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小話
ギン爺視点3
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「明日、海釣りに行くらしい」
「場所もすべて調べよ」
「もう調べてある。どうやったら、こうも大物たちと仲良くなれるんか、もうこれは才能じゃな」
そいつから、届いたファイルには、目が飛び出るほどの、大御所たちが乗っていた。一線を退き、息子や、若手に譲って引っ込んだ者達だった。
ぐおおおおお、なんとも、羨ましい。儂も引っ込んで孫と遊びたい。それはできぬとわかっていた。後継は、まだ見つかっていない。
「お前らはどうした?」
「わしゃらは、きっと気を使われたんだろう。皆、年も年だからな。膝も腰もわるくなっているしな」
「そう「一緒に行ったら、山だと、熊と戦ってこいって言われそうだし、海だと、サメをとって来いって無茶ぶりさせられそうだもん。そう言われちまったよ」お前の息子と孫がやらされ、泣きながら帰ってきていたことを今でも覚えておるぞ」
見る目の正しい孫でよかった。
「我が家の洗礼儀式じゃよ。それをこなし無事に帰ってきてこそ、天王家の使用人として、第一歩が踏めるんじゃて」
「そんな儀式があるのは、お前のところだけだがな」
「ほぉ。ほぉ、ほぉ」
笑って誤魔化しやがった。
釣りをしたことないのに、釣り道具を一式そろえ、こっそり向かった、海釣り。
その目の前の光景に儂の歯のギリギリは止まらなかった。
「リン爺」
なっ
「ゴン爺」
んっ
「マサ爺」
だっ
「ライ爺」
とっ
儂の孫なのにぃぃぃぃ。儂は呼んでもらえないというのにぃぃ。
「あ、網が」
孫の声が聞こえて、こちらに流されてきた網を持っていた釣り竿で手繰り寄せ引き上げると孫の方へ、持って行った。
「すみません。ありがとうございます」
そう、孫に話しかけられ、それから、交流することとなった。歓喜。
「ギン爺」
なんといういい響き、孫との交流は楽しいものだった。そう、交流を持てたなら、律江も連れて来よう。
そして、次の海釣りのお誘いに妻を連れてきて
「りっちゃんだ」
と紹介した。
りっちゃんは、孫をガン見していた。
「僕は、ハルアキだよ。本名は内緒。ハルアキって呼んでね。りっちゃん」
このころの悠暉は、ものすごく、眠たそうな顔をしていた。
「寝不足か?」
ライ爺の問いに
「やっぱり、そう見える?あのね。僕は平穏主義者なのに、みんなに怖いって言われるんだよ。だから、こうやって、怖くない顔をしようと、頑張っているところなんだ。前の席の子が毎日震えて怯えているからね。あと、喧嘩を吹っ掛けられるから、めんどくさくて。まだ維持ができなくて、すぐに戻っちゃうんだけどね」
そう言ったハルアキから、本当、僕は平穏主義者なのにという小さな呟きが聞こえてきた。
優しい子だ。りっちゃんが涙ぐんでいた。
しかし、平和主義者は聞いたことがあるが平穏主義者は聞いたことがないのぅ。
「う~ん、やっぱり、ギン爺、8歳の時に会った三重彦爺さんのお友達に似ている気がする。でも、他人の空似かなぁ」
次に聞こえてきた呟きに。
こちらを笑顔で振り向いた妻の顔が般若に変った。
「「「ひぃ」」」
儂の後ろにいた者達もその光景を見たのか儂と同じぐ悲鳴を上げる。
「ハルアキ君、少しの間、ギン爺と大事な話があるから、席を離れるわね」
「うん?分かった。二人の場所取りは任せて」
また笑顔に戻った妻はハルアキと楽しそうに話す。またこちらを向いたときには般若を通り越して、鬼と化していた。怖すぎる。儂は半ば引きずられるように妻に連れた行かれた。
律江は三重彦のことを知っていた。そして、一人で、幼い悠暉君に会ったことを知った鬼と化した妻に色々と問い詰められた。
「ずるいわ」
そう言われた。その後、妻は泣きながら、孫の可愛さを語っていた。孫を抱きしめたいそう言っていたけど、バレるわけにはいかない。後継者を一族から決めない、わしらの命を狙う者も出てきた、老いた儂なら潰せるとでも思っているらしい。そいつ等をすべて潰すまでは、まだまだ安心できなかった。
