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第五話 後二日
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カケル達は闘技場に向かう途中、学園長と会った。
「やぁ。生徒諸君。闘技大会までもう少しだけど仕上がってる?」
まあ諸君と言っても、それはカケル達のことを言ってるんだが、あえてだろう。
「学園長先生。こんにちは。どうしてこんな所にいるんですか?」
こう聞いたのは二年のミア先輩だ。
確かに普段なら、学園長室にいるはずなのに何でだろ?誰かに用があるのかな。
「そりゃ用事があるからに決まってるだろ。そこに居るカケル君にね」
「え?僕ですか?」
「そう僕だよ。学園長室に案内するから付いてきてくれ」
おや?僕は何か悪いことでもしたかな?まさかこの学園から追放とか?ここで見放されたら流石にやばいんですが...。
カケルはビクビクしながら学園長の後ろを付いていった。
学園長室はこの学園の別館にあり、関係者以外立ち入り禁止となっている。
たまに、近況報告として教師が来るぐらいで、生徒なんかは滅多に入れるところではない。
その学園長室に入るって事は、よっぽど大事なことなんだろう。
カケルは聞かれることを推測しながら学園長の後を付いていくと、急に学園長が止まった。
どうやら学園長室に着いたそうだ。
「さあどうぞ。適当に腰掛けてちょうだい」
学園長は扉を開けるとカケルに指示し、部屋左奥にある小部屋で紅茶を作りだした。
用意してる紅茶はそこそこ高級のバッシュの葉をを使ってる紅茶。ほのかに甘く、後から来る苦みと、香りがとっても良く貴族の中では流行ってると聞く。
まあカケルにとっては、同じに感じるのであんまり気にしない。
そして部屋を見渡す。
学園長の机らしき物が奥の中央に置かれており、中央には話合いを想定したような机と椅子が置かれている。現在カケルが腰掛けているのは中央にある椅子だ。
壁には老婆の絵が飾られており、床は朱色の高そうな絨毯。
“うわー絶対金持ちだ”と眺めながら小声で呟いた。
「はい。どうぞ」
どうやら紅茶を入れ終えたらしい。
「あっ、どうも。それより僕に何のようですか?」
カケルの心の中は不安の色で染められており、額から冷や汗も吹き出している。
「そうね。まず聞きたいのは、貴方が何故王女様を通じてこの学園に入学したか。私は王女様からは“特別だから”としか教えて貰っていないの。だから貴方から教えて貰えるかしら?」
そのことを聞いたカケルは安堵した。
それと同時にキョトンともした。
何故王女様は学園長に詳しく教えなかったのか。
それに対して何故学園長は追求しなかったのか。まあ追求は立場上の問題で出来なかったと思うが、少しぐらいは追求をしても良かったと思うが。
カケル自身も王女様に口止めなどはされてないので、別に話して構わないだろうと思い、今まであった事を話した。
話を聞いた学園長はあんまり驚いた反応はせず、黙々と聞いていた。途中紅茶ち口を付けたりしていたが、飲み干すことは無かった。
そしてカケルが話し終えると、一気に紅茶を飲み干した。
「ふーん。この学園に来たのは基本知識を学ぶためと、力を覚醒させるためと。そしてカケルは異世界から来たと。まあこの世界なら有り得る話だからなー。まあ大体は分かった」
転位魔法の最上位級魔法は他の世界から連れて来たり、送ったりと出来るらしいが、その魔法を使える魔導師が数少ないため国専属の魔導師になるらしい。
国専属にする理由は、魔法の暴発をせさないために監視する意味でもあり、友好関係を築く為でもあると学園長が付け足しした。
「そ、そうですか。信じてもらえないかと思っていたので良かったです」
カケルが言い返すと、学園長は少し困った顔で考え始めた。
「でも、問題は力の覚醒ね。いつ覚醒するか分からないし、どのぐらいの強さの力なのかも分かってないとなると……」
