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「んーーーっ!」
つい、ずっと我慢していた声が出た。目が合ってしまったことも猛烈に恥ずかしかったけれど、舌を出して自分の胸先を舐めている亮が色っぽくて、まるで別人のように見えたのが実和を刺激した。
「ふっ、可愛いな。髪も、いつもまとめてるから、ほどくと可愛い」
なんかどさくさ紛れに可愛い攻撃をされて、一瞬気が逸れたところに亮の手がショーツの中に入ってきた。
「やっ、やっ、まって……」
「嫌?俺のこと嫌?」
「んっ……じゃなくって……」
経験はないものの、されることは一応知識としてあるから、たちが悪い。これから先に起こることを想像すると急に怖くなった。
「大丈夫、ここも可愛い。どこもかしこも可愛い」
甘い言葉を繰り返しながら、亮の指は誰も触れたことのない場所を行ったり来たりしている。今まで経験したことないことだらけで、徐々に頭が痺れてきてなにも考えられなくなる。
はじめて受け入れた指は違和感はあるけれど痛くはなかった。それでも無意識にイヤイヤと首を横に振っていると、大丈夫、と言うように亮がもう片方の手で実和の手を握り、指を絡めてさらにしっかり握る。
握られた手から亮の体温が伝わって、実和は少しだけ安心した。
★★★
はじめて、かもしれないとは頭の隅にあった、が、実際実和を目の前にして本人から告げられるとこっちまで緊張する。けれどそれ以上に嬉しい気持ちが上回って彼女に触れずにはいられなかった。
とにかく恥ずかしがる彼女を見ていると、出会った頃を思い出した。あの頃実和は緊張で亮の顔を見ようとしなかった。最初は嫌われてるかと思ったくらいだ。
話掛けると強張った顔で少し震えていた。それに少し傷付き寂しく思ったこともあったが、亮に対してだけでなく付き合いが浅い誰に対してもだと知ると緊張して恥ずかしがる実和が可愛いかった。
「ね……これって……しなきゃ、だめ……?」
はあっと熱い息を何度も吐きながら必死に甘い声を抑え、目に涙を溜めて聞いてくる実和はますます可愛い。
実和の脚の間に顔を埋めながら、目だけで彼女の顔を見る。
「俺がしたいから。可愛がりたい」
「……ふ……っも、かわい、がら、なく、っていいぃ………」
「やだね」
そうして、さらに彼女を可愛いがると、やっと少し甘い声が出てきた。その実和の声は亮の理性を軽くふっ飛ばすだけの威力がある。
「ごめん、出来るだけ痛くしないようにするけど、痛いのは俺が心から実和を可愛いがったせいだと思って。ね?」
こんな土壇場になってはじめて名前を呼ぶ。思わず呼んでしまったが、どうしても呼びたかった。
「実和、俺を信じて。大丈夫だから、力抜いて」
さっきからぎゅっと握っているシーツから実和の手をゆっくり外し、その手に何度もキスをする。そうすると彼女は小さくうなずいた。
「……っ……ん!」
「っ、大丈夫か?力抜いて」
「ふっ……はあ……っ」
「そう、上手」
実和の中は暖かくて狭くて、こちらがもっていかれないようグッと目を瞑る。そうして堪えてると頬になにかが触れた。
「ひら、の、くんこそ、だいじょうぶ……?」
目を開けると痛みで苦しいはずの実和が亮の頬に手を伸ばして聞いてくる。その姿が愛しくて暴走しそうになるのを必死でこらえる。
実和は自分がつらいときでも相手を気遣う。こんなときでさえも。そんな彼女が好きで堪らなかった。
「実和、好きだよ……ほんと好きだ……」
こんなことをセックス中に言葉にしたのはじめてだった。
実和の表情が少し緩くなると、ゆっくりゆっくり動き出した。そうするとうっすら小さく彼女が鳴き出す声が聞こえてくる。