「早急に潰しましょ。私も手伝うわ」
妻も俺の考えを理解してそう言った。
「いや、わし、<ドッゴオオン>」
「手伝うわ」
儂一人で十分だと言おうとして、律江の拳が顔の横を通り過ぎた。凄い音がして、後ろのコンクリートの壁が貫通し穴が開いていた。そういえば、律江の力はゴリラ並みに強かった。
目の前のブチにブチ切れた律江の顔に、ハルアキには悪いが、ハルアキの前の席の子の気持ちがよく分かった気がした。すまぬ。
「じゃぁ、私は戻るから、その壁直しといてね」
危険な目に合わせたくなかったが、了承するしかなかった。
笑顔に変わった妻の言葉に知り合いに電話をかけ、手配を頼んだ。
どんなに権力があろうとも、どんなに力があろうとも、愛する者には勝てんのじゃ。
そう、儂は妻には勝てん。
チカチカと光るスマホに映る、着信相手の名前を見て、
儂より先に儂の孫と仲良くなりやがって、羨ましいことこの上なし。
昔を思い出していた所為か、その思いが湧き上がってくる。
深呼吸して、気持ちを落ち着かせてから、電話に出る。そうしなければ、思い出した想いのまま罵ってしまいそうでな。
「儂の孫が迷惑かけたみたいだな。あと、儂らの分も残しといてくれるか」
「皆、過激やのぅ」
「お主より、ましや。そういえば、儂の孫達はお主のお眼鏡にかなったみたいだな。千春と千秋を頼んだ」
「早いのぅ。一年猶予があるんじゃ、決めるのはあいつ等じゃ」
「そうか?あの双子は行動が早いからな、準備しておいた方がよいぞ。じゃぁ、また、年末に」
そう、返答を残して、電話は切られた。
本当、気乗りせんのぅ。あやつの孫など。でも、悠暉の幸せの為なら、そんな、儂の嫉妬など、どうだって良い。
先ほど会った、双子を思い返して思う。恐ろしい子達じゃった、賢い子達じゃった、何より、悠暉の為なら無茶をしてしまいそうな子達じゃ。そして、あの子もまた双子の為に無茶をしてしまいそうじゃな。
とりあえず、準備だけはしておくかのぅ。
「場所もすべて調べよ」
「もう調べてある。どうやったら、こうも大物たちと仲良くなれるんか、もうこれは才能じゃな」
そいつから、届いたファイルには、目が飛び出るほどの、大御所たちが乗っていた。一線を退き、息子や、若手に譲って引っ込んだ者達だった。
ぐおおおおお、なんとも、羨ましい。儂も引っ込んで孫と遊びたい。それはできぬとわかっていた。後継は、まだ見つかっていない。
「お前らはどうした?」
「わしゃらは、きっと気を使われたんだろう。皆、年も年だからな。膝も腰もわるくなっているしな」
「そう「一緒に行ったら、山だと、熊と戦ってこいって言われそうだし、海だと、サメをとって来いって無茶ぶりさせられそうだもん。そう言われちまったよ」お前の息子と孫がやらされ、泣きながら帰ってきていたことを今でも覚えておるぞ」
見る目の正しい孫でよかった。
「我が家の洗礼儀式じゃよ。それをこなし無事に帰ってきてこそ、天王家の使用人として、第一歩が踏めるんじゃて」
「そんな儀式があるのは、お前のところだけだがな」
「ほぉ。ほぉ、ほぉ」
笑って誤魔化しやがった。
釣りをしたことないのに、釣り道具を一式そろえ、こっそり向かった、海釣り。
その目の前の光景に儂の歯のギリギリは止まらなかった。
「リン爺」
なっ
「ゴン爺」
んっ
「マサ爺」
だっ
「ライ爺」
とっ
儂の孫なのにぃぃぃぃ。儂は呼んでもらえないというのにぃぃ。
「あ、網が」
孫の声が聞こえて、こちらに流されてきた網を持っていた釣り竿で手繰り寄せ引き上げると孫の方へ、持って行った。
「すみません。ありがとうございます」
そう、孫に話しかけられ、それから、交流することとなった。歓喜。
「ギン爺」
なんといういい響き、孫との交流は楽しいものだった。そう、交流を持てたなら、律江も連れて来よう。
そして、次の海釣りのお誘いに妻を連れてきて
「りっちゃんだ」
と紹介した。