それに関してはカケルも感じていたことだ。
だって、こんなに雑魚キャラがどう強くなるなんて想像出来ないのだ。
力の強さは覚醒してみないと分からないので、カケルにも分からない事なのだ。
「まあ、力の覚醒は恐らく早くて闘技大会に。遅くて卒業までだと思います。力の強さは、すみません僕にも分からないです」
カケルは申し訳なさそうな表情をした。
学園長はもう良いよと言わんばかりの表情をしていた。
「うぬ。もし力が覚醒したらまず、私に伝えなさい。そしてカケルが組んでるペアにも話すこと。これは約束よ。良いわね?」
「は、はい」
学園長は、もう用は済んだから闘技場に戻って良いと言われたので一礼し、カケルは急ぎ足で先輩達の所へ向かった。
「あれ?遅かったね。長話だったのかな?」
「はい。すみません。早速始めましょう」
訪ねてきたのはミア先輩だった。表情は心配しているようだった。
アイさんはよっぽど不安だったのか、あわあわしていた。
カケルは直ぐに更衣室行き、訓練用の制服に着替えアイさん達の所へ駆け足で向かった。
今日の練習メニューは、最初に剣の型の素振り。次に打ち込み。その次は剣術魔法を使って打ち込みをした。カケルの魔力は一般民クラスなので、一度の打ち込みしか使えないのだ。その後は基本の型の他に我流の型を素振りし、打ち込みをした。
明後日に闘技大会を控えてるので、今日は作戦会議の為に少し早めに引き上げた。
「今回の大会では、私とカケルが出るわ。ごめんなさいアイ。この前あの一年に宣戦布告されたから、それで……」
ミア先輩が言った宣戦布告とは、ペア決めの時にヴォルルフが言い放った事のことだ。
それより、先輩もあれを宣戦布告と受け取っていたのか。
恐らく相手はゼクスとヴォルルフの二人で掛かって来るであろう。
「良いよ気にしなくても。でもこうなったら優勝してよね!」
アイさんの目は期待の目をしていたが、カケルにはアイさんの気持ちに答えれるかと聞かれたら、恐らく“無理”と言ってしまうであろう。
なんせ相手は一、二年の上位のペアであり、片方は二年生で一位の人がいるのだ。正直言って勝ち目は無い。奇跡が起こらない限り。
「ごっほん。では今から基本の作戦を言うね」
ミア先輩がご老人のように咳払いをすると、作戦内容を喋り始めた。
「多分初戦の相手はヴォルルフのペアだと思う。私達をボコボコにしたいのなら、初戦で潰してくるでしょうね。」
それに対してカケルが口を挟んだ。
「でもミア先輩。対戦相手ってランダムで決まるんじゃ」
対戦相手は闘技大会当日に抽選で決まるのが普通なのだ。
だが、ミア先輩が投げかけた言葉により、理解した。いや納得した。
「そうね。普通はランダム抽選なんだけど、おそらく相手は貴族の力を使って抽選する教師を買収して不正するつもりね。どうやって不正するかは分からないけど」
まあ、彼奴らならやりかねないだろう。
貴族としての誇りが高い彼奴は、馬鹿にされたことを根に持つタイプだろう。
今回は馬鹿にされたというか、誇りを汚されただろう。
「でだ。こちらに勝機が無いわけではない。相手は魔力に頼る戦法でいくだろう。そこで私たちは剣術で攻めていこうと思う」
誇らしげに胸を張ってミア先輩は言った。
「だから毎日剣ばっかりしてたんですね。でも本当に剣でだけで勝てるんですか?」
「それなら問題ないわ。練習した剣術魔法を使えば魔法には対抗できるから。安心して」
だからあんなに剣ばっかりやっていたのか。魔力が無い分剣士か出来ない自分が悪いんだけどね。
でもカケルにも魔法は使える。だが、ミア先輩が外に放つ魔法より、自分にかける強化魔法の方が、魔力がない人は向いていると指摘されたので、強化魔法に専念した。
強化魔法は自分が持ってる物も強化する事ができる。例えば、カケルが使っていた剣に付ける魔法。カケルはエンチャント魔法を使用したが、他にも火剣や氷剣と言った属性も付けることが出来る。
