僕に双子の義兄が出来まして

サク

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千秋視点2

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「二人、揃うと恐ろしいな」
「ああ、そうだな」
「歓声も二倍ですね」
「ある意味で怖いな」

「「……」」
 そういう仲間のぼやきは聞こえない振りをさせてもらう。

 始まった、球技大会。学校で千春と一緒にスポーツをすることは小学生の時以来だ。
 千春からパスを受け取り、シュートし点を入れ、向かってきた相手からボールを取ると、千春や味方に回す。
 いつもより動きやすく、気づいたら、大差で勝っており、「あ、やりすぎた」その呟きは千春と重なった。

 しかし、一回戦で大差をつけて勝ってしまった為、他の試合も大差をつけて勝っていくことにした。順調に勝っていき。残すところは決勝戦のみとなった。


 中高合同と言っても体格差がある為、サッカーは高等部にある、二つのグラウンドを、中等部と高等部に分けて試合が行われ、バスケは二面に体育館内を分けて試合がそれぞれ行われている。

 野球は一軍が使用している所を高等部が二軍が使用しているとことを中等部が試合を行い、卓球は本来、武道館を使用出来ればよかったのだが、剣道部、柔道部など、使用をしている顧問達が武道館は神聖なもので、汚されたら、たまらん。と、昔から、禁止されているらしい。毎回、稽古前と後に清掃をしていると聞くから、汚されたくないのは分かる。だから、卓球だけ、中等部の体育館で行われている。
 
大体、どの競技も午前中に決勝と三位決定戦以外の試合を終わらせて、午後からは、決勝戦と三位決定戦が行われる。そして、高等部の一位、二位、三位と中等部の一位、二位、三位が決まる。
特別ルールとして、中等部の一位になった者達が高等部と試合したいと、望めば試合することになるが。滅多にない。

 午後一番から始まる、俺達の決勝戦の相手は、紀藤の従兄弟がいるクラスだった。

「5連覇まで、あと一勝、心地よくケーキが食べられるように、かんばるぞ」

 お昼に会った悠暉がそう言って右手を空に向かって高く上げていた。
 悠暉の決勝の相手は石田の弟みたいだ。

「僕達も次で優勝が決まります」
「楽勝、楽勝」

 そう言ったのは、千冬と、千夏だ。そういった二人に悠暉が心配そうな顔していた。

「「悠暉、どうした?」」

 どうしても、悠暉のことになると無意識に千春と言葉が重なる。

「僕、先程、バスケの決勝戦の相手の試合を見ていたんだけど」
「俺らも見に行ったぜ。3年のスポーツの特待生がいるクラスだよな」
「彼の事は周りから聞きました。バスケの特待生だと、しかし、高1の時は春兄様に負けて、高2の時は秋兄様に負けたと聞きました」
「今度は俺達に敗れるわけだ」

 そう言って、笑う二人に悠暉は難しい顔をしている。

「あのチーム、分からないようにラフプレイしているから、気を付けて、審判も気づいていない。幸平君達にも気を付けてって言っといてね」

「平気、平気、軽やかにかわしてやるぜ」
「悠暉君の気のせいでは?それにやられた方のチームが黙っていないでしょう?」
「わざッとなのに、たまたま当たって、とか、うっかりミスでって感じで、文句を言われたら答えていたよ。
本来、それは違反なんだけど、ほら、公式の試合ではなく、高校の球技大会でしょ。本当に細かくルールなんて、それこそ、授業でしかやらない人は知らないし、謝っているから、相手も強くは言えないんだよ。謝ればいいってもんじゃないのだけどね。とりあえず怪我しないように気を付けて」

「平気だって、当たっても、大したことないってことだろ?」
「まあ、平気でしょう」

 悠暉の忠告を余り真剣にとらえていない二人に、苛立ちを感じるが、悠暉が気にしていなかったから、何も言わなかった。

「なんか、嫌な予感がするのだけど、大丈夫かなぁ」

 俺と千春の間から聞こえた小さな悠暉の呟きに思わず、手が悠暉の頭を撫でていた。悠暉の頭に手を乗せた時、千春の指に少し当たった。本当、悠暉の事になると行動が似てしまう。

 俺達の行動に、こちらを見て、吃驚している従兄弟達が見えた。俺が誰かの頭を撫でるなんて親戚の子でもないからな。思い返しても悠暉しかないな。千春のキャラ的にはどうだろうと、千春を見た、同じタイミングで目があり、千春もそうなのかと苦笑する。

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