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第一話 運び屋
11.「少女2」
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窓から差し込む朝日と小鳥の囀りで目を覚ます。
慣れ親しんだベッドの上、見覚えのある天井がそこにあった。
ここは事務所の奥にある自室。
ベッドとちょっとした日用品が置いてあるだけの簡素な部屋。
因みに隣はシオンの部屋だ。
「う……」
まるで二日酔いにでもなってしまったかのように頭がガンガンと痛む。酒を飲んだ覚えはないのだが…うぅむ。
昨日は…どうしたんだったか……?
何か妙な夢を見ていたような気がするが…
取り敢えず一旦起きるか…と上半身を起こす。
何故か上半身が裸なのに加えて、まるで全身が筋肉痛であるかのようにバキバキだった。
ふにゅ。
「…ん?」
そういえば、毛布の膨らみ方が不自然だ。
それに今の感触は…
落ち着け。こういう時こそ冷静に…
そう自分に言い聞かせ、勢いよく毛布を捲る。
そして戻す。うん。俺は何も見なかった。
毛布の下に全裸の女なんて居ない。
「働き過ぎか…?」
そう、きっと疲れているんだ。
若しくは夢か何かを見ているんだ。
そうに決まっている。そうだと言ってくれ。
「若しくは…酒の勢い的なアレか…?
いや、いくらなんでも……」
ぶつぶつと溢しつつ、見間違いでは…という淡い期待を抱きながら少しだけ毛布を捲ってみる。
しかし、やはりそこには緑髪の女。
その小柄さと顔立ちのあどけなさを見るに少女と呼んでも差し支えない年頃かもしれない。
「いやいや、ガキをお持ち帰りって…ないない。
あったら不味いだろ流石に………」
ない…よな……?
多分、きっと、絶対ない。そんな趣味は。
一人問答を繰り広げる中、不意にノック音が響く。
「ヤマトさん…?目が覚めたんで…………」
何だ…?シオンが固まってしまった。
あ、そうか。この格好のせいか。
この、格好……
俺は上半身半裸…その隣には全裸の少女が……。
「待てシオン、違うぞ?
この格好は、何故か起きたらこうなってて、この女は…よくわからんが、やましい事は何も無くてだな…?」
浮気がバレた時のような気分だ。
シオンとは恋人同士でも何でもないが。
「い、いや、わかってますよ…?
ちょっとビックリしただけで……。
そもそもベッドまで二人を運んだの俺っすから。」
そうなのか。それは、ご苦労をお掛けしまして…
「…えっと、ヤマトさん?
昨日何があったかって覚えてます…?」
恐る恐る、と言った様子でシオンが尋ねてくる。
「ん?何が…って、やはり何かやらかしたのか俺は」
「やらかし…?はよくわかんないっすけど…
ほら、変な二人組が来て、荷物を渡せって…」
そうだ。確か仕事で馬鹿でかいキャリーケースを押し付けられたかと思ったら、今度は妙な連中が荷物寄越せとか言ってきて、それで…。
「…確か俺刺されたよな。」
「刺されたっすね。串刺し。」
「何で生きてるんだ。怪我もしてないし…」
あの時、確かに肩口と心臓と
右の太腿辺りを鉄杭で貫かれた筈だった。
そんな傷が一晩で完治するとは到底思えない。
「それは、えっと…」
言い淀むシオン。
何か言い辛い事でもあるのだろうか、
あからさまに目を逸らす。
「と、とにかく、無事でよかったっすよ!!」
…?まぁ、それはそうなのだが。
何とも煮え切らない。
慣れ親しんだベッドの上、見覚えのある天井がそこにあった。
ここは事務所の奥にある自室。
ベッドとちょっとした日用品が置いてあるだけの簡素な部屋。
因みに隣はシオンの部屋だ。
「う……」
まるで二日酔いにでもなってしまったかのように頭がガンガンと痛む。酒を飲んだ覚えはないのだが…うぅむ。
昨日は…どうしたんだったか……?
何か妙な夢を見ていたような気がするが…
取り敢えず一旦起きるか…と上半身を起こす。
何故か上半身が裸なのに加えて、まるで全身が筋肉痛であるかのようにバキバキだった。
ふにゅ。
「…ん?」
そういえば、毛布の膨らみ方が不自然だ。
それに今の感触は…
落ち着け。こういう時こそ冷静に…
そう自分に言い聞かせ、勢いよく毛布を捲る。
そして戻す。うん。俺は何も見なかった。
毛布の下に全裸の女なんて居ない。
「働き過ぎか…?」
そう、きっと疲れているんだ。
若しくは夢か何かを見ているんだ。
そうに決まっている。そうだと言ってくれ。
「若しくは…酒の勢い的なアレか…?
いや、いくらなんでも……」
ぶつぶつと溢しつつ、見間違いでは…という淡い期待を抱きながら少しだけ毛布を捲ってみる。
しかし、やはりそこには緑髪の女。
その小柄さと顔立ちのあどけなさを見るに少女と呼んでも差し支えない年頃かもしれない。
「いやいや、ガキをお持ち帰りって…ないない。
あったら不味いだろ流石に………」
ない…よな……?
多分、きっと、絶対ない。そんな趣味は。
一人問答を繰り広げる中、不意にノック音が響く。
「ヤマトさん…?目が覚めたんで…………」
何だ…?シオンが固まってしまった。
あ、そうか。この格好のせいか。
この、格好……
俺は上半身半裸…その隣には全裸の少女が……。
「待てシオン、違うぞ?
この格好は、何故か起きたらこうなってて、この女は…よくわからんが、やましい事は何も無くてだな…?」
浮気がバレた時のような気分だ。
シオンとは恋人同士でも何でもないが。
「い、いや、わかってますよ…?
ちょっとビックリしただけで……。
そもそもベッドまで二人を運んだの俺っすから。」
そうなのか。それは、ご苦労をお掛けしまして…
「…えっと、ヤマトさん?
昨日何があったかって覚えてます…?」
恐る恐る、と言った様子でシオンが尋ねてくる。
「ん?何が…って、やはり何かやらかしたのか俺は」
「やらかし…?はよくわかんないっすけど…
ほら、変な二人組が来て、荷物を渡せって…」
そうだ。確か仕事で馬鹿でかいキャリーケースを押し付けられたかと思ったら、今度は妙な連中が荷物寄越せとか言ってきて、それで…。
「…確か俺刺されたよな。」
「刺されたっすね。串刺し。」
「何で生きてるんだ。怪我もしてないし…」
あの時、確かに肩口と心臓と
右の太腿辺りを鉄杭で貫かれた筈だった。
そんな傷が一晩で完治するとは到底思えない。
「それは、えっと…」
言い淀むシオン。
何か言い辛い事でもあるのだろうか、
あからさまに目を逸らす。
「と、とにかく、無事でよかったっすよ!!」
…?まぁ、それはそうなのだが。
何とも煮え切らない。
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