僕に双子の義兄が出来まして

サク

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小話

ギン爺視点2

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隠れるのがうまく、見つけた時は、喜美子は病院の病室で床に臥せておった。

その隣には小さい子が居た。寝ている喜美子のそばで、絵本を静かに読んでおった。
喜美子が苦しそうに蹲る様に背中を丸めると喜美子の背中を撫でながら、ナースコールを押し、喜美子に

「大丈夫。すぐに先生が来るからね。」


そういった後、医者が来るまでひたすら、

「痛い痛いの飛んでいけ、遠くのお山に飛んでいけ」

と声をかけていた。
泣きそうになったのは言うまでもない。賢い子だった。遠くから、見守るだけで、会うことはしなかった。

その子が家で一人、親の帰りを待っていることもあると知って、高齢になり、隠居した昔なじみの使用人たちを呼び寄せ、子供の護衛を頼んだ。間もなく、喜美子が亡くなったと報告が入った。享年二十七歳だった。
長くて二十歳までと言われていた娘は二十七歳まで生きてくれた。きっと、泰明君や子供と一緒に居たくて頑張ったのだろう。

それから半年過ぎた頃、護衛を頼んでいる人物の一人から、報告の日でもないのに、電話がかかってきた。

「坊ちゃん、お嬢とそっくりですなぁ」
「会ったのか?会ったのか?」
「なんだか作りすぎてしまったんで、どうぞ、おそそわけです?って、おすそ分けがおそそわけになっていて、微笑ましかったですよ」

「ずるい」

口から思わず零れてしまった言葉に笑われたが、仕方ない。

報告の内容がその日から、変わっていった。闘い方を教えたら、さすがですや、直ぐにマスターしたやら、料理の腕が上がっていってますやら、一緒に料理作りましたよ。手際がようございましたやら、将来、困らないように色々仕込んでおきましたぜ等など、心底羨ましい、報告ばかりが入ってくる。

羨ましい。儂も、近くで孫に会いたい、孫を可愛がりたい。ずるい、ずるい、ずる過ぎる。
儂だって、孫の手作り御飯が食べたい。そんな思いが募っていく。呆れた、そいつらの一人に

「わしゃの友人として、家に来てお会いになされたら、よろしいに」
「その手があったか」

その者の友人としてあった、孫の悠暉は目に入れても痛くないほど、可愛かった。喜美子の起きた時の顔にそっくりで、律江のほんまに、ブチ切れに切れに切れた時の顔に似ていた。かわえぇ。儂の孫

「みえじぃちゃんの、おともだちさんですか?僕はきしたゆうき8さいです。よろしくお願いします。」

キュン。可愛すぎて、手の指がわなわなする。かわぇぇ子がおる。これが儂の孫だと。というか三重彦や、おまえ、みえじぃちゃんと呼ばれているなど、羨ましすぎる。儂がじぃちゃんだぞ。しかし言えなかった。会ったのは一回きりじゃ、ずっと、そばに居たくなる。そしたら、泰明君もこの子も危なくなるのはわかりきっていた。

次に会ったのは、孫が6年生の時、三重彦からまた電話がかかってきた。

「いやー。すまんすまん。報告するか迷ったんだが、わしゃも昨日、ゆっ君から聞いてびっくりして調べ取ったんじゃよ。ゆっ君、大物じじぃを捕まえよった」

「は?その前にゆっ君とはなんだ。あだ名か、あだ名よびなのか」
「まぁ、まぁ、それは横に置いとけや、藤野宮倫太朗、分かるやろ?」

藤野宮倫太朗は経済界の大御所として、とても有名な奴だった。大物じじぃって、お前より年下だろうが。

「去年、息子に家督を譲ったと聞いておる。そやつがどうした?」
「ゆっ君の五年の夏休みの遊び相手じゃ、冬休みも春休みも偶に三連休も遊んでいる相手じゃ。徐々に仲間を増やしておるぞ」
「は?」

その衝撃は凄まじかった。持っていたウィスキーグラスが粉々になるほどだった。

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