境に慣れようとしている。

俺も、その1人だけど。


窓際から2列目の、一番後ろ。
なかなかいい席に当たった。

開けっ放しの窓から入る春の陽気にあてられて、机に突っ伏してみる。



多分。

このまま、眠れそう。






ーーーーー

ーー



「おーい、鈴木。お前当てられてるぞ」



ガバッと。
顔を上げれば、担任の体育会系な先生が豪快に笑っていた。
ジャージを腕まくりした先生が、机と机の間の通路に立っていて。
ひやりと感じる悪寒。これは、まずい展開になりそう。


「鈴木!入学早々居眠りとは、なかなか堂々としてる!」


「い、いや、すみませ」


「というわけで、学級長お願いできるな?」


「え」


「いやー鈴木。ありがとな。みんな、このクラスの学級長は鈴木賢人(けんと)くんに決まった!みんなー拍手」





まばらな拍手。
ありがとなーやら、ださいやら賑やかに響く声。



前にあった大きな背中の主はこちらを見ていて、への字を描く眉毛と整った顔立ち。日焼けした顔色から、思っていたよりも凛々しく見えた。


その向こうでにたにた笑う小柄な男が1人。
ミルクティー色のふわふわした髪が印象的で、黒目がちな目元が細められた。



「だっさ」



多分あれは、あの小悪魔の声だろう。




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