魔法学園最弱の俺が英雄に

結城 もみじ

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第六話 お祭り前半

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 家のすぐそばにある大通りは今日も賑わってる。
 だが今日は何故か露店の店主が張り切ってる。
 それは何故かというと……明日が魔法学園闘技大会だからだ。

 この魔法学園闘技大会は、年内の数少ない祭りの内の一つとされている。街の人は前の日からお祭り騒ぎで、大通りを歩けば店主の大声で客を呼び込んだり、踊ったりしていて、大通りは大勢の人で混んでいる。
 酒場に行けば、五十歳を越えたおっさん達が「今年は誰が優勝するか」と言いながら賭をしている。前の世界で言えばギャンブルだ。

 騒ぎの中には魔法学園の生徒も少なからずおり、街の人に「がんばれよ」と声をかけられてる。
 その光景を窓から見ていたカケルは深く溜息をついた。
 
 「何の為の休みだよ。体の調子を整える日なのにずいぶんと余裕があるね~」

 カケルは溜息混じりにそう呟いた。
 外の光景を見ながらはぁーっとつまらなさそうに息を大きく吐く。そしてまた大きく息を吐いた。

 「カケルさん。朝練が出来なかっただけで、そんなにはぁーはぁー言わないで下さい」

 ミーニァの眉が八の形になった。
 カケルがこんなにつまらなそうにそうにしているのは、朝練が出来なかったからだ。

 カケルはいつもと同じようにランニングを始めよと、外に出た。
 外に出たとたん、大きな声と朝一番とは思えないぐらいの灯りがあった。
 そう。もう朝からお祭りは始まっていたのだ。

 このせいで、毎日の習慣だった朝練が出来なくなりカケルは今退屈しているのだ。
 習慣だったものが出来ないとなると、一日のリズムは崩れ、体は重くなり、活力も無くなるのだ。カケルの場合はこうだ(他の人は知らん)。

 まあこういう事があったわけで今カケルは動く気力もないのだ。
 机に手を突っ放し、だらけているのだ。

 その姿を見たミーニァはあ!っと閃いた顔でカケルに提案した。
 
 「カケルさん。外に行きましょうよ。せっかくのお祭りですし、エリン王女には許可を取っているので私もご一緒できますから、ね?」

 カケルはそう提案したミーニァさんの方を見た。
 ミーニァさんはおねだりのポーズでこちらを見ており、まあ折角の休みだしミーニァさんも一緒なら良いかなと思い、カケルは重い体を起こし私服で行くことにした。

 「うわーすっげー混んでるなー。僕の地元の祭りより凄いかも」

 カケルの地元の祭りは他も所から来るくらいの人気で約二千人はゆうに超えているが、この祭りは五千人いや七千人以上いるであろう。
 見ると亜人も祭りを楽しんでおり、この時だけは差別が無いように見えた。一部は嫌な顔をする人がいるが殆どが楽しげな表情をしていた。

 大通りを二人で歩いていると後ろから声をかけられてた。ふと後ろを振り返ると、そこにはセレスが立っていた。

 「あ!やっぱりカケルさんだ。奇遇ですね。あら?お隣の方は?」

 セレスは手を口元に持っていき、はっ!っとした表情をしており、彼女だったかな?お邪魔だったかしらと、感じているようにも見えた。

 カケルは勘違いをさせないように、慎重に答えた。まあ、面倒事は嫌だからな。

 「こちらは、僕のお世話をしてくれている、ミーニァさん。お世話と言っても身の回りだけどね」

 よし。これで勘違いされなく完璧!と思っていたのだが、また質問が返ってきた。

 「あら?カケルさんはどこかの貴族なんですか?」
 
 ん?なんでそんなことを聞くのかな?……あ!そういえばエリン王女が、貴族には基本お世話係がいるってなんか言ってたような気が……。

 まずい。これでは違う意味で勘違いをさせてしまう。
 何とか誤魔化せなければ、訳が分からなくなる。

 「あ、あぁ~。貴族とは違うお世話係で特殊なんだよ。まあ僕は貴族では無いから、そこは勘違いしないでね」

 カケルは苦笑いをしながら、苦し紛れの言い訳をした。
 
 だって言えるわけがないじゃん!。僕は他の世界からこの世界に召喚されて、王女様がお世話係を付けたなんて言ったらそりゃ笑いもんだよ。
 こいつ頭おかしいんじゃないってね。

 まあセレスさんに限っては無いと思うが、怪しまれないようにだ。

 「ふーん。今はそうしとくよ。それで今はお祭り巡りですか?」

 セレスは首を可愛げに傾けると、期待しているような目でこちらを見てきた。
 まるで子供がお菓子を買ってくれるのか期待してるかのようだった。

 なんかここは誘った方が良いのかな?セレスさんがこんな表情するなんて思わなかったからどうしよう。まあ一応誘っとくか。

 「あ、ああ。そうだけど。セレスさんも一緒に回る?」

 カケルはぎこちない感じで誘った。
 まあ顔の表情を見た感じ付いてきそうだが……。

 「え!良いの!?ありがとう!」

 セレスは顔がパァーっと明るくなり、飛び跳ねたりして喜んでる。よっぽど嬉しかったのだろう。
 カケルは隣にいるミーニァさんを見て、申し訳なさそうに謝った。

 「ごめんなさいミーニァさん。折角のお出かけだったのに。今回の代わりに埋め合わせするので、また今度お願い出来ますか?」

 「はい。あんまり気にしないで下さい。私はいつでも構いませんので」

 ミーニァはカケルに微笑えみながらそう言うと、セレスの方を見た。

 「ちなみに、カケルさんとはどういう関係なのですか?」

 ん?なんでそんな質問をセレスさんにするのかな?。やばいなんか嫌な予感が。
 カケルに額には脂汗がちょびっと浮かんでいた。

 「うーんそうですね……。友達以上恋人未満かな?(笑)」

 ミーニァさんの顔が小々ビクッと一瞬なったが、すぐ安堵した様子となった。
 カケルが想像していた展開にはならなかったが、ミーニァは少なからずセレスのことを警戒していた。

 カケルが以前話した、学園で最弱と馬鹿にされていると聞いたミーニァさんはセレスがカケルのことを侮辱した場合は、何らかの対応をとる展開を予想していたのだ。もしかしたら、ナイフとかを持ってたかもしれないしね。

 「はぁー、なーんだそんだけかー。良かったー。本当に良かった!」

 ミーニァさんはほっと胸をなで下ろした。手を胸に当てながら。

 「そ、それじゃあお祭り回りに行きますか?」

 カケルがその場の空気を変えるように提案した。

 「はい!行きましょう」

 「そうですね。カケルさん」

 セレスは元気良く、ミーニァは大人しく返事をした。

 
 闘技大会まで後一日。
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