りっちゃんは、孫をガン見していた。
「僕は、ハルアキだよ。本名は内緒。ハルアキって呼んでね。りっちゃん」
このころの悠暉は、ものすごく、眠たそうな顔をしていた。
「寝不足か?」
ライ爺の問いに
「やっぱり、そう見える?あのね。僕は平穏主義者なのに、みんなに怖いって言われるんだよ。だから、こうやって、怖くない顔をしようと、頑張っているところなんだ。前の席の子が毎日震えて怯えているからね。あと、喧嘩を吹っ掛けられるから、めんどくさくて。まだ維持ができなくて、すぐに戻っちゃうんだけどね」
そう言ったハルアキから、本当、僕は平穏主義者なのにという小さな呟きが聞こえてきた。
優しい子だ。りっちゃんが涙ぐんでいた。
しかし、平和主義者は聞いたことがあるが平穏主義者は聞いたことがないのぅ。
「う~ん、やっぱり、ギン爺、8歳の時に会った三重彦爺さんのお友達に似ている気がする。でも、他人の空似かなぁ」
次に聞こえてきた呟きに。
こちらを笑顔で振り向いた妻の顔が般若に変った。
「「「ひぃ」」」
儂の後ろにいた者達もその光景を見たのか儂と同じぐ悲鳴を上げる。
「ハルアキ君、少しの間、ギン爺と大事な話があるから、席を離れるわね」
「うん?分かった。二人の場所取りは任せて」
また笑顔に戻った妻はハルアキと楽しそうに話す。またこちらを向いたときには般若を通り越して、鬼と化していた。怖すぎる。儂は半ば引きずられるように妻に連れた行かれた。
律江は三重彦のことを知っていた。そして、一人で、幼い悠暉君に会ったことを知った鬼と化した妻に色々と問い詰められた。
「ずるいわ」
そう言われた。その後、妻は泣きながら、孫の可愛さを語っていた。孫を抱きしめたいそう言っていたけど、バレるわけにはいかない。後継者を一族から決めない、わしらの命を狙う者も出てきた、老いた儂なら潰せるとでも思っているらしい。そいつ等をすべて潰すまでは、まだまだ安心できなかった。
「早急に潰しましょ。私も手伝うわ」
妻も俺の考えを理解してそう言った。
「いや、わし、<ドッゴオオン>」
「手伝うわ」
儂一人で十分だと言おうとして、律江の拳が顔の横を通り過ぎた。凄い音がして、後ろのコンクリートの壁が貫通し穴が開いていた。そういえば、律江の力はゴリラ並みに強かった。
目の前のブチにブチ切れた律江の顔に、ハルアキには悪いが、ハルアキの前の席の子の気持ちがよく分かった気がした。すまぬ。
「じゃぁ、私は戻るから、その壁直しといてね」
危険な目に合わせたくなかったが、了承するしかなかった。
笑顔に変わった妻の言葉に知り合いに電話をかけ、手配を頼んだ。
どんなに権力があろうとも、どんなに力があろうとも、愛する者には勝てんのじゃ。
そう、儂は妻には勝てん。
チカチカと光るスマホに映る、着信相手の名前を見て、
儂より先に儂の孫と仲良くなりやがって、羨ましいことこの上なし。
昔を思い出していた所為か、その思いが湧き上がってくる。
深呼吸して、気持ちを落ち着かせてから、電話に出る。そうしなければ、思い出した想いのまま罵ってしまいそうでな。
「儂の孫が迷惑かけたみたいだな。あと、儂らの分も残しといてくれるか」
「皆、過激やのぅ」
「お主より、ましや。そういえば、儂の孫達はお主のお眼鏡にかなったみたいだな。千春と千秋を頼んだ」
「早いのぅ。一年猶予があるんじゃ、決めるのはあいつ等じゃ」
「そうか?あの双子は行動が早いからな、準備しておいた方がよいぞ。じゃぁ、また、年末に」
そう、返答を残して、電話は切られた。
本当、気乗りせんのぅ。あやつの孫など。でも、悠暉の幸せの為なら、そんな、儂の嫉妬など、どうだって良い。
先ほど会った、双子を思い返して思う。恐ろしい子達じゃった、賢い子達じゃった、何より、悠暉の為なら無茶をしてしまいそうな子達じゃ。そして、あの子もまた双子の為に無茶をしてしまいそうじゃな。
とりあえず、準備だけはしておくかのぅ。
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