僕に双子の義兄が出来まして

サク

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4【千冬君が】体験した怖い話 千冬視点2

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「夏休み入ってから、どうした?なんか、おかしいぞ」

最初におかしいと思った時を思い出していた為、こちらを見ていた千夏に声を掛けられるまで気づきませんでした


「いえ、人の声が聞こえた気がして」
「前も言っていたよな?疲れているのか?じゃ、勉強はここまでにして、遊ぼうぜ」
「駄目ですよ。終わらせてからです」
「ちぇっ」

文句を言いつつも問題を解き始める千夏。千夏は良い方向に変わりました。その時、タイミングよく前の学校の友達から連絡が入り、先に確認することにしました。

「誰から?」
「政君からです」
「千冬と一位を争っていた人か?」
「そうですね。久しぶりに遊ぼうときていました」


[千冬、こっちに帰ってきているなら、連絡しろよ。遊びに行こうぜ]

もう一度届いたメールを見返し、文章がおかしいことに気づきましたが、深く考えませんでした。彼がこういった文章を打ち間違えるなんて珍しいなと思っただけで、用事がない二日の午後を指定し、約束と計画をたてました。

その時はちょうど、母の実家に里帰りする予定だったので、千夏の友達か誰かに聞いたのかなっと思ってました。
千夏の方にも千夏の友達から連絡が来たみたいでしたから。

後から知ったのですが、千夏も帰ることを誰にも言っていなかったみたいです。帰った後、連絡する予定だったみたいです。それなのになぜ、連絡が来たのかというと、僕を見かけたとのことでした。他人の空似、同じ顔は3人いると言いますし、タイミングが合っただけ、そう思っていました。

その日の夜、また夢を見たんです。
顔の半分が僕と似ていたんです。そして、僕をじっと見つめていました。


その時、ふと思ったんです。千夏の友達や政君が見たのは僕の横顔なのではと。

「最近、変な夢を見るのですが」
「え?どんな」

母の実家に向かう車の中、千夏にその夢のことを話しました。

「僕が徐々に出来上がっていく夢?でしょうか要約すると。最初は黒い影でしたけど。最近は僕とそっくりになってきていました。なんだか、不思議な夢です」
「なにそれ、不思議な夢だな」

そう、不思議です。そのたびに前の学校の後輩やクラスメイト等、知り合いから連絡が来るなんてことってあるのでしょうか?

母の実家に着いた次の日の午後、政君との約束を守るため、集合場所に向かいました。今日は千夏とは別行動です。前の学校では付き合う友達が違っていましたので。

「久しぶりですね」
会った政君にそう声を掛けたら、不思議そうにされました。

「昨日もあっただろう?俺を見て、手を振っていたじゃないか」
「え?」
「もしかして、違う奴らに手を振っていたのか、うおっ、俺、恥ずかしい」
「いえ?昨日の夜、帰ってきたばかりですので」
「そうなのか?でも、千冬だったけどな」

政君はとても不思議そうに呟いていました。その日の夜、また僕が目の前にいる夢を見ました。

「返してもらいます。全て」

そう、無表情でいわれ、首を傾げました。その日から、僕を見かける人どころか、会話し、遊んだという人が多くなり、知らない会話のメール等が届くようになりました。

そのたびに夢の僕の表情や、会話が豊かになっていっていきました。そこばかり、気になっていました。だから、その違和感に気づくのが遅くなりました。

その違和感とは、段々と、彼が立体的に見えるようになっていることです。

それに気付いた時には、僕の影は全て盗られていました。

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