僕に双子の義兄が出来まして

サク

文字の大きさ
45 / 120

友人の千秋とその義弟の悠暉君 美濃前忠司視点 (だって、家庭部が無かったんだ。by悠暉)

しおりを挟む
「だらしない頬ですみません。ゆるゆるなの。千秋君と千春君が嬉しそうなので僕も嬉しさ感染中です」

また、無意識なのだろう、悠暉君の声が聞こえてきた。

そんな悠暉君は、急に立ち上がった千秋達に抱えられ、千秋達の膝の上に座らせられ、抱きしめられている。

俺達からは顔が見えない。千秋達の独占欲が垣間見え驚きともに、納得が浮かぶ。

本当にうれしいそうに笑う悠暉君の顔は可愛かった。千秋の義弟。千秋の大事な子。可愛い過ぎ。
末っ子の俺は、こんな弟が欲しかった。

さっきまで、渦巻いていた、気持ちは悠暉君の言葉で消えた。二人の入れ替わり、それをカミングアウトしてくれたことに、千秋の秘密を打ち明けてくれたことに、友人だと思ってくれていたことに、嬉しさがわく。

きっと、悠暉君がいたことで、俺達に打ち明けてくれたのだろう。ちょっと抜けていて、でも成績優秀で、身体能力も凄い。

ふと、この学校の中学の先生をしている一番上の兄が昔、言っていた優等生問題児の話を思い出した。

「兄がさ、中等部で働いているんだけどさ、そこで優等生問題児がいるって、昔言っていてさ、優等生なのに問題児なんて訳分かんないだろ?
そいつ、特定の誰かと仲良くならず、のらりくらり、よく、家庭科室を借りたいと申し出ては了承を貰いに来る。夏になるとアイスを作り、冷凍庫の中へ入れて、ご自由にどうぞっと、書かれた紙を貼っていくんだと、中を開けると、手作りアイスが置いてあるって」

「のらりくらり」
悠暉君からそう呟きが聞こえた。

「そう。でも、用務員の爺ちゃん達とは仲が良くてさ。冬は一緒に焚火で焼き芋をしているらしい。冬の体育の授業のマラソンってさ、終わったら、自由にしていいじゃん。25分で10キロを走り切って、残りの時間でさ、のんびりとその爺ちゃん達とココアや手作りお菓子を楽しんでいて。先着5名がその恩恵を貰えるとかって、そいつと同じクラスになった男子が、めっちゃ真剣にマラソンに取り組んでいるってさ」

「スゲーな。そいつ」

「だろ?料理上手で成績は優秀、言葉巧みに了承を取りに来るからついついオッケーしちゃうんだと。用務員の爺ちゃんや教職員達とたまに、イベント企て、楽しでいるらしい。
去年の夏は流しそうめんして、今年の一月は餅つきして、ぜんざいや、あんころ餅、饅頭を作ったらしい。小豆が余って、アイス饅頭も作ったらしいけど、それらは中高すべての教師陣で、全部食い尽くして生徒の分が残らなかったってさ。美味かったと報告されて、殴っておいた」

「その、家庭科室のアイス食べたことあります。夏によく先生が、生徒会の仕事終わりに家庭科室にアイスあるから食べていきなって言っていて、大山と千春を誘って食べに行っていました。中等部でも高等部でも生徒が作っていたとは思いませんでした。アイス饅頭、食べたかったです」

「あのアイス、美味しいよな、何個か種類もあってさ。俺、あのアイスの抹茶が一番好きだな」

石田と大山の言葉に、俺が行ったときは空だったから、羨ましさを感じる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

辺境の酒場で育った少年が、美貌の伯爵にとろけるほど愛されるまで

月ノ江リオ
BL
◆ウィリアム邸でのひだまり家族な子育て編 始動。不器用な父と、懐いた子どもと愛される十五歳の青年と……な第二部追加◆断章は残酷描写があるので、ご注意ください◆ 辺境の酒場で育った十三歳の少年ノアは、八歳年上の若き伯爵ユリウスに見初められ肌を重ねる。 けれど、それは一時の戯れに過ぎなかった。 孤独を抱えた伯爵は女性関係において奔放でありながら、幼い息子を育てる父でもあった。 年齢差、身分差、そして心の距離。 不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。

最愛の番になる話

屑籠
BL
 坂牧というアルファの名家に生まれたベータの咲也。  色々あって、坂牧の家から逃げ出そうとしたら、運命の番に捕まった話。 誤字脱字とうとう、あるとは思いますが脳内補完でお願いします。 久しぶりに書いてます。長い。 完結させるぞって意気込んで、書いた所まで。

俺の人生をめちゃくちゃにする人外サイコパス美形の魔性に、執着されています

フルーツ仙人
BL
上位存在×人間。人外サイコパス美形に、知らん間にド級のやばい執着をされ、懐かれ?苦労させられる苦学生のホラーラブコメです。初期は割と双方向塩対応ぎみ→じれじれ→もだもだ→相互尊重両想い&人外からの執着病みぎみです 現代地球によく似た異世界。里親を転々としてきた苦学生のダリオ・ロータスは、怪異を見ることができるが、関わってろくなことがない人生だった。現在彼は、大学生。時給2000リングにつられて、メイド喫茶のような会員制クラブで働いている。体格の良いダリオは自分でも違和感満載だが、一に金、二に金、とにかく金は大事だという思いから、どうなんだ? と思う自分をあっさり亡き者にしているドライな青年だ。彼は、客のカーター氏から『異次元の門』というマジックアイテム(後に判明)をプレゼントされたことで、異次元から『支配者』と呼ばれる恐ろしい存在と邂逅する。『支配者』は夜のように美しい青年テオドール。ダリオを『花』と呼ぶが…… エブリスタ、フジョッシーにも投稿していましたが、削除してこちらの投稿に変更しました。ムーンにも投稿しています。タイトル迷走中です ※合意のない性行為について、随所に否定的な話となっています。男女ともに性被害事件の取り扱いがあります。 ※大型人外形態の性描写有。攻めが様々な形態になります。 ※♡時々あります 【UI変更のためムーンライトでの更新を停止し、アルファポリスでのみ更新予定です】

アイドルのマネージャーになったら

はぴたん
BL
大人気5人組アイドル"Noise" ひょんな事からそのマネージャーとして働く事になった冴島咲夜(さえじまさくや)。 Noiseのメンバー達がみんなで住む寮に一緒に住むことになり、一日中メンバーの誰かと共にする毎日。 必死にマネージャー業に専念し徐々にメンバーとの仲も深まってきたけど、、仲深まりすぎたかも!? メンバー5人、だけではなく様々な人を虜にしちゃう総愛され物語。

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

親友のお願いを聞いたら異世界から来た騎士様に求婚されました

藤吉めぐみ
BL
いつも通りに家に帰っていた大学生の心都(こと)。そんな心都を家の前で待っていたのは3ヶ月前から行方不明になっていた親友・悠隆と、銀の鎧を着た背の高い見知らぬ男。 動揺する心都に悠隆は、「ちょっと異世界に行っててさー。で、向こうの騎士様が付いてきちゃって、心都のところで預かってくれない?」とお願いしてくる。隣の騎士も「あなたに会いたくてここまで来てしまいました」と言い出して……!? 1DKの部屋から始まる、イケメン騎士とお人好し大学生の世界を越えた同居ラブ。

俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中

油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。 背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。 魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。 魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。 少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。 異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。 今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。 激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ

処理中です...