他にも武器以外にも使用でき、薬の能力を強化するとき。物の強度を上げるとき等々一般民みの親しみのある魔法だ。
「それで、戦術は特に無いわ。状況で指示が変わるからね。まあこれぐらかな?……あ!私は強化魔法以外も使うからそのことも頭に入れといて。知らない魔法を使うかもだから」
ミア先輩は人差し指を立てて、注意深く指摘した。
カケルが「あ、はい」と返事をすると、ミア先輩が今日は解散して明後日に備えてねと言ってお開きとなった。
一方その頃――。
「明日石の剣に見える鉄の剣明日届くぞ」
そこは闘技場の隅にある小さな小部屋だ。
「もう抽選担当の教師は買収してあるぞ」
「二人とも準備が良いな。俺も明日に極薄防具が届くぞ」
ここにいるのは、ヴォルルフ、ベータ、ゼクスの三人組だ。
今話しているのは、明後日に開催される闘技大会のことだ。
「よーし。計画は順調だな」
とニヤニヤ悪巧みをしているヴォルルフ。
「ああ。俺達が不正をしてるなんて分かんねーだろ」
ヴォルルフと同じくニヤニヤしているベータ。
「気付く頃には、エリン王女や生徒達に醜態を晒すことになるだろう」
二人に比べてクールに話すゼクス。
「大会に出るのは俺とヴォルルフでいいか?」
ゼクスが手のひらを二人に出しながら提案する。
「俺は別に構わないぜ。どうせ俺が出たら一瞬で終わるからな」
ベータは想像しながら嘲笑いながら、手をヒラヒラと振りながら答えた。
「ベータすまないな。あの野郎に俺を選ばなかった事を後悔させてやるよ」
ヴォルルフはベータに謝ると、怒りを混じらせながら顔を歪めた。
「まあ、そう怒るな。時はもう直ぐそこなのだから。ああぁ楽しみだ」
「そうですねゼクス先輩。俺も楽しみで体がゾクゾクします」
「二人ともしくじるなよ。まあゼクス先輩がいれば大丈夫か」
ベータは安心した顔でそう語った。
ゼクスがそうだなと言うと三人とも顔を見合わせた。
「「「グハハハハァァ」」」
闘技場の隅のから男の高笑いが響いていた。
カケル達にじわじわと魔の手が迫っていた。
三人以外にそれを知るものはいないのであった.....
闘技大会まで後二日。
「やぁ。生徒諸君。闘技大会までもう少しだけど仕上がってる?」
まあ諸君と言っても、それはカケル達のことを言ってるんだが、あえてだろう。
「学園長先生。こんにちは。どうしてこんな所にいるんですか?」
こう聞いたのは二年のミア先輩だ。
確かに普段なら、学園長室にいるはずなのに何でだろ?誰かに用があるのかな。
「そりゃ用事があるからに決まってるだろ。そこに居るカケル君にね」
「え?僕ですか?」
「そう僕だよ。学園長室に案内するから付いてきてくれ」
おや?僕は何か悪いことでもしたかな?まさかこの学園から追放とか?ここで見放されたら流石にやばいんですが...。
カケルはビクビクしながら学園長の後ろを付いていった。
学園長室はこの学園の別館にあり、関係者以外立ち入り禁止となっている。
たまに、近況報告として教師が来るぐらいで、生徒なんかは滅多に入れるところではない。
その学園長室に入るって事は、よっぽど大事なことなんだろう。
カケルは聞かれることを推測しながら学園長の後を付いていくと、急に学園長が止まった。
どうやら学園長室に着いたそうだ。
「さあどうぞ。適当に腰掛けてちょうだい」
学園長は扉を開けるとカケルに指示し、部屋左奥にある小部屋で紅茶を作りだした。
用意してる紅茶はそこそこ高級のバッシュの葉をを使ってる紅茶。ほのかに甘く、後から来る苦みと、香りがとっても良く貴族の中では流行ってると聞く。
まあカケルにとっては、同じに感じるのであんまり気にしない。
そして部屋を見渡す。
学園長の机らしき物が奥の中央に置かれており、中央には話合いを想定したような机と椅子が置かれている。現在カケルが腰掛けているのは中央にある椅子だ。
壁には老婆の絵が飾られており、床は朱色の高そうな絨毯。
“うわー絶対金持ちだ”と眺めながら小声で呟いた。
「はい。どうぞ」
どうやら紅茶を入れ終えたらしい。