「あ……んっ…んっ…あ……」
無意識に出てしまった声にびっくりしたように、実和は自分の手の甲で口を抑えている。
「声抑えなくていい。出したほうがラクになるから」
口を抑えた手を取ると亮は自分の首に回すよう促す。実和はされるがまま首にしがみつき、また小さく鳴く。
「あんっ、な、んか、もうっ……」
「いきそう?」
「わ……わかなん、ないっ」
「じゃ気持ちよくいけるようにするな」
そう前置きして実和の芯をそっと指で押さえながら回す。びくっと彼女の身体が跳ねた。出し入れをしながら絶え間なく芯を弄ると中をぎゅーっと締め付けてくる。
「あっ!あっ!やっ!あっああっ」
「中は気持ちよそうだけど、どう?」
「あんっ、んっんっ、なっんかくるっ」
「そっか、じゃ一緒にいこう」
腰の速度を速めながら、今までよりもずっと奥のほうまで埋めていくと気持ち良くてさらに速度が速くなる。
「あぁっ…大きくてっ…いっぱいっ…」
「みわ、みわ」
彼女の腰を引き寄せ、これ以上ないくらい奥に突き立てると被膜ごしにおもいっきり放った。
☆☆☆
訳もわからず、はじめてで達してしまった。とにかく今は指一本すら動かない。でも身体が汗で不快で仕方ない。重い身体を起こそうと実和はなんとか腕を動かした。
するとベッド脇で避妊具の処理をしていた亮がこちらに振り返った。
「いい、実和は寝てろ。水欲しいのか?」
そういえば、声を出し続けたせいか喉がカラカラになっている。最中もだったけれど、彼は普段も優しいが、さらに優しく、そしてベタベタに甘くなったと思う。
「ん、水もだけど、タオルで身体拭きたい…」
「わかった、ちょっとまってて」
亮はボクサーパンツを履くとスタスタと脱衣室のほうに消えて行く。これが経験値の違いなのか?終わって間もなくても普通に動けるなんて。それとも女と男では違うの?それとも自分に体力がないだけ?
やっとの思いで身体をひねるとそのまま枕につっぷす。さすがに事が終わってすぐに亮の顔を見るのは恥ずかし過ぎる。
「実和?大丈夫か?水飲める?」
そう言いながら亮はペットボトルと濡らしたタオル2枚をサイドテーブルに置くと、うつ伏せになった実和を羽交い締めにして起こす。びっくりしてあわてて布団を引っ張り身体を隠した。
「なにを今さら。さっき全部見たのに」
「それでも!……恥ずかしいんです……」
ヘッドボードに寄りかかった亮は実和を自分に寄りかからせて後ろから抱きかかえる格好で水を飲ませてくれる。それからタオルで身体を拭こうとしてくれたけれど、それはヘロヘロの全力で必死に止めた。
「身体は自分で拭くから!」
「えー、俺が実和を拭きたいのに」
「大丈夫、自分で拭けるから!」
「じゃあ俺も拭いてよ」
なんだか拒否したせいで余計恥ずかしいことになってしまった。拭かれるのはどうしたって恥ずかしいけれど、さっきの今で亮の身体を拭くのも恥ずかしい。
実和がなるべく視線をそらして亮の身体を拭いてると、頭上からくすくすと笑いが降ってくる。
「恥ずかしがってる実和、可愛い」
またも可愛いと言われ、しかも名前を呼ばれて、顔が真っ赤になるほと恥ずかしい。でも嬉しくてドキドキもする。緊張とは違う胸のドキドキがこんなにも心地いいものだとはじめて知った。
一通り拭き終わると実和は疲れからか眠くなってきた。そんな眠そうな実和の顔を亮は両手で優しく包む。
微笑みながら亮はチュッと音を立ててキスすると、寝よう、と言って実和をベッドに横たえてくれた。そして実和の頭を軽く抱くと、数分ですーっと寝息が聞こえてきた。その寝息の音がまた心地よくて、実和もあっという間に眠りについた。
