魔法学園最弱の俺が英雄に

結城 もみじ

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第七話 お祭り後半

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 その後のお祭り回りは三人で巡る事になり、真ん中にカケル。その左にミーニァ。右にセレスと横に並んで歩いていた。

 最初に立ち寄ったのはお肉の良い香りが漂っているお店にした。そこで売られていたのは、串焼き肉にゴルソラをまぶした物だった。
 ゴルソラは前の世界で言えばブラックペッパーだが、風味が三倍程ゴルソラの方が強く、地元では愛用されている調味料だ。

 カケルは店のおっちゃんに『えーっと。これを三つ下さい』と言うと「はいよぉ!ちょいと待ってな」
と威勢の良い声で注文を承った。

 しばらくするとおっちゃんの手に三本の串焼き肉を持ってカケルの前に突きだした。
 カケルは串を貰う手とは反対の手でお金を支払った。

 「はいー三百ワード確かに貰ったよ!まいどありー」

 カケルは持ってる串をミーニァ、セレスの順番で渡した。
 流石に先端が尖っている物を食べながら歩くのは危険だと思い、大通りを抜けた先の大広場のベンチに腰を下ろすことにした。

 カケルが真ん中で、左がミーニァ、右にセレスと歩いている時と変わらない状態で座った。
 
 「では、頂きます。モグモグ……コレ意外と美味しいな。」

 カケルが串焼き肉を口いっぱいに頬張ると、自然と感想がでた。
 ゴルソラが強いのかと思ってたら、お肉と丁度良くマッチングしていて食べやすい味で美味しかった。いつの間にかお肉は無くなっていた。それほど美味しかったのだ。

 両隣に居るセレスやミーニァも美味しそうに食べていた。
 するとカケルの視線に気付いたミーニァさんが、カケルの方を見た。

 「カケルさん。はいあーん。」

 ミーニァはカケルの口の前に串焼き肉を持っていき、あーんと口を開けている。

 あれ?これって恋人とかがやるあーんじゃないか!
 マンガとかでよく見るシーンだが、まさか!自分がやるとは思ってもみなかったのだ。
 周りの視線とかが気になるが(特にセレス)遠慮なく受け取った(一生で最後かもしれないから)。

 カケルは一個だけお肉を貰った。
 食べたお肉は何故か自分で食べた物より、とっても美味しく感じた。これがあーんなのかと幸せそうに食べた。

 「ありがとう。とっても美味しかったよ!」

 「そうですか!それは良かったです。実はこれエリン王女に教えてもらったんです。」

 ミーニァは嬉しそうに語った。
 ていうかなんで王女がそんな事を知ってるんだ?ま、まさか!この世界にもあーんをする文化があるっていうのか!それはたまらんな~。

 カケルの心の中では、小さな自分が踊り舞っている状態で興奮というよりか感激しているのだ。
 徐々に心を落ち着かせるが、それと同時に恥かしさからくる脂汗が額から吹き出していた。

 ミーニァと向き合ってた姿勢でいたカケルが後ろを振り返ると、セレスがぎこちない笑顔を作っていた。多分カケルの事を思って作った笑顔だろう。

 「よ、良かったね。私も今さっき食べ終わったから次どこに行く?」

 はぁ私もあーんしとけば良かったな~とセレスは心で思っていたのはカケルもミーニァも知らなかった。
 
 「そうだな~腹ごしらえは終えたから、なんかアクセサリーとか見に行く?」

 カケルは女の子が喜びそうな場所を提案した。

 「そうですね。そうしましょうか。」
 とミーニァ。

 「アクセサリー!良いですね。」
 とセレスがカケルの提案に賛同した。

 カケル達はベンチから腰を浮かせ、再び大通りに戻るために歩いていった。
 周りからは嫉妬の目線が集まっていた。主に男性だったので出来る限り気づいてない振りを貫き通した。

 アクセサリーの露店はいくつかあったが、品数や色々見た結果三軒目の店で見ることにした。

 「わぁー!セレスさんこの髪飾り可愛いですよ。」
 
 「え?どれどれ……わぁー可愛い!ミーニァさん似合うんじゃない?」

 とセレスが言うとミーニァの髪に髪飾りを付けてあげた。
 
 「うんうん!やっぱり似合ってるよ。」

 「そ、そうですか。カケルさんはどう思いますか?」

 急な振りだったので少し驚いたが、笑顔で答えた。

 「うん似合ってるよ。可愛いよ。」
 
 と褒めるとミーニァの頬がピンク色に染まった。
 すると、ミーニァはセレスに似合う髪飾りを探し始めた。

 「これとかどうですか?」

 手にしたのは、薄紫の色の花の髪飾りだった。その髪飾りをセレスさんの髪に付けるとミーニァさんは似合ってると言った。

 「そう?それはありがとう。でカケルさんはどう思う?」

 「お、おう。似合ってるんじゃないか。」

 まさかセレスさんも聞いてくるとは思わなかったが、答えないのも悪いと思い感想を一応言った。
 その後は二つの髪飾りを買い、いろんな所を回った。気づけばもう夕方だったのでセレスと別れ、ミーニァとカケルは家に帰った。

 「今日はどうだった?」

 晩ご飯を作ってくれているミーニァさんにカケルは、料理の邪魔にならないように聞いた。

 「はい。とっても楽しかったです。誰かと出掛けることが今まで無かったので、とってもです嬉しかったですよ。」

 ミーニァは手を動かしながら、嬉しそうに言った。
 カケルは安心した様子で椅子に座り、ご飯の準備をしながら、ミーニァ手作りご料理を待った。

 それから約二十分待ったらミーニァから「出来ました」と声が聞こえたので、ワクワクしている子供のように待った。

 今日の晩ご飯はポルネアのスープ(コーンスープ)に、歯ごたえがありそうなパン。そして今日食べた串焼き肉に似たステーキが出てきた。

 「明日は闘技大会なので力がつきそうな料理にしてみました。」

 「なんか気を遣わせてごめんね。でもありがとう。明日は頑張るよ!」

 明日に向けて意気込みを言うと、早速ご飯に手を付けた。
 やっぱりどれもこれも美味しくて、この料理じゃ生きていけなくぐらいだ。特にステーキを口に含んだ後、パンをボルネアのスープに付けて食べるとより美味しく感じた。

 食後はミーニァが食器を片付けてくれて、カケルはお風呂に入った。

 はぁ~明日どうなるんだろう。負けちゃうのかな。てか確か相手ってゼクス、ヴォルルフペアったな~もう勝てる気しないよーあんなの反則でしょ。
 まあ全力を出さないとアイ先輩や出ないミアさんに申し訳ないから、頑張りますか。

 風呂で独り言を呟くと、カケルは風呂から上がり明日に備えて寝ることにした。
 
 カケルが深い眠りにつこうとした時、隣がモゾモゾし始めたので少し目を開けてみるとそこにはミーニァがいた。

 「あ!起きてしまいましたか。実は明日用事があるのでここに泊まることになったんですよ。」

 ん?そんなこと聞いていないぞ……そんなこと…………。
 カケルは睡魔に勝てず、再び眠りについた。
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