「あっ、どうも。それより僕に何のようですか?」
カケルの心の中は不安の色で染められており、額から冷や汗も吹き出している。
「そうね。まず聞きたいのは、貴方が何故王女様を通じてこの学園に入学したか。私は王女様からは“特別だから”としか教えて貰っていないの。だから貴方から教えて貰えるかしら?」
そのことを聞いたカケルは安堵した。
それと同時にキョトンともした。
何故王女様は学園長に詳しく教えなかったのか。
それに対して何故学園長は追求しなかったのか。まあ追求は立場上の問題で出来なかったと思うが、少しぐらいは追求をしても良かったと思うが。
カケル自身も王女様に口止めなどはされてないので、別に話して構わないだろうと思い、今まであった事を話した。
話を聞いた学園長はあんまり驚いた反応はせず、黙々と聞いていた。途中紅茶ち口を付けたりしていたが、飲み干すことは無かった。
そしてカケルが話し終えると、一気に紅茶を飲み干した。
「ふーん。この学園に来たのは基本知識を学ぶためと、力を覚醒させるためと。そしてカケルは異世界から来たと。まあこの世界なら有り得る話だからなー。まあ大体は分かった」
転位魔法の最上位級魔法は他の世界から連れて来たり、送ったりと出来るらしいが、その魔法を使える魔導師が数少ないため国専属の魔導師になるらしい。
国専属にする理由は、魔法の暴発をせさないために監視する意味でもあり、友好関係を築く為でもあると学園長が付け足しした。
「そ、そうですか。信じてもらえないかと思っていたので良かったです」
カケルが言い返すと、学園長は少し困った顔で考え始めた。
「でも、問題は力の覚醒ね。いつ覚醒するか分からないし、どのぐらいの強さの力なのかも分かってないとなると……」
それに関してはカケルも感じていたことだ。
だって、こんなに雑魚キャラがどう強くなるなんて想像出来ないのだ。
力の強さは覚醒してみないと分からないので、カケルにも分からない事なのだ。
「まあ、力の覚醒は恐らく早くて闘技大会に。遅くて卒業までだと思います。力の強さは、すみません僕にも分からないです」
カケルは申し訳なさそうな表情をした。
学園長はもう良いよと言わんばかりの表情をしていた。
「うぬ。もし力が覚醒したらまず、私に伝えなさい。そしてカケルが組んでるペアにも話すこと。これは約束よ。良いわね?」
「は、はい」
学園長は、もう用は済んだから闘技場に戻って良いと言われたので一礼し、カケルは急ぎ足で先輩達の所へ向かった。
「あれ?遅かったね。長話だったのかな?」
「はい。すみません。早速始めましょう」
訪ねてきたのはミア先輩だった。表情は心配しているようだった。
アイさんはよっぽど不安だったのか、あわあわしていた。
カケルは直ぐに更衣室行き、訓練用の制服に着替えアイさん達の所へ駆け足で向かった。
今日の練習メニューは、最初に剣の型の素振り。次に打ち込み。その次は剣術魔法を使って打ち込みをした。カケルの魔力は一般民クラスなので、一度の打ち込みしか使えないのだ。その後は基本の型の他に我流の型を素振りし、打ち込みをした。
明後日に闘技大会を控えてるので、今日は作戦会議の為に少し早めに引き上げた。
「今回の大会では、私とカケルが出るわ。ごめんなさいアイ。この前あの一年に宣戦布告されたから、それで……」
ミア先輩が言った宣戦布告とは、ペア決めの時にヴォルルフが言い放った事のことだ。
それより、先輩もあれを宣戦布告と受け取っていたのか。
恐らく相手はゼクスとヴォルルフの二人で掛かって来るであろう。
「良いよ気にしなくても。でもこうなったら優勝してよね!」
アイさんの目は期待の目をしていたが、カケルにはアイさんの気持ちに答えれるかと聞かれたら、恐らく“無理”と言ってしまうであろう。
なんせ相手は一、二年の上位のペアであり、片方は二年生で一位の人がいるのだ。正直言って勝ち目は無い。奇跡が起こらない限り。
「ごっほん。では今から基本の作戦を言うね」