つい、ずっと我慢していた声が出た。目が合ってしまったことも猛烈に恥ずかしかったけれど、舌を出して自分の胸先を舐めている亮が色っぽくて、まるで別人のように見えたのが実和を刺激した。
「ふっ、可愛いな。髪も、いつもまとめてるから、ほどくと可愛い」
なんかどさくさ紛れに可愛い攻撃をされて、一瞬気が逸れたところに亮の手がショーツの中に入ってきた。
「やっ、やっ、まって……」
「嫌?俺のこと嫌?」
「んっ……じゃなくって……」
経験はないものの、されることは一応知識としてあるから、たちが悪い。これから先に起こることを想像すると急に怖くなった。
「大丈夫、ここも可愛い。どこもかしこも可愛い」
甘い言葉を繰り返しながら、亮の指は誰も触れたことのない場所を行ったり来たりしている。今まで経験したことないことだらけで、徐々に頭が痺れてきてなにも考えられなくなる。
はじめて受け入れた指は違和感はあるけれど痛くはなかった。それでも無意識にイヤイヤと首を横に振っていると、大丈夫、と言うように亮がもう片方の手で実和の手を握り、指を絡めてさらにしっかり握る。
握られた手から亮の体温が伝わって、実和は少しだけ安心した。
★★★
はじめて、かもしれないとは頭の隅にあった、が、実際実和を目の前にして本人から告げられるとこっちまで緊張する。けれどそれ以上に嬉しい気持ちが上回って彼女に触れずにはいられなかった。
とにかく恥ずかしがる彼女を見ていると、出会った頃を思い出した。あの頃実和は緊張で亮の顔を見ようとしなかった。最初は嫌われてるかと思ったくらいだ。
話掛けると強張った顔で少し震えていた。それに少し傷付き寂しく思ったこともあったが、亮に対してだけでなく付き合いが浅い誰に対してもだと知ると緊張して恥ずかしがる実和が可愛いかった。
「ね……これって……しなきゃ、だめ……?」
はあっと熱い息を何度も吐きながら必死に甘い声を抑え、目に涙を溜めて聞いてくる実和はますます可愛い。
実和の脚の間に顔を埋めながら、目だけで彼女の顔を見る。
「俺がしたいから。可愛がりたい」
「……ふ……っも、かわい、がら、なく、っていいぃ………」
「やだね」
そうして、さらに彼女を可愛いがると、やっと少し甘い声が出てきた。その実和の声は亮の理性を軽くふっ飛ばすだけの威力がある。
「ごめん、出来るだけ痛くしないようにするけど、痛いのは俺が心から実和を可愛いがったせいだと思って。ね?」
こんな土壇場になってはじめて名前を呼ぶ。思わず呼んでしまったが、どうしても呼びたかった。
「実和、俺を信じて。大丈夫だから、力抜いて」
さっきからぎゅっと握っているシーツから実和の手をゆっくり外し、その手に何度もキスをする。そうすると彼女は小さくうなずいた。
「……っ……ん!」
「っ、大丈夫か?力抜いて」
「ふっ……はあ……っ」
「そう、上手」
実和の中は暖かくて狭くて、こちらがもっていかれないようグッと目を瞑る。そうして堪えてると頬になにかが触れた。
「ひら、の、くんこそ、だいじょうぶ……?」
目を開けると痛みで苦しいはずの実和が亮の頬に手を伸ばして聞いてくる。その姿が愛しくて暴走しそうになるのを必死でこらえる。
実和は自分がつらいときでも相手を気遣う。こんなときでさえも。そんな彼女が好きで堪らなかった。
「実和、好きだよ……ほんと好きだ……」
こんなことをセックス中に言葉にしたのはじめてだった。
実和の表情が少し緩くなると、ゆっくりゆっくり動き出した。そうするとうっすら小さく彼女が鳴き出す声が聞こえてくる。
「あ……んっ…んっ…あ……」
無意識に出てしまった声にびっくりしたように、実和は自分の手の甲で口を抑えている。
