しあわせのゆくえ

のりまき梅せんべい

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二回目の監禁

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そして由美は〔鈴木由美は仮名で本名を二階堂みくといった。〕しかしながら俺は由美と今後も呼ぶ。は、杉並区の親元に帰った。
事件発生当初の公開捜査が祟り、由美の周辺は報道関係者と野次馬で大変な騒ぎとなった。
そして再び由美は監禁状態となった。

両親は世間の好奇に晒される娘の不憫を案じて自宅から外出を禁じた。
由美の部屋は雨戸が閉め切られて、外からも内からも様子をうかがうことが出来なくなってしまった。
由美の二回目の監禁生活がここにはじまった。

由美にとって実家での監禁状態はこれまでに無く過酷であった。
ジジのもとの監禁は幼女期の順応性の高さで常態化して、
さしたるストレスはなかった。ジジは恐ろしく寡黙だったが
由美の体を苛むことは無く、本や玩具、流行りのゲーム、
かわいい服やらお化粧道具まで与え、由美に閑暇をあたえなかった。

一方、実家での監禁生活は閑暇に対する配慮はなく、由美の部屋は空っぽで、
薄暗い部屋で由美のする事は妄想と回想と、秀樹を思い自慰する事だけだった。

部屋の扉は施錠されていなかったが、由美が部屋を出ると母も父も叱責した。
由美はジジなんかより実の親を恐怖し嫌うのであった。
しかし、由美には唯一最大の救いが存在した。それは秀樹との交流であった。

両親が寝入った後、由美は部屋を抜け出し電話をかけた。相手は勿論秀樹だった。
毎晩秀樹と電話した。秀樹の話しは毎日の仕事や世間の出来事であった。
由美は秀樹の話しを聞いていた。由美は秀樹の声を聞いていた。

由美の両親は由美の深夜の電話を知っていた。通話相手も知っていた。
秀樹は由美と深夜に通話していることを由美の両親に公表し了解を得ていた。

由美の両親とて娘の不憫を嘆くものであった。しかし世間の好奇から
娘を守る手立てもない。そこに秀樹は頼りになる存在であった。
この先も由美に対する世間の好奇の目は変わらない。由美が唯一愛する対象は秀樹であると理解していた。
二回目の監禁で秀樹と由美は更に強く結ばれていった。

月日は流れて由美は18歳になろうとしていた。
秀樹と由美は、ある画策を計画していた。
由美は画策を秀樹から持ち掛けられた三カ月前から、由美の脳中はバラ色であった!
いよいよ二人の計画は実行される。

由美の誕生日の深夜、由美を秀樹が実家から連れ出す。
言わば駈け落ちである。1983年12月の深夜、由美は自宅の門扉の内側にしゃがんで
秀樹の到着を待つ。恐ろしく寒い晩にも関わらず、由美は全く寒くない。
車が止まり秀樹が現れる。由美は門扉を開け放ち秀樹に飛び込んだ。

秀樹は由美を諭して由美の興奮を静めたが、内心焦りは無かった。
何故なら事前に由美の両親から了解を得ていたからだ。
由美を車に乗せて一路屋敷へとむかう。由美は運転の邪魔など構わず秀樹に体を寄せる。
由美の中には期待と幸福感しかなかった。
それは秀樹も一緒だった。

由美はこの先も監禁生活である。
そう三度目の監禁生活だ。

それは由美にとって最高の監禁生活となるのだろう。
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