ミア先輩がご老人のように咳払いをすると、作戦内容を喋り始めた。
「多分初戦の相手はヴォルルフのペアだと思う。私達をボコボコにしたいのなら、初戦で潰してくるでしょうね。」
それに対してカケルが口を挟んだ。
「でもミア先輩。対戦相手ってランダムで決まるんじゃ」
対戦相手は闘技大会当日に抽選で決まるのが普通なのだ。
だが、ミア先輩が投げかけた言葉により、理解した。いや納得した。
「そうね。普通はランダム抽選なんだけど、おそらく相手は貴族の力を使って抽選する教師を買収して不正するつもりね。どうやって不正するかは分からないけど」
まあ、彼奴らならやりかねないだろう。
貴族としての誇りが高い彼奴は、馬鹿にされたことを根に持つタイプだろう。
今回は馬鹿にされたというか、誇りを汚されただろう。
「でだ。こちらに勝機が無いわけではない。相手は魔力に頼る戦法でいくだろう。そこで私たちは剣術で攻めていこうと思う」
誇らしげに胸を張ってミア先輩は言った。
「だから毎日剣ばっかりしてたんですね。でも本当に剣でだけで勝てるんですか?」
「それなら問題ないわ。練習した剣術魔法を使えば魔法には対抗できるから。安心して」
だからあんなに剣ばっかりやっていたのか。魔力が無い分剣士か出来ない自分が悪いんだけどね。
でもカケルにも魔法は使える。だが、ミア先輩が外に放つ魔法より、自分にかける強化魔法の方が、魔力がない人は向いていると指摘されたので、強化魔法に専念した。
強化魔法は自分が持ってる物も強化する事ができる。例えば、カケルが使っていた剣に付ける魔法。カケルはエンチャント魔法を使用したが、他にも火剣や氷剣と言った属性も付けることが出来る。
他にも武器以外にも使用でき、薬の能力を強化するとき。物の強度を上げるとき等々一般民みの親しみのある魔法だ。
「それで、戦術は特に無いわ。状況で指示が変わるからね。まあこれぐらかな?……あ!私は強化魔法以外も使うからそのことも頭に入れといて。知らない魔法を使うかもだから」
ミア先輩は人差し指を立てて、注意深く指摘した。
カケルが「あ、はい」と返事をすると、ミア先輩が今日は解散して明後日に備えてねと言ってお開きとなった。
一方その頃――。
「明日石の剣に見える鉄の剣明日届くぞ」
そこは闘技場の隅にある小さな小部屋だ。
「もう抽選担当の教師は買収してあるぞ」
「二人とも準備が良いな。俺も明日に極薄防具が届くぞ」
ここにいるのは、ヴォルルフ、ベータ、ゼクスの三人組だ。
今話しているのは、明後日に開催される闘技大会のことだ。
「よーし。計画は順調だな」
とニヤニヤ悪巧みをしているヴォルルフ。
「ああ。俺達が不正をしてるなんて分かんねーだろ」
ヴォルルフと同じくニヤニヤしているベータ。
「気付く頃には、エリン王女や生徒達に醜態を晒すことになるだろう」
二人に比べてクールに話すゼクス。
「大会に出るのは俺とヴォルルフでいいか?」
ゼクスが手のひらを二人に出しながら提案する。
「俺は別に構わないぜ。どうせ俺が出たら一瞬で終わるからな」
ベータは想像しながら嘲笑いながら、手をヒラヒラと振りながら答えた。
「ベータすまないな。あの野郎に俺を選ばなかった事を後悔させてやるよ」
ヴォルルフはベータに謝ると、怒りを混じらせながら顔を歪めた。
「まあ、そう怒るな。時はもう直ぐそこなのだから。ああぁ楽しみだ」
「そうですねゼクス先輩。俺も楽しみで体がゾクゾクします」
「二人ともしくじるなよ。まあゼクス先輩がいれば大丈夫か」
ベータは安心した顔でそう語った。
ゼクスがそうだなと言うと三人とも顔を見合わせた。
「「「グハハハハァァ」」」
闘技場の隅のから男の高笑いが響いていた。
カケル達にじわじわと魔の手が迫っていた。
三人以外にそれを知るものはいないのであった.....
闘技大会まで後二日。
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