「声抑えなくていい。出したほうがラクになるから」
口を抑えた手を取ると亮は自分の首に回すよう促す。実和はされるがまま首にしがみつき、また小さく鳴く。
「あんっ、な、んか、もうっ……」
「いきそう?」
「わ……わかなん、ないっ」
「じゃ気持ちよくいけるようにするな」
そう前置きして実和の芯をそっと指で押さえながら回す。びくっと彼女の身体が跳ねた。出し入れをしながら絶え間なく芯を弄ると中をぎゅーっと締め付けてくる。
「あっ!あっ!やっ!あっああっ」
「中は気持ちよそうだけど、どう?」
「あんっ、んっんっ、なっんかくるっ」
「そっか、じゃ一緒にいこう」
腰の速度を速めながら、今までよりもずっと奥のほうまで埋めていくと気持ち良くてさらに速度が速くなる。
「あぁっ…大きくてっ…いっぱいっ…」
「みわ、みわ」
彼女の腰を引き寄せ、これ以上ないくらい奥に突き立てると被膜ごしにおもいっきり放った。
☆☆☆
訳もわからず、はじめてで達してしまった。とにかく今は指一本すら動かない。でも身体が汗で不快で仕方ない。重い身体を起こそうと実和はなんとか腕を動かした。
するとベッド脇で避妊具の処理をしていた亮がこちらに振り返った。
「いい、実和は寝てろ。水欲しいのか?」
そういえば、声を出し続けたせいか喉がカラカラになっている。最中もだったけれど、彼は普段も優しいが、さらに優しく、そしてベタベタに甘くなったと思う。
「ん、水もだけど、タオルで身体拭きたい…」
「わかった、ちょっとまってて」
亮はボクサーパンツを履くとスタスタと脱衣室のほうに消えて行く。これが経験値の違いなのか?終わって間もなくても普通に動けるなんて。それとも女と男では違うの?それとも自分に体力がないだけ?
やっとの思いで身体をひねるとそのまま枕につっぷす。さすがに事が終わってすぐに亮の顔を見るのは恥ずかし過ぎる。
「実和?大丈夫か?水飲める?」
そう言いながら亮はペットボトルと濡らしたタオル2枚をサイドテーブルに置くと、うつ伏せになった実和を羽交い締めにして起こす。びっくりしてあわてて布団を引っ張り身体を隠した。
「なにを今さら。さっき全部見たのに」
「それでも!……恥ずかしいんです……」
ヘッドボードに寄りかかった亮は実和を自分に寄りかからせて後ろから抱きかかえる格好で水を飲ませてくれる。それからタオルで身体を拭こうとしてくれたけれど、それはヘロヘロの全力で必死に止めた。
「身体は自分で拭くから!」
「えー、俺が実和を拭きたいのに」
「大丈夫、自分で拭けるから!」
「じゃあ俺も拭いてよ」
なんだか拒否したせいで余計恥ずかしいことになってしまった。拭かれるのはどうしたって恥ずかしいけれど、さっきの今で亮の身体を拭くのも恥ずかしい。
実和がなるべく視線をそらして亮の身体を拭いてると、頭上からくすくすと笑いが降ってくる。
「恥ずかしがってる実和、可愛い」
またも可愛いと言われ、しかも名前を呼ばれて、顔が真っ赤になるほと恥ずかしい。でも嬉しくてドキドキもする。緊張とは違う胸のドキドキがこんなにも心地いいものだとはじめて知った。
一通り拭き終わると実和は疲れからか眠くなってきた。そんな眠そうな実和の顔を亮は両手で優しく包む。
微笑みながら亮はチュッと音を立ててキスすると、寝よう、と言って実和をベッドに横たえてくれた。そして実和の頭を軽く抱くと、数分ですーっと寝息が聞こえてきた。その寝息の音がまた心地よくて、実和もあっという間に眠りについた。
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